表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界化した現実世界を救済します  作者: アサクラ サトシ
第一章 『終末の咆哮』
36/143

032 『条件(コンディション)』

032です。


※ 10/30 誤字修正

「カーニヴァルは動画でも言っていた通り、ブラックリストの常連なの。あの男の場合は無差別プレイヤーキラー。それこそ自分以外の誰かを殺すことが『Relic』における使命あといわんばかりにね。戦闘中は他人のことを考えずに攻撃スキルを打って殺していたって話よ」

 『Relic』は同じ適正者同士であっても攻撃やスキルを受けてしまうとダメージが入ってしまう。戦闘時に注意しなければいけないのは、他人の攻撃を受けないように立ちまわること、次に自分以外のプレイヤーに攻撃が当たらないように気をつけることが大切だ。ちなみに自傷行為も可能でもある。

 ボスクラスになると他人を傷つけずに、上手く攻撃を与えるというのは中々に難しくプレイヤースキルと先読みが必要だった。

 そのセオリーを無視してまでゲームをしていたなんて、何が面白いのだろう。ルールに従わないことが美徳と思っているのか、それとも現実に出来ないことを二次元の世界で行っているかもしれない。

「その口ぶりからするとカーニヴァルはPK以外にも何かしでかしていたみたいですね?」

「いろいろよ、RMTや気に入らないプレイヤーのリアルを調べあげてあることないことの誹謗中傷」

 リアルマネートレードの通称RMTは、ネットゲームではよくある裏取引だ。ゲーム内のお金やアイテムを現実世界で現金交換する行為なのだが、ゲームマネーが存在しない『Relic』では無意味に思えるのだが。

「ゲームマネーが存在しないのに現金取引なんて無意味とおもったでしょ?」

 僕の考えていたことをノヴァさんが見透かした。相変わらず怖い人だ。

「簡単よ。あの男は人間性を別にしても、プレイヤースキルは一流なの。それをいいことに用心棒として初心者やゲーム進行ができないソロプレイヤーをカモにしたってわけ。そして言葉巧みに用心棒の料金を引き上げてむしり取れるところまでむしり取って、PKよ。何度復活しても殺すの。そしてカーニヴァルを雇った人の最後は引退」

「最低ですね」

「言ったじゃない。最低で最悪な男だって。この話は瞬く間に匿名掲示板で流れて、事実関係をとって、カーニヴァルのアカウントは凍結された……はずだったんだけどね」

「例のBLSですか」

 ブラックリストサーバーを略してBLS。なぜか運営はアカウント凍結したプレイヤーに延命処置として悪質プレイヤーしか入れないサーバーを作った。非難の声こそあがったが、別サーバーなので関わらなければそれでいいという他プレイヤーたちの甘い裁量により、悪質プレイヤーは『Relic』の世界に復帰することが可能となった。

 しかも、BLSではプレイヤーキラーが横行している上に、運営からもお咎めはなく、ほぼ無法地帯となっていたらしい。

「じゃあ、ノヴァさんはカーニヴァルがBLSに入る前に出会ったということですか?」

 ノヴァさんは小さく頷いてから軽く息を吐いた。

「もう最悪な出会いと会話だったわ」

「直接話したんですか?」

「あの頃はカーニヴァルもあからさまなPKをしていなかったから、気にもしていなかった。しかも初めて実装されたレイドパーティーに大型ボスだったから、連携を組むためにヴォイスチャットをしながら攻略することになったの」

「はじめて実装されたレイドボスというと、期間限定上級レリックモンスターだったあの不死鳥ですか?」

「まさにそれよ。今でも語り草に成るくらいの強さをもった不死鳥だけどね。それで私は攻略組のパーティーに所属したわけなんだけど、ヴォイスチャットで会話を交えるたびに、声がかわいいだとか、操作が上手いとか、褒めちぎっていたわ。それでも、他人からほめられるのは嫌な気分でもないわけよ。そして気を許した所で、言葉巧みに人を操るの。年齢や職業、住まいがどの辺だとかね」

「個人情報を自ら話してしまってはダメですね。まさか、ノヴァさんも?」

「さすがに年齢と職業を聞いた時点で察したわ。でも、攻略組だし、不死鳥を倒すまでは一緒にいたけれど……そのうち、向こうが業を煮やしてね。本音を言い始めたの」

「あまり聞きたくないな、その話」

 ポニテさんが眉をひそめながらいった。

「僕も何をされたのか、聞かれたのか問いません。というか、言いたくないでしょう?」

 なにせノヴァさんから話したくないオーラがだだ漏れていたからだ。

「よかった。今思い返しても気持ちが悪くて悪寒が走るもの」

「でも、あの男がどれだけ非情で自己中心なのかはわかりました」

「カーニヴァルとは直接関係のないことなんだけど、聞いてほしいことがあるの」

「なんですか?」

「真悟さんたちが棺に入る前にコンタクトでの話で、私が適応者には条件があるかもしれないって言ったのを覚えている?」

 ええと肯定しようとした時、僕は此処での会話で出てきたBLSを思い返した。

「まさか、適応者になる条件ってBLSにいた連中ということですか?」

「きっと、アプリ『R』から、BLSにいる連中は黒の創造主からの啓示うけたんでしょうね。そうでもなければ、こんなにも速く適応者と戦うなんてあり得ないもの」

「言われてみると、確かに何も知らない状態で適応者になる情報を知り得ることなんて考えにくいです。なにをどう間違っても自分たちを助けてくれる妖精を殺すわけがありませんからね」

「それともう一つだけ。BLSが有力であるのはね。私たちが棺破壊でたたかった適応者も、ポニ子からきいた適応者の名前も、ブラックリストに乗っていたから、まず確実じゃないかしら」

 僕はノヴァさんの推測が正しいだろうと思うことにした。

「これで今のところは、お話は終了だな。じゃあ、大手家電量販店渋谷店へと行こうじゃないか」

 すっかりやる気にみちたカズさんと一緒に外へ出ようとしたが、僕からも一つだけ言って置かなければ……

「カズさん、いつまでこの店の制服を着ているつもりですか? いくなら、まず制服を着替えてからにして下さい。緊張感がたりませんから」

「わかったよ。じゃあ、着替えてくるから先に外で待っていてくれ」

 一人、スタッフルームへ入っていくカズさんを残して、僕らは外に出た。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


一つご報告を。

一時間も投稿が遅れてすみません。

風邪を引いてしまい、筆が進まず、区切りのいいところで切りました。

普段が4000字くらいですが、032は2400字程度です。

長文を楽しみにされていた方には申し訳ない限りです。

次回投稿は10/30となりますが、作者の体調次第では、

30日は投稿せずに11/1から投稿をするかもしれません。


季節の変わり目なので、みなさまも体調管理に気をつけてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ