地の神性について
神々を四大属性に当てはめ、どうにか我々の考えの範疇に押さえ込み、対処法を考案しようとした最初の人物はA・ダーレス氏である。
氏はそれぞれに半ば無理矢理ながら四つの属性に四体の主神を当てはめた。地に神々の道化たる「ニャルラトホテプ」、火に生けし火炎の「クトゥグア」、風に暴風に佇みたる皇子「ハスター」、そして水に神々の祭司「クトゥルフ」を当てはめ、地の「ニャルラトホテプ」と火の「クトゥグア」、風の「ハスター」と水の「クトゥルフ」がそれぞれ敵対しているとした。
私はこの考えは概ね正しいと判断している。しかし、「クトゥグア」や「ハスター」、「クトゥルフ」が「旧支配者」に分類されているのに対し、「ニャルラトホテプ」は「外なる神」であり、地の属性に当てはめるのは無理矢理にもほどがあると思われる。
また、氏は副王「ヨグ=ソトース」や千匹の仔を孕みし森の黒山羊「シュブ=ニグラス」といった「外なる神」を地に分類したといわれているが、地母神たる「シュブ=ニグラス」はギリギリで地の神性といえるかもしれないが、現在・過去・未来に存在しているとされている「ヨグ=ソトース」を地に抑え込むのは烏滸がましいのではないか。
そこで、私は地の主神に他の三神と同じ「旧支配者」たる怠惰なる賢者「ツァトグア」を配置したい。彼は知名度(=信仰)、力量ともに申し分なく、他の主神たちに負けてはいない。ゆえに、私は「ツァトグア」の配置を強く推薦する。
あと一話続きます。