きっとたぶんはじめてのともだち5
〈育児日記7〉
今日はコトカの保育園最後のお遊戯会だった。演目は「因幡の白兎」。コトカはなんと、ウサギの役だった。主役レベルだ。もちろんとても可愛かった。
秋のイベントが終わるとなんだか寂しくなってしまう。コトカは卒園し、来年から小学生だ。嬉しいことには変わらないのだけど、一緒にいられる時間がきっと今よりも少なくなってしまうだろう。学童にも申し込まないと。
・ ・ ・
――――……って、
「ななな、ななななんで……!」
「はいはーい、じゃあ今日は南区をロックフォールさんとスティルトンさん、北区をエメンタールさんと……チェダーさん! よろしくお願いしますね!」
――――よりによって局津さんと……!
博物館には、五人の少女がいた。
五味うずら、【ロックフォール】、【スティルトン】、【エメンタール】、そして【チェダー】。今日の当番のメンバーだ。
博物館でうずらに説明を受けた後、それぞれが担当する地域で敵の襲来のために見張りをするのだ。
「それじゃ、行きましょ?」
二手に分かれ、彼女らは空虚と闘いに出る。
「ねえ」
「!」
チェダー……局津乙がエメンタールに声をかけたのだ。
他のメンバーは先に行ってしまったため、広い博物館には、たった二人だけ。……その空間の中で、乙の声が響く。
「あのさ……、
同じクラスだよね? アンタ」