風待ちボーイズ〜イジメ・続〜
「で、俺達にどーして欲しい訳?」
「…一週間だけ…私を守って欲しいんです」
「そんなんでいーの?」
…?珍しい奴。
一週間じゃとてもじゃないけどイジメが終わるわけねーのに。
だいたい不登校になったりするまで終わんねーもんなんじゃねーの?
「お安い御用!!一週間と言わず高校生活が終わるまで…」
優希の目がキラキラと光り出す。
さすが風待ちボーイズ「女に関しちゃやる気満々ボーイ」
「いえ、一週間で良いんです。十分なんです、それだけで」
…どーいう意味だ?
一週間で何かが劇的に代わるって言うのか?
それとも俺たちじゃ一週間しか守れないことを見越しての代役がいるとか?
…そっちにしろなんか気にくわねぇ。
「今日は、いいので明日から一週間お願いします!!」
深々と頭を下げる。
その時、のそのそと十夜が動き出した。
そして一言。
「…断る」
「「「は!?」」」
やっと動いたと思ったらこいつ…。
なに言い出しやがるんだ。
「お前いまさらなんだよー!!?せっかく盛り上がってたのに!!」
「つか、なんでお前は反対なわけ?」
十夜が空を見上げる。
おそらく何かしらを考えているんだろう。
何かを思いついたのか手と手をポンと叩く。
「そーいうの面倒じゃん」
それだけ考えていて出てくる言葉がそれ!?
こんの無気力がっ…!
呆れた優希がまたはしゃぎだす。
「んじゃ十夜はいいよ!!俺たち三人でやろうぜ!!」
「そうだなっ。こんな美人の頼み断れるわけねーよ!!」
この歯の浮くようなセリフは、もちろん拓。
再度盛り上がる二人。
早速仲たがいかよ。
俺達がそんなことをしてる時
俺の隣では、依頼人・美崎 美穂がひそかに微笑んでいた。