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勇者と魔王少女たち  作者: ぴよチキ
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-2- 俺、現状を確認しました

勇者に任命されたナラヤ、

そして周りを取り巻く環境の変化

前のようにはいられない!

王様と大勢の兵士に見送られて勇者となった俺は

特にやるべき事がないためグラナム王国の城下町、ダンデラによっていた。


「うーん、勇者ってなにをしたらいいんだ?」


いかんせん、最終目的である古代の魔王封印は分かっても

そこまでなにをしたらいいのかが分からない。


そんなわけで俺はまず、遠近問わず様々な依頼が集まってくる

依頼委託受注集会所、通称ギルドへと向かった


まずは、自分の力がどれくらいか適当な依頼を受けて確かめる

ことも目的のひとつではあるが、ここに来た最大の目的は

基礎値測定用紙、まあ要は自分の現在の力を測定できる紙、である。


ここギルドでは依頼を初めて受ける際にこの測定用紙によって自らの力を測る決まりとなっている。

何しろ昔、他所から来た力自慢の大男が自分の力を過信したことで圧倒的格上の敵と戦い、戦死してしまったことがあるらしい。


そこから、王様の勅命で初回の依頼受注時に測定用紙での測定があるらしい。

何気にちゃんと民のことをよく考えてるよな〜あの王様。


と、いうことで今回の大きな目的はこの用紙なのだ。

幸いなことに混雑もなく受け付けまで辿り着くことが出来た俺は早速適当な依頼を受けてみることにした。


受付用の個室に入るとそこには12、3くらいの受付嬢がいた。

そして話を聞くと受付嬢によれば、ダンデラ北東の探索依頼が初心者にはオススメだそうだ。

ということで、俺はその依頼を受注し、測定用紙で力を測定した。


結果はこんな感じだ。



[名前]ナラヤ [年齢]15 [種族]人間


[体力]903/2038 [魔力]342/342


[職業]農家 Lv4 勇者 Lv1


[スキル]選別眼 Lv3 武器操作 Lv4 悪条件耐性 Lv2 効率化 Lv3

勇者 Lv1 聖属性強化 Lv1 魔法適正(全) Lv1 魔力消費減少 Lv1



うーん、職業の農家は今まで畑仕事してたやつだし、この勇者ってのは任命された時に付いた感じかな…?

スキルもLv1のが勇者関連でそうじゃないのは農家関連ってところかな〜?

でも、体力とか魔力とかはこう見てもパッとは強いのか弱いのか分からないな…


「あのーすみません。」


「はい、どうしましたか?」


「体力とか魔力の平均ってどれくらいなんですか?」


「えーっとですね…あっ、すみません出来ればその用紙を見せていただけますか?」


「はい、いいですよ」


「ありがとうございます。それでですね、えっと…ナラヤさんの年齢では体力が1500 魔力が700程なのでナラヤさんは体力が多くて魔力が低い感じですね。」


「なるほど、それじゃあ俺は魔法を使うよりも近接主体で動く方がいいと言った感じですかね?」


「現在は、そうなりますね。ただ、今までの方々にはナラヤさんと同じようなタイプでも頑張って魔力の上限を上げて魔術師として活躍している方もいるので、一概には言えませんね。」


「おお!それはよかったです!魔法の適正はあるのに使えないのはちょっと気掛かりだったんですよ!」


「そうだったんですね。えっと、職業が……勇者?!」


「ああ、はい一応俺1時間ほど前から勇者やってます。」


「え?ええ…っと……失礼致しました!」


受付嬢は急に許しを乞うように頭を下げた。


「ええ?!いきなりどうしたんですか!」


「勇者様とは知らずにこのような態度!本当に申し訳ありません!」


「いやいや、そんな失礼な態度を取られた記憶はないですよ。むしろ、俺の質問にも丁寧に答えて貰って…」


「そんな…ありがたきお言葉です。」


ええ…勇者って知るとみんなこんな態度になるのかな…

俺からすると他に70人いるって聞いた時からあんまり尊敬とかそういった気持ちが無くなってたけど、他の人からすれば尊敬や畏怖の対象になるのかな……うん、とりあえずは


「あのー、少しお願いがあるんですけど」


「は、はい。なななんでしょうか?」


「出来ればその話し方をやめてもらえませんか?その紙を見て分かる通り、俺は元農家なんです。なので、そんな話し方をされてもなんというか…気分がよくないんですよ。」


「で、ではどのような話し方ならいいのでしょうか?」


「さっきのように気さくに話して貰えればと思うんですけど、どうですか?」


「先程のようにですか……いやいや、わたしには無理です!」


「じゃあ、もう友達のように話してください!いいですね?」


「え?いや…それは…その……『いいですよね?』…はい。」


なんか脅迫するかのようになってしまった…


「と、言うことで俺はそろそろ行きますね。ああ、そういえば、あなたのは名前はなんですか?」


「わたしの名前…ですか?わたしはアイラと言います」


「うーん、まだまだ言葉が堅いけど、まあいいや…アイラ!帰ってきたらまた話そうな!」


「え?は、はい!ナラヤ…さん」


まだまだ自分が勇者になったという自覚はあまりないが、周りはそうでも無いらしい。その事を考えながら俺はギルドを後にして、ダンデラ北東の探索依頼に向かうのだった。

ギルドは依頼の受注時でも時によっては個人情報を扱うため、完全に個室となっております

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