血戦決着
吾は武と名誉を重んじるドラゴンボーンの戦士、へカチン。
高貴にして神秘なるエラドリンのレンジャーと神の御業を顕す敬虔なるエルフの僧侶グエドベ、怜悧なるヒューマンのウィザードであるペンテルらと共に旅をしている。
あてどない旅である。
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前回の冒険は戦闘途中で中断という収まりの悪いところで終ってしまったのであった。しかも、今回は高貴なるエラドリンが物言わぬ自動戦闘機械なのである。このような状況で吾等は血風党に襲われし白菊村を救えるのであろうか?
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救えた。終わり。
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ミノタウロス(経験値500)×1=500
ホブゴブリンの戦闘隊長(経験値200)×1=200
ホブゴブリンの戦闘魔道士(経験値150)×1=150
ホブゴブリンの兵士(経験値150)×2=300
ホブゴブリンの下級兵士(経験値38)×4=152
バグベアの戦士(経験値200)×1=200
ゴブリンのまじない師(経験値150)×1=150
ゴブリンの戦士(経験値100)×2=200
ゴブリンのちんぴら(経験値25)×4=100
人間の狂戦士(経験値175)×1=175
人間の魔道士(経験値175)×1=175
人間の山賊(経験値125)×2=250
人間のクズ(経験値31)×3=93
オークのグルームシュの眼(経験値200)×1=200
技能チャレンジ
ミノタウロス調略(難易度2:350)
副次クエスト(アヴァンドラの寺院守護)達成:経験値175
副次クエスト(警備兵Bの生存)達成:経験値175
副次クエスト(バグベアから形見を取り返す)達成:経験値175
クエスト(白菊村攻防)達成による経験値875
1人当たり経験値は919
手に入れた財宝等
商人スリルより購入、ブローチ・オブ・シールディング
アヴァンドラの神官より、シンボル・オブ・ディヴァイン・リーチ+2
白菊村村長より、金貨200枚と象牙製の英雄像
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今回本文が少々短めなのは、戦闘処理が忙しくてメモを取れなかったからです。
一応、補足的に前回からの経緯を記しておきますがかなり不完全であることはご了承ください。
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~補足~
戦闘の最中、白菊村に新たな参戦者が現れる。それはアヴァンドラに仕えるパラディン、ヒューマンのスプマンテであった。
『なんか向こうの村でアヴァンドラの寺院がやベーらしいから、ちょっと行って助けてきてあげてー』
『またッすか』
といった非常に雑なノリで白菊村のアヴァンドラ寺院を守りに来たのだという。その寺院が今まさに血風党に蹂躙されようかというときである。なんと都合のよいタイミングであろう。やはり善なる神の加護は偉大だということか。
ともかく、白菊村を守らんとする吾等に心強き味方が現れたことは間違いない。
聖騎士スプマンテはプレートメールに身を包みし重戦車のごとき男(牝馬だったか?)であった。その鉄の塊は地響き立てて疾走し、アヴァンドラ寺院の入口に辿り着くや大音声。
「助けに参りましたぞ!」
「おお! 誰ですか?」
アヴァンドラ寺院の神官は聖騎士スプマンテのことを知らぬようであった。
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聖騎士スプマンテの参戦、アヴァンドラの神官による治癒の祈祷などもあり、戦局は吾等有利に傾く。ゴブリンのまじない師が視界を遮る卑しき煙を立ち込めさせるも、魔法砲台ペンテルは魔法で敵を削っていく。寺院入口の扉付近は吾と聖騎士スプマンテで死守の構えだ。そこへミノタウロスが戦斧を振りかざして斬りこんでくるが、吾等はよく耐えた。治癒の魔法があればこそである。とはいえ、ホブゴブリンの戦闘隊長の号令一下、敵が全員一斉に3マスシフト移動してきて吾等を取り囲んだ時は肝が冷えた。ゴブリンの兵士が、吾等の機会攻撃を受けることなしに、懐まで入り込んできたからだ。
「それにしても、同じラウンド中でも、敵が近くを通るたびに何度も機会攻撃できるってどうなの? 1ラウンドって6秒くらいでしょ? たとえば敵が100人くらいワーッと傍を通り過ぎるとして、その1人1人に一回ずつ機会攻撃……。そんな何度も剣振るえるっておかしくね?」
敬虔なるグエドベは常識を疑い、真理を見出さんとするのだ。
「きっと、敵が近くを通り抜けるとき、気圧の変化が生じて剣が自動的に吸い寄せられるんだよ」
敵が素早く脇を通り抜けると、そこに真空が生まれて周囲の物を引き付けるという理屈だが、その説明で納得する者は誰もいなかったという。
それはともかく、そのようなことを言っている隙に、挟撃位置まで進出してきていたゴブリンの兵士を素早く片付けてしまう聖騎士スプマンテであった。
続けて、ペンテルのスリープがホブゴブリンの兵士達を眠らせ無力化する。
そして、いよいよミノタウロスの体にも刀傷が増え、重傷となったその時だ。
村を囲う塀の一角が崩れた。打ち壊されたのだ。しかも、そうして穿たれた穴から山賊どもが入り込んでくるではないか。ここにきて血風党の援軍である。
「……今頃遅い! 手筈では三方向から一斉に村へ攻め入る予定であったろうが!」
ホブゴブリンの戦闘隊長が吐き捨てるように呟くのが耳に入る。
「きっと、カール爺さんの映画でも見てて遅くなっちゃったんだよ」
戦闘隊長がおかんむりの様子であったので、遅刻の理由を考えてあげる心優しき吾等。
ともかく、山賊どもを率いる狂戦士は先頭に立ってミノタウロスの元へと馳せ参じんとす。その背後にあるはオークのまじない師(グルームシュの眼)か。
と、オークのまじない師が呪いの眼差しを向けてきた。以前も、吾等を苦しめた委縮の眼差しだ。だが、それは、
「なに!?」
ミノタウロスにかけられるではないか。ミノタウロスの体がぎこちなく揺らぐ。そこへ嘲りの声がかけられるのだ。
「よお、ずいぶんとやられてるみたいだな。どうやら、てめえの命もあと少しってところか」
それは援軍かと思われた狂戦士のものであった。ミノタウロスに接敵するや、その斧を振り上げる。
「貴様、裏切りか!?」
ミノタウロスが吠えた。
「てめえにはついていけねえ。俺達は村が手に入りすりゃそれでいいんだよ。なのに、てめえはこんな力技で村を手に入れようと、俺達に余計な血を流させやがって……。ついてけねえんだよ! 名誉ある戦いとか、そんなのにつき合わされて冗談じゃねえ! 脅して降伏させときゃ苦労もねえってのによ!」
「……わしの戦い方は、ただいたずらに部下を死に追いやるのみだったというのか……」
ミノタウロスは思いのほかショックを受けたようである。
血風党内で寝返りが出たのなら、こちらとしては願ったり叶ったりであろう。
「俺達はてめえを殺す! てめえに従ってる奴らも殺す! 俺達の裏切りを見た奴らも殺す! すなわちこの村の奴らも殺す! 皆殺しだー!」
狂戦士の雄叫びに山賊どもが気勢を上げる。結局、吾等は新たに現れた山賊どもとも戦わねばならぬようだ。
後方で魔法攻撃を続けているペンテルの元へ向かう山賊ども。その足を止めんと、聖騎士スプマンテと吾も疾走してその前に立ち塞がる。
わがライフドリンカーソードが山賊の体を引き裂いた。絶命した体から吾が体内に力が注ぎ込まれる。命うめえw。吾は雑魚敵を切り倒しては一時的HPを得るのだった。どう考えても善なる戦士の所業であろう。悪を討ちて、善の力と為すのだから。
ミノタウロスは狂戦士と打ち合っている。が、この寝返りに気落ちしたのか、その戦斧は狂戦士になかなか当たらぬ。20面体で1を出したらどうしたって当たらない。また、当たってもダメージの10面ダイス振って1とか2とか出してしまうのだ。一方の狂戦士も、オークのまじない師の呪いの眼差しが利かないと全然当てられぬ。空振りを繰り返す。ぐだぐだの戦いである。
そうしてミノタウロス達がそれぞれかかりきりになっている間に、吾等は山賊達を各個撃破していった。命うめえw。
◆
聖騎士スプマンテのバスタードソードが狂戦士に止めを刺す。その途端、ミノタウロスは戦斧を投げ捨てるのだ。
「わしはマガンテ様からお預かりした兵を無為に失った。最早合わせる顔もない。お前達の好きにするがいい」
その行動に、
「いや、でもミノタウロスのキャラ的には死ぬまで戦うべきじゃないか?」
「自分が今まで言ってきた『名誉ある戦い』とかのせいでこんな事態になったわけで、もう戦うの嫌になっちゃったんだろう」
との声も上がる。とはいえ、吾等はミノタウロスを捕えることに成功した。
「よし、ここでミノタウロスを説得しよう。もう血風党とかから足を抜けさせるんだ。無益に敵対することはない」
技能チャレンジである。
聖騎士スプマンテは治療で説得するのだ。「情けが身にしみるわ」
敬虔なるグエドベは交渉を駆使し、ペンテルは歴史を紐解き敗者の誇りを説く。吾等の行動に、ミノタウロスも心動かされたようだ。
「わかった。わしももう争いからは身を引く。田舎に帰ってトマト作る。畑を継ぐこととしよう」
ミノタウロスはトマト農家の生まれであった。
嘘であった。
ミノタウロスはこの村の犠牲者と部下達の菩提を弔いたいという。そのため、この地に骨を埋めるつもりであるとも。ミノタウロスを白菊村に留め置くことは血風党の目を引くやもしれぬ。危険ではないか。そうも思われたが、吾等はその願いを受け入れることとするのだった。罪滅ぼしのため、以降村に尽くすというのも1つの選択であろう。
「で、早速村のために尽くしてもらうわけだが、ひづめ亭に仕掛けておいた油を片付けるという作業が残ってる」
怜悧なるペンテルは火計の後始末をミノタウロスに押し付けるのだった。
◆
戦いは終わった。吾等は寺院に敵を立ち入らせず、死亡フラグ警備兵も生き残らせた。倒れたバグベアから形見の十字架も取り返した。村の人々は口々に吾らへの感謝を述べるのだ。
「これは些少ですが……」
と、村を代表して村長が差し出してきたのは金貨が200枚。それに村に伝わるという象牙製の精巧な彫像であった。芸術品であり、出すところに出せばよい値段になるであろう。村を救った記念に貰ったものを売るというのは、ちょっとどうかという気もしないではないが。
ともかく、吾等は事を成し遂げたのだ。善の勝利を祝うべきであろう。お金も入ったし意気揚々である。
「ところでヘカチンに使った分のポーション返して。あれ、グレープフルーツ味のいい奴だったんだよね。高かったんだよなー」
敬虔なるグエドベが嫌なことを言った。




