第3話
●永禄3年(1560年)
史実どおり、今川義元が西進との一報が織田家に届きました
その一報を聞いた織田家重臣達は、てんやわんやの慌てっぷり
籠城論を唱える人たち然り、方や野戦論を唱える人たち然り
評定と言う会議は次第にヒートアップしていき、しまいには両論同士が口喧嘩をする始末
覗いてた俺も開いた口がふさがらないほど低レベルの口論でした
出来る出来ない等、血気盛んに俺が行く!と言う者あれば続く者、それに便乗した者に言いだしっぺがどうぞどうぞと譲ったり、まるで○○○○倶楽部のごとくの掌返し
我等が御屋形様の信長さんといえば、上座にて瞑目したままという
「意見が纏まらないゆえ此度の評定は終わりと致す」
皆が意見を出し終わったのを見計らって、信長さんが上座から颯爽と部屋を出て行きます
「殿っ! お待ちくだされ!!」
重臣一同、信長さんに声を掛けますが刻すでに遅し
颯爽と部屋を出た信長さんは、既にいません
「くっ・・・殿は城を枕に討ち死にするつもりか・・・」
重臣達から嘆きの声が響きます
そんな彼等を尻目に信長さんの後を追いかけます
(勝つって、わかってるからあれだけど・・・当事者はたまんないだろうな)
●清洲城内一室
信長さんを追いかけたら、窓から空を眺めていました
何を見ているんですかね?雲行きですかね?
「ん? 狛千代か・・・いつから居った?」
「はっ 御屋形様、一人の時間をお邪魔して申し訳ございません」
「良い それより、こう二人きりの時は義父上と呼べばよかろう」
「私めには勿体無き、お言葉有り難く」
「ふっ 律儀な者よのう、して・・・どう思う?」
「はっ? どう思うかとは?」
「我が織田家は、今川義元に勝てるか?」
「何故、私に?」
「聡明なお主のことだ、未だ元服と初陣を済ませてないとはいえ予測できるだろうに」
「では私から、言えるとすれば・・・勝てます!勝てますよ義父上!!」
「なっ!? 勝てるというか?狛千代よ?」
「はっ 我が義父上なれば勝てまする」
「左様か、して・・・いかにして勝つ?」
「奇襲にて大将首のみ狙うかと・・・」
「ふむ・・・あいわかった。これより先は儂が考えることよな」
「出過ぎた真似、申し訳ありません」
「良い、吉報を待っておれ義息子よ」
朗らかな笑顔を俺に向け、義父上もとい信長様は寝所に戻られた
●清洲城内自室
信長様とのやりとりを終え、自室に戻ったは良いが・・・大丈夫なのか不安で一杯だ
奇襲にてと伝えてしまったことで、歴史が変わってしまうかもしれないし・・・ジレンマである
「とりあえず、無事を祈るしかないか・・・」
明け方、薄らと蹄の音等が聞こえた気がする
刻だ経つにつれ城内が慌ただしくなり、追いつけと言わんばかりに足軽や騎馬武者が城を出て行った
「狛千代? 起きていますか?狛千代?」
「は? はい」
眠気半分での空返事を聞いて襖が開く
「の・・・お方様」
「あら?義母上とは呼んでくれないのですか?」
「えっ・・・?」
「御屋形様は、貴方に義父上と呼ばれたことをたいそう喜んでましたよ?」
「そうですか?自分みたいなのが呼んで良いのでしょうか?」
「何を言う狛千代、そなたはあの方と私の息子ですよ?」
「あ・・・ありがたき幸せ」
「信じて待ちましょう、あの方を。あなたの義父を」
「はい 義母上」
更新遅くなって申し訳ありません。代替え機にて投稿です。
何分馴れてないPCからになりまして書くのが遅くなりました・・・
なかなか上手く表現などできなく四苦八苦。
ブクマ有り難うございます。大変ありがたいです。