風待ちボーイズ〜イジメ?〜
「十夜!!てめーはめやがったな!!」
「は?何の事でしょうか?」
俺は屋上に行くなりどなりっぱなし。
あの後、職員室に呼び出されてさんざんだった。
なみだ目になってた半田先生はあいにく
男子教師に人気があったため
そいつらに影でこってり絞られた。
最後の方はたんなる嘆きだったし…。
「てめぇ、半田先生の授業を受けられるだけ感謝しやがれっ!!
俺達はどうやったってもう受けられないんだぞ!!?」
マジ意味不明だろ…。
って事で。
単なる八つ当たりだけどこいつのことだ。
なんか企みがあったんじゃないかと聞いてみる。
「だからあのメールの意味だよ!!」
「意味??」
「つまりお前は何が言いたいんだ?」
「なにって…」
手をあごに当てて考えるポーズ。
ちょっと空を見上げて一言。
「俺、空にメールなんてしたっけ?」
(プチン)
「十夜!!てめぇ覚悟しろ!!今日こそその根性叩きなおしてやる!!」
元・野球部エースの力をなめんなよ!?
俺が本気を出せばお前なんて…。
「あのぉ〜」
「あぁ!!?」
この屋上には全くと言って良いほど似合わない声。
てゆーか、たぶん女子だろう。
…女子?
「す、すみませんっ。お邪魔ですよね!?私、帰ります!」
み、美崎だぁーー!!
「邪魔じゃない、邪魔じゃない!!全然OKだって!!」
すかさずフォロー?に入った優希。
さすが、こー言う時にだけ頼りになる奴。
「ホントですかぁ…?」
美崎のなみだ目な声。
あぁ…もうやだ…。
「大丈夫だよ?空はもともとこーいう性格なだけだから」
これは拓。
てゆーか何気に腹黒いこと言ってんじゃねーかよ。おい。
爽やかな笑顔に似合わない言動。
普通はここで俺をまずフォローすべきだろ。
「拓、それはひどくねぇ?」
と、十夜ぁぁ!!
まさかお前が俺のフォローをしてくれるとは…
「いつもはもっとひどい性格じゃん」
コロシテヤル…。
「え?そーなんですか…?」
てか、信じるなよ、そこ。
その後、落ち込んだ俺を誰も気にかけなかったのは言うまでもない。