ぷろろーぐ 恵みの雨
幼稚な文章ですが(・ω・;)
練習作として書いてます
ロード○島だったりロード○ブザリングのような世界を旅してる
<ハンター・キミカ>の 食べ物に関するお話ですが 今回はぷろろーぐとして食べ物の話は一切出てきません
序章と言うことでよろしくおねがいします
渇いた喉が潤う・・・・・・こんな有難い雨の筈なのに・・・・
私は本当にごく珍しい雨に当たったとても運が良い。雨・・・水がこんなにも美味しいなんて
空だった水袋は満たされ、喉の渇きで倒れる事は無い
急な天候の変化、このトマス砂漠では年に一、二度 雨が降る。
しかし今回は降り続きすぎだ。かれこれ二の刻も、私は雨の凌げる場所を探している。
見渡す限りの砂の山、降りしきる雨・・・・・ 少しづつ激しくなっている。
大きな岩や山肌、木でもあればその影で多少とも休めるが、周りには砂の粒・・・・それと天と地の境界線しか見えない
先程まで見える距離に、目指す街は在った
いや、その様に見えただけだったのだ。
蜃気楼と言う物なのだろうか
その街は急な天候の変化によって掻き消され 無残にも体力、そして精神力を奪っていく
「まだ……私には………」
赤い変わった形状の帽子を被り、服の上から大きな灰色のローブに身を包んだ
<ハンター・キミカ> 背丈、見た目は十六の青年程 見る限りでは弱々しい
荷物は麻袋1つ。 その中に 少ししか残っていない食糧、魔法具である「朽ちない本」と「枯れないペン」そして幾許かの銀貨
左腰には使い古された小刀を差している。
旅の目的はこうだ。死ぬ迄にこの世界の料理、食材を全て1度は食べてやろう。
珍味や食文化を纏めた本を作り、世界に伝えよう
・・・仕来りや、村の掟を重んじ、例外を認めようとしない頭の固い馬鹿共を見返してやろう・・・
それが キミカが死ぬまでに思い描く唯一の目標であり、大切な「願い」だ。
しかし旅立って三年 こんな所で命の心配をしないといけないとは……
降りしきる雨、全く止む気配が無い。
「砂漠の癖に・・・・」
いくら頑丈な体だといえ どんどんキミカの体温と体力は奪われていく
もう四日は歩いただろうか 足元が歪んで見えた気がしたその時、キミカの意識は途絶えた。
トマス砂漠を縄張りにする<盗賊団スクリマ>
初代が小さな山を砂に隠れるほど低く削り、それを利用し地中に長く穴を掘った。そこが隠れ家だ。
普段は扉ごと入口を砂で隠し、普通の人間には何処が入り口かわからない。
歴史は長く20人弱程のメンバーしか居ないが
「アイツらは何処から襲って来るか分からないから、安全である道が無い」
と、トマス砂漠を知る商人や貴族には恐れられている
アジトが未だに発見できないため<ハンターギルド>でさえ、いくら殲滅の依頼があっても、砂漠を渡る者に護衛を付ける事ぐらいしか出来ず、この盗賊団には手を焼いている。
「今回はいい収穫だねぇ〜 私が指示しなくても・・・・やれるじゃないか」
物資を見てうっとりとした表情を浮かべる 盗賊団6代目首領 アビィ
まだ見習いである部下を獲物の探索に行かせていたのだが、発見した獲物は護衛が付いて無かった。
そのまま襲撃、あっさり成功。見習い2人は楽々と物資を手にいれてその功績を残した
自分としても急な収穫、盗賊団としても約1ヶ月振りの成果だった。
馬車一台とその荷物 食糧 そして幾らかの硬貨、宝石
そして商品を一人……
「なに人なんか拾ってきてんだい………」アビィが言う
「いやぁね、死んでたらぁ荷物と小刀だけ拝借しようと、しかしコイツまだ息があったんでさぁ。まぁ連れ帰って頑丈なら奴隷商人にでも売れると思いまして、ヘヘッ……」
「戻る途中に倒れてやんして、丁度コイツが収まるぐらいの荷物の空きがあったんでさぁ」
と、二人の子分が上機嫌に言う
「それじゃあ今日は宴だー!」と、普段余り開けない極上の酒の入ったタルを開けるアヴィ
「おおー!!」と子分達もそれに続き酒を飲み出す。
体が重い・・・・・・・何故かジメジメした暗い所に居る気がする
頭がボーっとしている為か両手が動かせない
「いて、あっ……生きてる」
キミカは目を覚ました。
手で顔を触ろうとするが、手を背中から持って来る事が出来ない
どうやら柱か何かに縄で縛られている様だ。
「捕まって……る… ??」
今迄長く生きてきて、初めての経験だ。
。
しかしキミカにしてみれば「私に何が起こったか」と言うよりも「今、自分は生きていた」と言う事に対しての喜びの方が強かった。
「ふっっ、あはははっ」
思わず笑みがこぼれる が、一瞬で表情が固まる
1、自分は多分何かに捕らわれた
2、荷物が無くなっている。 落としたか若しくは取られた
3、今何処に居るのか分からない
4、まるで小さな教会に居るかの様に、何かの音や声が反響している・・・・ 楽器の音であろうか
「う~ん、今縛られてるの取っちゃったら後々ややこしくなりそうだ」
長年の旅で得た野生の勘がキミカを動かす
「おーーい だぁれぇえかいませんかあー」
取り合えず大声を張り上げる
神なんて信じていないが、出来れば争いも無く話の通じる者でありますように・・・・と神に祈りながら。
少し騒いでいると、コツッコツッと靴のようなの音が聞こえ、光が一つ近づいてくる。
「火の臭いがする、松明か」
やはりここは洞窟か洞穴だな、相手は松明を使える、なら火を怖がらない、魔物の類ではない。
そして光の魔法ではないと言うことは、余り魔力を持たない人間か、ドワーフ、ハイリザード辺りだろう。
「何言ってるか全然わかんねぇなぁ」
声と共に姿を現した男?・・・は、キミカよりも背丈こそ低い。しかし筋肉隆々でとても大きな斧を肩に掛けている。
「おめぇは商品だからおとなしくしてな!! 明日の朝までの辛抱だ」
と、大きな肉の塊の様な男?は、一里離れていても聞こえるほどの大声で話しかける。
なんと五月蠅い肉の塊だ、と思いつつ何も聞いてない素振りでキミカは質問を続ける。
「私の荷物何処かしらない?」
弱い者いじめをするガキ大将の様に、男は大声ではっはっはっはと高笑いしながら
「さあな、俺たちが金に換えといてやるよ。もちろんお前には渡さんがな!!」
と、更に高笑いを続ける
「・・・・取り合えずここは砂漠のどこら辺なの?もしかして街なの?」
今すぐ目の前の肉を黙らせたい衝動を抑えながら、キミカは落ち着いて質問する。
すると高笑いがピタッ と止まり、その肉の塊は下衆な顔を目の前まで近づけ、酒臭い息を吐きながら
「聞いてどうするんだ?どうせ動けねぇだろ??黙って大人しくし(てろ!!!)」
と・・・・・言い終わる前に、肉はその「商品」の右腕によって後ろの壁に叩き付けられた。
「・・・・グフッ・・・・助け・・下さい・・・」
醜い顔を更に腫らし、折れているかもしれない右腕を左腕で押さえ、後ろの壁に力なく凭れ掛かる。
今、目の前に居るのは傷一つ無い 先程まで自分がからかっていた「商品」である。
反射的に斧を抜き振り払おうとした・・・・が、瞬時に体を捕まれ、斧ごと逆の壁に体を叩き付けられた。
後は余り覚えていないが・・・酷い事に、斧を遠くに投げられた挙句、一方的に蹴られ殴られ 最後に壁に向かって投げ飛ばされた様だ・・・・
自分の周りには、「商品」の手を縛っていた縄が散らばっている。
縄を切った?結び目を解いたのか?あの細腕で・・・? いや、違う
千切れている あの硬い縄が粉々という表現をしていいほど散らばっている
「・・・・・・・」
「普通に答えてくれてたらこんな乱暴なことしなかったのに、したく無かったんだよ?まず私の荷物は?」
息ひとつ切らさず、縄が括られていた手を摩りながら 困った顔でキミカは質問をする。
(よく言うぜ、最初からこうなるのを待ってた様な顔しやがって・・・しかしこの体の何処に・・・・)
目の前の狂人には逆らえない
「荷物は今日の・・・取ってきた荷物の中です」
「よかったぁーじゃあこの洞窟??のどこか?探せばあるね。・・・・あと、ここは砂(漠の何処?)」
その時
「ヒィッ」
急に笑顔になった「元」商品に激しい恐怖を感じ、大きな肉の塊は気を失った。
続く
次回から食べ物の話となります
暑い日が続きますね、砂漠 珍味と言えば・・・・・?を予定しております