ハンムラビも鼻で笑うレベル3
〈育児日記4〉
今日はコトカ三歳の誕生日。
ということで、ケーキを作った。コトカにとってケーキは初の試み! 喜んでくれるかなあ……と不安になったけど、結果は大成功。
ショートケーキじゃなんだかありきたりのような気がするので、パイにした。
パイ生地をポロポロこぼしがちだったけど、最後はきれいに完食してくれた。中でも苺が特に気に入ったらしい。それ、お母さん作ってないよ……農家さんだよ……。
・ ・ ・
オリエンテーションの終わった博物館。
そこには三人の少女が立っている。
「――まあまあ、物は試し。ちょっとやってみてください。敵が来ても変身できないなんて致命的でしょう? コアに意識を集中させるんです! さあ!」
――――ぐぬぬ。
「……あの……どうやって……?」
「うーん、そうですねえ……。目をつぶって、ここには自分とコアしかないんだぞー! うおー! ……みたいな感じ? 知らんけど」
「……うおー…………」
カマンベールの着ていた和服が、真っ黒になる。それは和服には変わりないのだが、変身前とは少し違う。きっとこれが“戦闘衣装”なのだろう。
和服はいまどき珍しい。だから、カマンベールの服装は目立つ。にもかかわらず、カマンベール本人は、うなじあたりまで切られた後髪に対して前髪が目の下まで伸びている。目立ちたいのか、そうでないのかさっぱりわからない。
「…………よし、私も」
目をつぶり、コアに意識を集中させる。その瞬間、体がふわりと浮いたような気がした。
「……おっ、エメンタールさんも成功! これで安心ですね! じゃあ、敵襲を外で待ちましょう、私もいますから」
エメンタールの戦闘衣装は、水玉模様のスカートが特徴的な、ピンク色を基調とした衣装だ。ほどよい装飾で、なんとも可愛らしい。
エメンタール、カマンベール、五味うずら。
彼女らは階段を上り、国家管理局を後にした。