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フィルター越しの共闘

「――それで、五味はなんて?」


「『空っぽには空っぽを』、って。なんかあったら助けてくれるっぽい。私の身の危険はわかるんだって、魔法で。すごいよね」


「なるほどねえ……それにしてもさ、この仕事給料高すぎない? ホントに税金か疑うんだけど。それくらい大変ってことなのかな」


「うん……そうなんだと思う」


 国家管理局監視塔・北区。この監視塔は、国家管理局から約10㎞ほど離れた場所、局を中心に正方形の頂点のように東西南北それぞれが建っている。他のビルよりもはるかに高い、純白の円柱だ。

 重厚な漆黒の自動ドアのセキュリティは万全。コアを専用の読取機にかざすことでしか入ることができないのだ。つまり、ギアーズのみが出入りできる施設。ただし、五味うずらやカンラク局長は例外だ。


 自動ドアを突破すると、白と黒を基調としたゴシック風の空間。

 その向こうにはドアと同じようなつくりの高速エレベーターがある。エレベーターに乗るとガラスのような窓によって外を眺めることができるのだが、塔の外観は、ガラスらしきものを確認することはできない。というのも、窓の素材が「中からは見えて、外からは見えない」ものなのだ。


 監視塔の屋上で、エメンタールとチェダーは敵の襲来を待つ。屋上に敷かれた芝生の上で語り合う。花も咲いていた。白色と空色、のユリのような花たちが、塔の円周に沿って風に揺れる。



「……あのさ、乙ちゃん」


「ん?」


「……学校でも、こうやってお話できたらいいんだけど……だめ?」


「……いいに決まってんじゃん」



 ――――良かった。


 ハリボテの草原で、少女たちは笑う。何もかもがうまくいくような、そんな気がした。




 ――――warning!――――warning!!――――warning!!!――――


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