第75話 帝国への対処:予想通りに期待外れな悪魔
アレイトスの生首発言に加え、レイティアから暗殺の状況を見ていたかの様に語られた三人の公爵は、明らかに焦燥の色を隠せずにいた。
アレイトスに続けと言わんばかりに、ブラッドとジェイドが前のめりで口撃の機会を窺う。
「シャンテ、キャスケン、ライランド、貴様等の野望は既に潰えたも同然。我が帝都防衛軍十万は一兵も損なうことなく健在である。加えて公爵軍五万の生き残りである四万余りの兵は投降し、帝国に恭順の意を示した後にエスタシオン公爵軍が吸収した」
「有り得ぬ!十万で総勢四十万の我らが軍を下すなど、そんな馬鹿な事など有り得ぬわ!」
「シャンテ公爵、そんな事を成せる御仁が存在するのですよ。私が二百二名の暗部を屠れたのも、その御仁の助力を得たればこそ。そうそう、貴公の子飼いである部隊長は、その御仁の連れ合いの手によって死して尚終わらぬ悪夢と共に絶命しました。テスラで私を抹殺したと思っていた暗部どもが戦場で私を見た時の表情、それはそれは滑稽でしたよ」
憤怒の表情を浮かべたシャンテが、キャスケンとライランドを見やった。
キャスケンとライランドは一つ頷き、シャンテを護衛するかの様に並び立った。
二人を左右に付けたシャンテが数秒だけ瞑目し、再び目を開いたシャンテの顔は平静なものへと戻っていた。
そろそろ俺たちの出番になりそうだ。
「いいだろう。いや、それがどうした。皇家が帝国を御するに足らぬ事に変わりなどない。我ら三大公爵家が保有する軍勢は未だ百万に届く。我らに賛同する諸侯軍を合わせれば、その総勢は二百万を超えるのだ。そうであろう諸侯方よ!!」
シャンテは最後の一節を諸侯に問い掛けるかの如く叫んだ。
その問い掛けを受けた諸侯の反応は様々だった。
大きく頷く者、小さく頷く者、隣の顔を窺う者、逡巡する者、反意の表情を浮かべる者。
その中から大声を上げる者が現れた。二列目の中央付近に立っていたカイラン辺境伯だ。その近傍にはモーズリーとペリドンの両伯爵も見える。
「西部辺境伯カイラン、発言の許可を頂きたい!」
それを見たシャンテがニヤリと笑った。カイランが賛同の意を述べるとでも思っているのだろう。
皇帝がカイランを見やり、発言許可の意を込めて一つ頷いた。
「私が言いたきは唯一つである。我がカイラン辺境伯家は帝国貴族の誇りに懸けて、ガルダイン皇家の剣となりて帝国民の為に戦う!以上である!!」
「なっ!? 血迷ったかカイラン辺境伯!」
「黙れシャンテ! 私は領土領民の為と思い貴様に従った。しかしそれは間違いであった。私はジェイド准将が言った御仁によって三つの物を救われた。一つは我が兵の命、一つはこの命、そしてもう一つは帝国貴族の魂だ! 貴様は知らぬであろうから教えてやろう。貴様等が偽装編制した反乱軍は、陛下の勅旨に従った我ら西部三卿を除いて殲滅された。よいか、敗北ではないぞ、殲滅だ。その数は二十五万人を超える。その二十五万余の兵を、たった一人で殲滅したのが“御仁”だ」
シャンテ、キャスケン、ライランドの表情が驚愕と猜疑の狭間で揺れ動いた。
三人には思い当たる節はあるはずだ。
グリムが暗部の部隊長Aに擬態してシャンテに報告して以降、シャンテたちには暗部からも軍からも一切の報告や連絡が届いていないのだから。
皇帝が徐に一歩を踏み出し、三大公爵を睥睨して口を開いた。
「シャンテ、キャスケン、ライランドよ、其方等の三家はガルダインが公国であった頃からの譜代家臣である。余は其方等を信じたかった。いや、余のみならず、余の父や祖父を含めた歴代皇帝も同様であっただろう。しかしそれは叶わぬ事であると余は知った。何故ならば……其方等は当の昔に人間ではなくなっておるからだ」
「「「 っ!? 」」」
シャンテ、キャスケン、ライランドの魔力が膨れ上がり殺気が漏れた。
三人の殺気を察知したブラッドとジェイドが抜剣して皇帝の前に立つ。
「クックックッ!クァーハッハッハッ!! そうかそうか、既に知られていたか。知能の低い皇家だと思っていたが、余りにも都合の良い展開に我も酔い過ぎたようだ。まあよい。多少面倒ではあるがお前たちを皆殺しにして、他の貴族どもは精神と記憶を弄ってやろう」
さてと、そろそろ行くかな。
俺がルル、フェリ、ハデスの三人に視線を送ると、三人は即座に頷いた。
悪魔どもの気を引く為に、俺は待機室の壁を蹴破って講壇へ出る事にした。
―――ドガッ!!!
シャンテたちが俺たちを見て身構えた。
「よお悪魔ども、引導を渡しに来てやったぞ。泣いて喜べ」
「人間風情が我らに引導を渡すだと?」
「騎士爵風情が粋がるな、と返しておこうか」
「……貴様、何者だ?」
「はぁ…どうして小者ってのは敵の正体を知りたがるかね? ハデス、どう思うよ?」
「冥界では生き残ることすら出来ぬ芥屑どもです。私に判ろうはずもありません」
シャンテの魔力がもう一段上がり、体から瘴気が漏れ始めた。
キャスケンとライランドの二匹は既に魔力上限の様だ。
やはり上級悪魔ならエルでも秒殺できそうだ。
「フン、少しは悪魔の事を知っているようだが、それで勝てる―――」
俺はシャンテの背後に瞬間移動した。
「いいから悪魔化しろ。殺すぞ?」
「なっ!? 馬鹿なっ!? キャスケン! ライランド!」
シャンテたちが驚愕しながらも俺を取り囲んで身構えた。
常人がシャンテから漏れ出す瘴気に触れるとヤバそうだ。
「アレイスト、諸侯を少し下がらせてくれるか? シャンテの瘴気には触れない方が良さそうだ」
「承知した! 皆の者! シャンテら三大公爵の正体は悪魔である! 諸侯はシャンテの瘴気に害されぬ様に下がるのだ!」
波が引く様に諸侯が引き下がる。それを確認している俺に向け、シャンテが魔力弾を放った。
「【咒玉】」
俺の呟きと共に漆黒に輝く五つの小球が出現し、シャンテの魔力弾を吸収して俺の周囲で円軌道を描きながら浮遊する。
「馬鹿なっ!?」
「バカはお前だ。敵の力量すら判らん三下が眠たい事やってんじゃねーよ。さっさと悪魔化しろコノヤロ。マジでコロスゾ?」
「主様、こ奴らは永らく悪魔化しておらず、瘴気制御が十全に出来ないのでしょう。その状態で悪魔化すると、暫くは元の姿に戻れないのかと。度し難い芥屑どもです」
シャンテたちがハデスの方を見て『なぜわかる!?』的な顔をした。
「マジかよ……殺る気なくなすわ。ハデス、どうにか出来るか?」
「出来ますが、宜しいのですか? 剣を召喚しますよ? お仲間も含めて危険かと」
「あのヤバさ全開の剣か。結界張るからその中でやってくれ。グリム!」
「承知しました主様」
「了解にゃー」
俺の意を受けたグリムが講壇に跳び降り、大型の黒豹に変態して皇帝たちを護るように立ち塞がった。
「あらー、グリムったらこんな形態にもなれるのね。フェンリルの血って凄いわぁ」
「グリムちゃんカッコイイですぅ!」
既に傍観者となりつつあるルルとフェリは、初めて見るグリムの黒豹形態に感心しながら撫でまわしている。
遠巻きに眺めている諸侯も小さいながら驚愕の声を漏らしており、皇帝は『ほほぅ』と興味深かげにグリムとハデスを交互に見やっていた。
ハデスが散歩でもするかの様に講壇から歩いて降りて来る。
シャンテたちは次々と現れる正体不明の俺たちに対して警戒感を募らせる。本能的にハデスのヤバさを感じているのか、俺やグリムよりもハデスへの牽制が大きい。
「き、貴様等は一体何なのだ!? ま、まさかハンターかっ!?」
ハンター?何それ初めて聞いた。すげー興味を引かれるんですけど。
俺は『知ってる?』という意を込めてハデス、ルル、フェリと視線を巡らせた。
ハデスは瞑目して首を振り、ルルは頬に指をあてて『わかりませーん』と小首を傾げている。フェリだけが『うん、知ってる』と言うようにコクコクと頷いた。
「三下悪魔でも千年近く人間に憑依してれば知識も増えるか。じっくり問い詰めたいところだが、そうもいかねーか。まあいい」
―――【咒域】
刹那の内に俺の意識下で咒による結界が咒式に変換され、展開中の咒玉術式に組み込まれた。
五つの咒玉が空間を割るように散開し、俺を中心にピラミッド型の結界を構築した。
「素晴らしい……この禍々しくも美しい結界は、私の剣をもってしても傷一つ付けられないでしょう。流石は主様です」
「ご主人様はニュー●イプにゃ?」
ムダに前世の知識を持っているグリムが、黒豹のくせに語尾に『にゃ』を付けて喜ぶ。俺も同じ事を考えてしまったのだが……
ハデスが『では』と呟いて瞑目した瞬間、猛り狂う暗黒の瘴気が噴き上がった。
結界内に濃密な死滅の臭いが充満する。気を抜いたら魂を刈り取られそうだ。
「ばばば馬鹿なっ!? な、なぜ瘴気を!?」
「しゃ、シャンテ様…憑依が、憑依が!」
「ひぃっ!? シャンテ様!?」
「冥王が命ずる…顕現せよ、エクス・デス・スレイブ」
―――轟!
ハデスの魔力が急激に膨張し、暗黒の瘴気を裂くように召喚ゲートが口を開けた。
双鉾に金色の光を宿したハデスがゲートに右手を挿し入れ、そして引き抜く。
ズズズッ…という幻聴が聞こえそうな重苦しい雰囲気の中、禍々しくも荘厳なる一振りの剣が顕現する。
死と狂気を宿した剣が『よこせ』と言わんばかりにハデスの瘴気を吸引する。剣が心臓を持つかの如く鳴動を始め、鯉口の金具がバクリと開口した。
ハデスが猟奇的な嗤いを浮かべて剣を抜く。剣が呼応する様に重低な呻りを上げた。
「現界では我が瘴気まで喰らうか……相変わらず強欲な剣だ」
「め…冥…王…の剣……」
「がっ、がぁっ!?」
「ひっ!ひぃっ!?」
「いかんな、人体を焼くどころか喰らい尽くしてしまっては、主様に申し訳が立たぬ――冥獄の理を以て躯を灼け、【黒葬】」
シャンテたちの身体が砂人形を壊すように崩れ落ち、小鬼の如き矮小な角を生やした悪魔がその姿を晒した。
「主様、これで宜しいでしょうか」
「ああ、上出来だ。憑依体を火葬したのか?」
「はい。事象としては分解の方が近しいでしょうか。このエクス・デス・スレイブは純悪なる瘴気が大好物でして、それ以外を冥獄の黒炎で焼き尽くすのです」
チャーハンは大好きでもガチャピンとムックを嫌うヤツが、グリーンピースとニンジンを取り除いてから食べる…的な?
まあ、好き嫌いはあるよな。
ハデスが剣を送還したので俺も結界を解いた。
ハデスが気を利かせて結界内に充満していた瘴気を吸い込んでくれた。呼吸器官でもOKなのか。
『ま、魔族か!?』
視界がクリアになった諸侯が一斉に大騒ぎを始めた。
皇帝やアレイストたちも実物の悪魔を見るのは初めてらしく、悪魔だと知ってはいたものの愕然とした表情を露わにした。
悪魔化したシャンテたちは何故か疲労困憊だ。悪魔化する前段で結構な量の瘴気を剣に吸われたのかもしれない。自分たちの悪魔化した姿を見合って恐々としている。
目は怯えた子犬の様になっているが、キュウソネコカミの例えもあるので要監視だ。
皇帝がなかなか再起動しないので声を掛ける。
「陛下、処断をお願いします」
「う、うむ!」
皇帝が気を取り直して一歩前に出ると、アレイストが追従する様に進み出て声を張った。
「静まれ皆の者! 陛下より処断が下される!」
騒ぎ立てていた諸侯が一斉に姿勢を正した。シャンテたちをチラ見している諸侯の中、最前列に独り立つエスタシオン公爵だけが、悪魔など気にも留めない毅然とした態度で皇帝を見詰めている。
「建国より九百七十四年、その何時からかは判らぬが、シャンテ・キャスケン・ライランドの譜代三家当主は悪魔に憑依されておった。我らが古来より魔族と呼び忌み怖れている存在である。人の心は弱い。しかし弱くとも正道を踏み外してはならぬのだ。今日この時に我らは建国の意志へ立ち返り、帝国と民の為となる帝政を取り戻すのだ!」
『応! 帝国の礎たらん!!』
「うむ。されば処断を申し渡す! 悪魔は斬首の後に滅却せよ! 三大公爵家の謀略に加担せし爵家には辯解・釈明の機会を与える。今日より二十日の後、帝法に則り処断するものとする!」
『御意に!』
諸侯が『御意』の発生と共に跪いた。
皇帝が俺に体を向け、掌を差し出す様にして口を開いた。
「キル殿、其方に悪魔への断罪を託したい」
「お断りします。俺の出る幕は既に終わりました」
皇帝が俄に驚きの表情を浮かべた。どうやら俺の意図を計りかねている様子だ。
アレイストたちや諸侯も困惑の目で俺を見ている。
俺は皇帝から視線を外し、皇帝の背後に居並ぶ三人に視線を巡らせてから口を開く。
「アレイスト、ブラッド、ジェイド、ここは次代を担う三人の出番じゃないか?」
皇帝が微笑みを浮かべながら瞑目し、小さく一つ頷いた。
「キル……本気か?」
「ここで最大の勲功を奪うなど…」
「本当に欲のない方ですね、キル殿は」
多くの言葉を交わすのも無粋だと考え、俺は肩を竦める仕草を返答にした。
「キル様ステキですぅ!」
「悪魔討伐なんてキルにとっては些事だものね♪」
「ご主人様はカッコつけたいだけにゃ」
「芥屑の処分など、むしろ主様の栄誉を汚すだけです」
ウチの化け猫だけは俺が処分するとしよう。
アレイストたちが苦笑と共に足を踏み出した瞬間、シャンテの殺気が講堂を支配した。
アレイストたちの目が恐怖の色に染まり、諸侯が身を竦めた。
「おのれ!おのれ!おのれぇーーーっ!! 永きにわたる我らの努力をブチ壊しおって! こうなれば一人でも多く道連れにしてくれるわっ!!」
シャンテが瘴気を絞り出す様にして全身に纏い、ありったけの魔力を両手に集束させた。
―――【咒縛】
漆黒に輝く数多の鎖が時空を切り裂いて顕現する。
悪魔どもの全身を貫き、縛り、ギチギチと痛烈に締め上げた。
「ぁ…ぁぁ…ぅぁ……」
シャンテが声にならない戦慄の呻きを漏らし、その目から一筋の黒い涙を零した。
「俺の咒の味はどうだ? つーか、チンケな悪巧みを努力とか言うなっての」
「素晴らしい! 芥屑とは言え悪魔を絶望の呪鎖で拘束するとは。主様は悪魔より悪魔的です!」
それ誉め言葉になってねーからな?キラキラした目で俺を見るなって…
「アレイスト、決着の時だ」
アレイストたちが再び苦笑を浮かべて足を踏み出し、首から下を余すことなく拘束された悪魔たちの前に立った。
アレイストが抜剣し、それに続いてブラッドとジェイドも抜剣して構えた。
「我らは悪魔を断罪し、帝国は正道を征く!」
―――斬! 斬!斬!
悪魔の頭部がポトリと落ちた。
ここで俺は一つの失念に気が付いた。精神生命体である悪魔は首を落とすだけでは消滅しない。通常なら白魔術の高位術式での浄化が必要だ。
ここで『誰か浄化できる人いる?』と聞いては雰囲気がブチ壊しなので、仕方なくハデスに処理させようと視線を移せば、歩を進めるレイティアの姿が視界の隅に入った。
「キル様、私にお任せ頂きたいのですが……」
「へぇ、じゃあ頼むよ」
「はい! 光の精霊よ、聖白なる輝きを以て穢れを払い給え、【アル・ピュリファイ】」
悪魔が白い粒子となって霧散していく。
レイティアの浄化にシンクロさせて俺も咒縛を霧散させる様に解除した。
『おおおぉぉぉーーーっ!!!』
アレイトスを含めた帝国諸侯が拳を突き上げて咆哮を上げた。諸侯は口々に『帝国に栄光あれ』だの『帝国に悪は栄えぬ』などと声高に叫び始めた。
悪さしてた奴等が少なからずいるはずなのに、何とも現金なものだ。
まあ、貴族ってのは変わり身の早いヤツが多いから仕方ないのかもしれないが。
「キル殿、ガルダイン帝国は貴殿の助力に深く感謝する」
諸侯の言動を呆れながら眺めていた俺の傍に、皇帝が自ら降壇してそう言った。
国の君主が目線の高さを同じくするのはレアケースだろう。
「謝意は有難く受け取りました。これで傭兵としての仕事は完遂とさせて頂きます」
「キル! 私からも最大の感謝を我が友へ!」
「キル様! この御恩は一生忘れません! 私は何時でもキル様の元へ参りますわ!」
「キル殿、エスタシオン公爵家はキル殿と共に在るとお考えください」
「キル殿、迷宮で助けて頂いたあの日から今日までの恩義、いずれ必ずお返しします!」
多少の気恥ずかしさを感じつつ、俺たちは皆の謝意を受け取った。
宴を催すから暫く滞在してくれと請われたが、先に諸侯への処分と帝政の安定化に着手して欲しいと伝え辞退した。
場合によっては証拠に使おうと考えていた帝国兵二十六万余の死体を引き渡し、最後に暗部の枢密院となっていた遺跡周辺の即死トラップを除去した。
そして夕刻、俺たちは帝城の貴賓室で数杯の紅茶を飲みながら言葉を交わし、若干の名残惜しさを抱きつつソファに据えていた腰を持ち上げた。
「じゃあ俺たちはテスラへ戻るよ」
「キル、我らが終生の友である事を忘れないでくれ」
「今生の別れでもないのに、アレイトスは相変わらず大袈裟だな。遠からずガルダインの迷宮にも潜る。その時は一緒にメシでも食おう」
「もちろんだとも。その日を楽しみにしているよ」
ルルとレイティアは何故か泣きながらハグをしていたが、総じて晴れやかな雰囲気の中で俺たちは一時の別れを告げた。
皇帝が最後まで名残惜しそうな視線をグリムに送っていたのはお察しだ。
俺は『ゲーティング』の残響と共に公都の屋敷へ瞬間移動した。




