風が来ない日 〜風待ちボーイズの良識〜
「あぁぁぁぁぁぁ!!!つまんねぇ〜!!」
「うるさいよ、優希。温暖化が進む」
「いやいや!!俺がうるさいんじゃなくて君達がつまんないの!!」
「そんなことないよ。俺、割と楽しいし」
「お前の趣味は、日向ぼっこか!?そんな趣味、趣味にあらず!!」
………………………
「うっせーんだよ!!テメーら!!ちったぁ静かにしやがれ!」
俺達は、屋上にいた。
「う〜だって〜」
このいつでも騒いでる自動騒音機が「鳥居 優希」
超がつくほどの目立ちたがりで女好き。
「空が寝てるのが悪いんでしょ。少しは、ひげダンスとかで盛り上げてよ」
このメチャクチャ俺に反発してくる身も心も無気力なのが「浅木 十也」
超がつくほどの無気力で人の話は、基本が無視。
…そのくせ女子にモテる。
「みんなやめてよー」
この弁当食いながら棒読みで俺達を止めるのが「黒崎 拓」
超がつくほど可愛い顔してながら中身は、とてつもなく腹黒い。
「お前等、俺の安眠を邪魔するな!!」
そしてこの俺、屋上で五時間目の授業をサボるのが日課の「天沢 空」
サボることを除けばこの中では、一番の常識を持ってる。…はず。
…だといいなぁ。
「それじゃぁ仲良く王様ゲームやろうぜ!!」
「「「…どこからどーしたら王様ゲームに繋がるんだよ」」」
「は!?も〜君たちは、頭悪くて困るな〜。これだから凡人は…」
どかっ ぼかっ けりっ
「リンチだー!!集団リンチだー!!」
「うっせーな〜コミュニケーションだよ。コミュニケーション」
「あほかっ!!こんな過激な女王様式コミュニケーションがあるかっ!!」
ギャーーギャーー
いつもこんな感じ。
俺達の日常。
本当に普通だ。
適当にしゃべって勉強して遊んで帰る。
本当、この世は退屈だ。
「あーぁ。風、吹かねーかなぁ…」
こんなことの繰り返し。
しかし、暇をもてあましていると必ず事件は起きる。
そう、だいたいが俺達「風待ちボーイズ」の目の前で。
…あぁ、俺は不幸だ。