序章
まず、僕が最初に覚えているのはもっと小さかった頃死にかけたという事だ。
両親や周りの者たちが助けてくれなかったということもよく覚えている。少し大きくなった今となってはそれは仕方のなかったことなのだということが分かった。皆必死だったのだ。自分が生き残るために。
あの僕が死にかけた日。助けてくれたのは黒ネコだった。
昔母親が絵本でみせてくれたのと良く似ていた。最初は幻覚でもみてしまったのかと思ったがそれは紛れもなくフサフサしていて黒くまあるい目をした獣だった。
「さあ、君。泣いてないで立って!僕のうしろに!」
そう言われるがままに小さい黒い獣の後ろに立った。
ネコってしゃべるのか?そんな疑問もすぐ吹き飛ばすような光景が目の前に広がった。
「“ゲート”」
黒ネコがそう唱えると黒ネコの目の前はぐんにゃりと歪みだした。
「魔法だ!凄いよ!ネコさん!お伽噺でしかきいたことないよ!」
そう僕が驚きと興奮ではしゃいでいると
「ふふん。この程度は朝飯前さ!さあこの中に!」
ふとこの村の者たちのことがよぎる。
「じゃあ村の皆もつれてくるね!」
というと
「無理だね」
「え……?」
「この魔法は1日の使用制限がありなおかつ1度に1人と1匹までしか入れない!だから!さぁはやく!」
妙に説明口調だが……急に不安と罪悪感のようなものが襲ってきた。自分1人だけでこの場から逃げていいのか……?両親は?みんなは?いったいどうなるんだろうか。そう思うとまた涙がこぼれだし足は止まったままだ。
「みんな君のことを置いていったんだろう?そんな薄情なやつらなんて気にすることはないじゃないか。他の連中も上手く逃げてるはずだよ」
「ネコさんはどうしてここに?」
「通りすがりさ。そしたらこんなかわ……ゲホンゲホンなんでもないよとにかく僕のことはどうでもいい死にたいの?生きたいの?」
死とはなんだろう。こわいきもちは渦巻いているが死というものがよく分からない。このまま1人で生きていくのだって別のこわさがある。ひとりぼっちは嫌だ……。すると。
「君は選ばれたんだ。僕にね。生きるか死ぬかの選択をさせてあげている。こんなチャンスはないよ?僕たち魔族は気まぐれなんだから。」
「魔族?」
「そう。魔族さ。このネコの姿だって仮の姿でしかない。君たちエルフだって珍しい種族じゃないか。いや僕たち魔族より珍しい生き物だよ。なんてったってここ数百年みかけなかったくらいにはね。」
そう。僕はエルフ。しかも異端とされているハーフエルフだ。竜人の父とエルフの母をもつ。だが村の同年代の子たちは優しかった。大人たちは異端だとなんだと言っていたが見た目もさして変わらないせいか子供たちは僕に優しく接してくれた。
「君、竜人の血も入ってるよね?魔力の量がこの村のエルフとは桁違いだよ。エルフと竜人が交流をもってたなんてきいたことないけど……」
「うん。パパはりゅうじんだって言ってた。そのせいでお前に迷惑をかけてるっていつも謝ってたよ。でも僕はとっても強いパパが大好き!村が危険なときはいつもパンチとキックでどどどーんてやっつけちゃうんだ!」
「へぇ。凄いお父さんなんだね。でもこの危機にはちょっと対処できなかったのかな?」
そういうと黒ネコは空を見上げる。そこには大きなドラゴンが2体羽ばたいていた。燃え盛る炎を吐きながら。
「エルフも弱い種族ではないよね。先祖が不思議な力……まあ魔法だろうけど。それを使って世界を平和に導いたって伝説もあるぐらいだしね。本当に魔法はみるのははじめてなの?」
「うん……僕はみたことないよ。本物はね。おうちに難しい本がたくさんあってそのなかの絵とか絵本でしかみたことない。」
「そう……(秘匿されていたんだな。この時代魔法が使えるなんて知れたらそれこそ大事だ。戦争にだって駆り出されるだろう。でも変だな……なぜこの状況ですら魔法を使わない?攻撃的な術式はもう伝わってないのか?)」
「前の雨はいつ降った?」
「ええと……3日前に降ったばかりだよ」
「それは変だな。ここ数ヵ月は干上がってしまって飲み水にすら困る人間が多いのに。それが多分魔法だよ。いや、術式が組み上げられただけか?まあ魔法にはかわりないけどね。少なくとも君は魔法をみたことがある。」
「えぇ!?本当に?みんなは神様の恵みだって言ってたけど。」
「神は存在すると思うかい?」
「わからない……直接みたことはないから。でもいないとみんな困るんじゃない?」
「なぜ?」
「だって神さまがいなかったら僕たちも生まれてなかったし、ネコさんだって神さまが生んでくれたんでしょ?」
そうすると黒ネコはクックッと笑い始めた。
「神はもういない。あるべき場所へとかえったのさ。確かに神はいた。僕たち魔族も元々は神から生まれた……生まれたというよりわかれたのさ。まぁそこらへんは長い話になるから……ッ!」
黒ネコはぐらりとふらついた。
「大丈夫!?ネコさん!」
「大丈夫……じゃないな。はは、“異界”に来るのはこんなに体力を消耗するのか」
「異界!?なんのこと!?大丈夫!?ネコさん!」
「この……世界は……4つの世界に別れてる……人間界。魔界。天界。そして神秘世界。僕、は魔界……からきた……この“ゲート”を使ってね。君たちエルフは本当は神秘世界の住人だったんだ。」
ふらふらと立ち上がるとネコは真っ直ぐに手を伸ばした。
「君、だけでもいい。はや、くゲートに……じゃないと……死んじゃうよ。今頃……人間たちは大慌てだろうね。なんてったって神話の……時代の……」
「ネコさん!しっかりして!一緒に行くよ!ネコさんを助けたい!」
「ほんとう、かい?なら僕を抱いて……ゲートまで走って!」
言われるがままに僕はゲートをくぐった。
すると意識がプツン。と途切れた。
「……さま。つれて参りました。彼ならば……」
話し声がきこえる。いったい何が起きたんだろう。
「……う、う……」
「よーし!でかした!よくぞエルフなんぞの隠れ里をみつけたもんじゃ!しっかしかわええのお!本当にワシの好みじゃ!」
「……このショタコン魔王……」
「なにか言ったか?ん?」
「いえなにも」
なにかきこえるがまだいしきがハッキリシナイ
「よし子作りじゃ!このかわゆ~い子をはだかんぼにせーい!」
「まだ精通すらしてないだろ!いい加減にしろよこのショタコン!!」
「なら何年待てばいいんじゃ~教えてくれネロよ~」
「さあ……エルフのことですから20年は待たないと無理なんじゃないですか?」
「に、にににに20年!?ふざけるな!はやく!ワシに!セッ○スを!」
「1人で解消しててくださいよ……まあここまで幼い子をつれてきた私も悪いですが……」
「いーやお主はよくやった!竜人とのハーフじゃろ!?本当ならこの世の奇跡じゃ!しかも軟弱な人間どものいる世界で良く見つけてきた!流石はワシの……」
「あのー」
「「ん?」」
「ここは?」
「ヤバいヤバいヤバいどこまできかれてたかの!?セック○のくだりはきかれてないじゃろな!?」
「せ……?」
「よかった……きかれてないみたいじゃ……大丈夫かの?具合のほうは?」
「僕……ネコさんと一緒に……」
「ネコ??」
「僕ですよ……魔王さま。人間に警戒されない姿はどんなのがいいかってはなしたじゃないですか。」
「あー、そうじゃったな。もともとがそんななりじゃあ1発で魔族だとバレてしまうからな。」
僕にはネコの姿にしかみえない。そして話してるのは自分とはあまり姿が変わらない小さな……子供?
「あーワシも珍しい……珍しいというか唯一の存在である天使じゃ!天使じゃ天使!」
「神に反逆して堕天してきた、でしょ。」
「聞こえが悪いじゃろーが!神話時代の生き残りじゃぞ!敬意をはらえ敬意を!」
「500年くらいしか差がないでしょーが。僕だって昔はいろんな世界を渡り歩いたんだから。経験の差が違いますよ。」
「なんじゃー!?やるか!?お!??」
「いいですよ?数百年ぶりですがやりますか???」
「ケンカはやめてくださーーい!」
そういうと3人ばかりの魔族?たちが入ってきた。
「また天変地異起こすつもりですか!?どれだけの犠牲者が……」
3人ともこちらをみた
「「「か」」」
か?
「「「かわいい~~~~~~~~!」」」
3人ともこちらに抱きついてきた。くるし……
「やめんか!!ワシのじゃワシの!!!どけ!!のけ!!」
しぶしぶといった感じで名残惜しそうに体を離してくれた。助かった……
「えーとそれでここは?僕はネコさんと一緒に来ましたよね?」
「そうだね。君はボクと来てくれた。よく選んでくれたよ。“魔界”にくるのをね。」
「魔界?ここが?」
「そう。魔界。天界から1番離れた場所さ。神も仏もいない最悪な世界。君はここでは神からの恩恵をうけられない。つまり運などという法則に縛られないですむのさ。試しにサイコロを振ってみな。」
そういわれ四角い物体を渡された。
「これは?」
「これはサイコロと言って人間が作り上げたものさ。点が掘ってあるだろう?これは数字を表している。わかる?」
確かに掘ってある。触り心地も悪くない。こくんと頷いた。
「えいっ」
6だ。
「やっ」
6だ。
「……?」
またまた6だ。
「もう2つあげるよ。」
6と6と6だ。
「これは6しか出ないの??」
5人ともにんまりと笑っている。
「これはワシが“6であれ”とサイコロに今命令したからじゃ。」
もう一回振ってみる。
「1、2、3……」
「これもワシが命令したのじゃ。666のほうが好きじゃがの。」
「神……さまなんですか?」
「この世界のな。神……まあ神みたいなもんじゃ。他人の運命に介入することができる。」
「僕みたいな強い存在には無理だけどね~」
黒ネコが笑う。
「私たちにも無理です。」
3人とも笑っている。神に逆らえるほど強い存在なのか……?
「この世界にはどれくらいの人がいるんですか?」
「そうじゃなぁ……まあ人ではないが20億程度の生物は居るよ。」
億……?どれくらいなんだろうか?
「たくさんですか?」
「はっはっは!そうじゃ沢山じゃ!どいつもこいつもアホらしい運命じゃがな。魔族を除けばじゃが。」
「魔族はどれくらいいるんですか?」
「ほんの数万よ。エルフと同じく長寿のものが多いから運命を決めるのはやめた。他はほぼ10年やそこらで死んでしまうな。まあ介入しようと思えば全員に介入することができる。」
「僕たちを除けばね~」
クックッとまた黒ネコは笑う。
「ふん!お前らには全員勝って従わせたじゃろうが。」
「私たち、魔王候補だったんですよ~」
「ショタコンロリババアが」
「死ね」
3人ともがそれぞれ言う。あんまり慕われてはいなさそうだ……
「そういえばネコさんは大丈夫なの!?あんなに具合悪そうにしてたのに!」
「は?お前が?何年も何年もいろんな世界を渡り歩いてたじゃろうが。なにがあったんじゃ?人間程度に負けるお前でもないじゃろ?」
「いやー我ながら迫真の演技だったかなー?異界渡りするときの初めての感覚を思い出しながらやったからなー。エルフくん。そうほいほいと初めて会う人にはついていっちゃいけないよ?」
え……?騙され……た?そんな……
「うぅ……ひっく……パパ……ママ……」
「すまんなぁエルフのショタっ子よ。ワシが命令したのじゃ……世界で1番美しい少年をつれてこいと。」
「まさか“境界”が曖昧になる日とは言えドラゴンまで人間界に入ってくるんだもんなー僕も驚いちゃったよ。」
「ワシ達は天界の連中が攻めこんでこないかどうか見張ってたんじゃ。異界渡りが出来るのはこいつだけじゃしな。“ゲート”はワシも使えるが魔界限定なのじゃ。」
「まあほら、あのままいても死んじゃってたと思うし?おあいこってことで。エルフくん。騙してゴメンね?」
「いやだ!帰る!帰らせて!!」
「でも君のこと見捨てて逃げた連中だよ?そんなところにもどりたいの?」
「それは……」
確かにそうだ。自分は見捨てられた。そんなやつらの元にもどるくらいなら……
「でもパパとママには会いたい。生きてるの?」
「それはわからない。生きていたとしても人間達に捕らえられてるかもしれない。エルフなんて神話のなかの生き物だからね。」
「助けてよ!黒ネコさんなら悪い人間達にも負けないでしょ?」
「まあ、人間界を滅ぼすくらいなら出来るけど……」
黒ネコは言い淀む。
「“ゲート”は日に数回しか使えないって言ったよね?それは通常の“ゲート”の魔法の話なんだ。僕の異界渡りの“ゲート”はね……」
「数年に一回なんだ。しかも同じ世界には連続していくことができない。神秘世界、人間界を何回も行き来していたんだよ。天界は流石に1人だと危ないからね……それでやっと君を見つけることができた。本当に隅々まで探したよ。」
そ、んな……
「だから……諦めて魔界に住みな?魔界も悪いところじゃないよ!ていうかじゃないと僕の数十年が報われないというか」
「でもさっき魔界は最悪な場所だって」
「う……ま、まぁそう言ったけど……君にとっては良い場所になるってことさ。なんてったってここの神である魔王さまの恩恵をたっぷりうけられるんだからさ。これ以上の幸せはないと思うな~。(僕はいやだけど)」
「そうじゃそうじゃ!たぁ~っぷりかわいがってやるぞ?ぐへへへ。」
「神さまなら僕の運命も自由に変えられるんじゃないの?」
「出来たらとっくにやっとるわ!こんなかわいい子の運命なんて操れたら始祖に土下座でもなんでもしてやるわ!操れんからこうやって口説いてるんじゃろうが……ワシの運命改変は魔界で生まれた存在にしか出来ないのよ……さっきのサイコロは魔界で作られた物だからサイコロの“運命”を変えただけなのじゃ。」
「物にも運命があるの?」
「当然じゃ。どこで作られ誰に渡りいつ壊れるか……そういう運命があるのじゃ。」
知らなかった。それは全て神さまが決めているのだろうか。
「じゃあ、神さまって本当に大変なんですね。」
「ん?なんでじゃ?」
「だってこの世の全てを神さまが決めてるんでしょ?」
「いやまさか全ての事柄を決めてるわけじゃないんじゃが……まあそれは置いといてワシは神さまではない!一応魔界では神のような存在ではあるがな。ワシにもちゃんと名前がある!」
「それならはやく教えてくれれば良かったのに……」
「すまんすまん。ワシの名は……じゃ」
え?ききとれなかった。もう1回きいてみよう
「やはりききとれなかったか…………じゃ。」
「ごめんなさい。何て言ったのか……」
「まあそうじゃろうな。魔神の真名なんぞききとれるやつはおらんわな。ならワシに君の名前を教えてくれんか?」
僕はそういわれ名乗った。2回ほど。
「なんと……エルフの名もききとれんとは……そうなるとお互いなんて名乗ったらいいかわからんのう。なにか別の名前はないか?ワシは異名なんぞ腐るほどあるからのう。好きに呼んでくれてかまわんぞ。1番気に入ってるのは天変地異かな。ネロとの戦いは本当に楽しかったぞ。」
悩む。とても悩む。別の名前……別の名前……ふと父からよく言われていた名前を思い出す。
「狩人。」
「狩人?また似合わん名前じゃなあ。なぜそんな名前をつけたんじゃ?」
「僕は弓が上手くて……それで。お前は立派な狩人になれるぞって。パパが……ううぅ……パパぁ……」
「あああすまんすまん!思い出させてしまったな。父は立派な竜人だったんじゃろ?……そうじゃ!お前も竜の血を継いでいるってことじゃよな!狩人と竜……りゅう……ドラゴン!ドラゴ!ドラゴでどうじゃ!?」
どらご……
「うん!僕のことはどらごって呼んで!どらご!どらご!!」
僕は気に入ってぴょんぴょんと跳ね回る。
「ふふ、気に入ったか!そうじゃ!記念に刻印をやろう!そうすればどらごはよりかわい……いや強くなれるぞ!魔界ではこの刻印をみればみなひれ伏すであろう。どこがいい?少しさわらせてくれんか?」
わきわきと手が近づいてくる。
「どこさわろうとしてんだこのショタコン。」
股間のあたりに手が伸びてきたあたりで黒ネコが尻尾ではたき落とす。
「いたっ!キサマ……ワシに歯向かう気か?ちょいとみせてもらうだけじゃから!すこし!すこしだけ!」
「魔王さま。貴方のご命令でこの美少年を連れて参りましたがやはり不埒な行為は見過ごせません。少なくとも僕の目の届くところではやめてくださいよ。」
「なら2人きりになればいいということじゃな!?ハァハァさあワシの寝室へ!」
「今日から僕がお目付け役として側にいることにします!」
「はぁ!?四六時中お前がいたらワシのうはうはタイムはどうなるんじゃ!なんのためにお前にこの命をくだしたと思っとる!!ショタ!しかもエルフ!!よだれがとまらん!!!」
「魔王さま。隣の空いている城をいただいてもよろしいでしょうか?そこでどらごと僕は暮らします。」
「おい!!ふざけるのもいい加減にせい!お前だけこの美貌を独り占めか??ネロ、キサマ裏切ったのか??どうなんじゃ!」
「魔王さま。決して僕は裏切ったわけでもそっちの気があるわけでもございません。このかわいさには少し揺らぎますが……ごほんごほん。魔王さまにふさわしい人物としての修行を施そうと想いまして。」
「修行じゃと……?色術の修行でもさせるのか?ええいそんなのはいらんわ!純粋で無知なショタが快楽に染まっていく様をみたいのよワシは!!わかるか!!?」
「わかりません。わかりたくもありません。この子を我々魔王軍最高幹部の1人として加えるわけですよね?ならば多少なりとも戦力として使えたほうがいいわけですよね?であれば……」
「戦力なんぞいらんわ!かわいいだけで正義なんじゃ!そこにおるだけでいい!そもそも戦力なんぞワシら5人いれば事足りるであろうが!」
「ですから、魔王さまのメンツを保つためにもこの子には強くなってもらう必要があるのです。ただのショタコンの魔王だなんて知れた日には我々魔王軍の評判もがた落ちってものです。しかも連絡通路が城と城の間にはあるでしょ?ですからすぐこれますよ。ていうかただのショタコン女に我々が負けたという認識を民達にされるのが辛いのです。城1つ与えれば民達もこの少年は凄い存在なのではないかと思うはずです。」
「ふむ……まあワシが強すぎるってのも問題じゃが一緒に戦線に赴くってのも悪くはないのう!魔王さま……僕が守ります。なんて言われた日にはキャーッ!いいのういいのう!お姫様抱っこもされてみたい!すぐに修行にとりかかれ!あと連絡通路は要らんぞ。毎朝“ゲート”で起こしにいく。」
「わかりました魔王さま。それではさっそく修行にはいらせていただきます。」
なんだか勝手に話が進んでいく。
「あ、あのパパとママにはいつ会えるんですか?」
「数年我慢すればあえるじゃろうて。とりあえず刻印は首にしておくぞ。すこしチクッとするが我慢してくれい。」
首に少し違和感を覚えたがすぐに消えた。
「これは……?」
「“刻印”といって魔法を術式なしで唱えれるようになったり筋力が上がったり……まあワシの力の一部を分け与えたと思ってくれ。刻印をしたのは数百年ぶりじゃ。模様もそれぞれ違ったものが浮かび上がってくる。どらごのは……やはり竜じゃな。かっこいいぞ!」
かわいいと言われるよりかっこいいほうがいい。僕は素直に喜んだ。
ここまでみてくださり本当にありがとうございましたm(__)m
序章はこれで終わりとなります。続きはすぐに書きはじめると思います。ブックマーク、レビュー等が私のやる気となります。是非よろしければ押したり書いたりしていってください!酷評でも構いません!参考にさせていただきます!それでは改めてありがとうございました!