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詩*見つめて*

一生

作者: a i o
掲載日:2026/07/15

私はもうあの時の私ではないかもしれない

(かるい蝉の抜け殻が木肌に引っ掛かっている)


私はあの時の私ではないかもしれない けれど

いま指先を操る私はあの時の私のつづきを綴っている

(その傍らで乳白色を帯びた薄緑の翅を乾かしている)


私は私のつづきを綴りながらあの時の私が

いまの私とは違うかもしれないと思い、

あの時の私を血肉に潜めたままでいる

(筋の張り巡らされた翅を広げ跳んで行く)


私はもうあの時の私ではないかもしれない、

(真夏の陽射しを反射するようにひたすらに鳴く)


けれどこの骨は伸びても縮んでも私の中に収まっている

(力尽き足掻きながら仰向けにアスファルトに転がっている)

もうあの時の私ではないかもしれない私はあの時と同じ指紋をつけながら 

私のこの時をつづきにいる私のために綴る

(琥珀色の抜け殻の細かな皺が陽に透けている)




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