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風待ちボーイズ〜イジメ・続2〜

「どけどけぃ!!風待ちボーイズのお通りだっ!!」


優希が声を張り上げる。


もちろん毎日こんなことをして登校してるわけじゃない。


今日から美崎を連れて登校している。


そして、とてつもなく恥ずかしいセリフを優希が吐く。


どれもこれも…一週間だけと思うから出来るんだ…。


美崎は、その後でニコニコしている。


俺は、いつ優希が何をやらかすかとドキドキしている。


すでにやらかしてるけど。


一週間こんな生活が続くのかぁ…。


死なないかなぁ…俺。


そうこうしているうちに教室に着く。


美崎の教室を覗くとイジメをしてる張本人・宮川軍団が居た。


今はとりあえず何もしてこない。


少なからず俺達の効果はあったって事か…?


優希の騒音効果だけど。





―――――――――――――――――――――――――





授業中。


俺に悲劇が起こった。


ちょうど三十分くらい立った頃。


…そろそろかな。


ケータイを見る。


ピッタリにメールが来た。


だいたいこの頃にメールが来る。


あの面倒な優希から。


いつも大抵「暇だぁぁ〜」とか「後で学食行こうぜ!!!」


とかおよそ口で言ったほうが早いような内容を送ってくる。


ケータイを開いてメールを見る。


…あれ?


メールの相手は、思いがけず優希じゃなくて十夜だった。


珍しいこともあるもんだ。


あいつは、全くメールをしない。


こっちからメールしても基本無視。


後からそのことを問い詰めると


「俺の心にはちゃんと届いてるから心配するなって」


と、意味の分からない説明をしてくる。


そんなあいつが。


自分からメールをするなんて…!!


いったいどんな情報が…!!


期待に満ちた目で内容をチェックする。


そこに書いてあった言葉を隅々まで読む。


「俺、美崎連れて学食やだからね」


……っふざけんなぁぁぁぁぁぁああああ!!


久しぶりの密会&メールだと思ったら!!


なんだこの内容は!!


隅々まで読む範囲がねーじゃねーかよ!!


絶叫していたら、次のメールが来た。


…俺は、もう期待しないぞ。


メールを開いて内容を読む。


「さっきのメール見た?」


…ふ・ざ・け・ん・なぁぁぁっぁああぁああ!!


人がちょっと期待したのを良いことにお前は…


「はい。ここ天沢君読んで」


「んなもんっ読むかぁ!!」


「…はい?」


悲劇は起きた。


読めと言ったのは担任の半田先生で


俺が読まなくちゃいけないのは教科書。


その時やっと理解した。


あぁ…やっちゃったぁぁぁ…。


十夜メールと先生の声を間違えて教科書を読むことを断固拒否してしまったことを。


涙目の半田先生を尻目に俺は、泣きたいような気持ちで席に着き


教科書を読み始めた。


俺はその時読んだ教科書のページを全く覚えていない。




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