2/26
プロローグ
<この回より登場するキャラ>
緊那羅…迦楼羅と同じ八部衆の一人。主人公達の前に本編中では姿を現す事はない、今作の語り部的存在。
妖怪――――それは、人間の理解を超える奇怪で異常な現象や、あるいはそれらを起こす、不可思議な力を持つ非日常的・非科学的な存在のことを指す。
それらは、山や川といった“境界”と謂われる場所や、人里など様々な場所で現れる。
時代によってはその数が増え、人間達の生活に大きな影響を与えた事も多い。しかし、時の流れや人の繁栄と共に、数が少なくなる時代もあった。
我、八部衆が一人の緊那羅が語る物語は、そういった人が妖に対する意識が薄れていた時代の話。また、主人公たる少女の元へ向いし我の同胞・迦楼羅を従えての放浪記となるであろう。
そう。この時代に限らぬ事だが、人は、妖怪が善と悪。そして、神にも妖怪にもなり得る事を、まだ知らない―――――