七日目 拾われた猫の話
寒さに震えながら、薄い毛布に身を包む。
己の手や見える身体がニンゲンと同じものであるという事実を認めたくない。ボクは、とびきり自由な猫だった筈なのに。
気が付いたらこの箱の中に入れられて、ニンゲンと同じ姿形だなんて、お母さんがボクを見つけてもボクだって気付けないよ。
どれだけ震えていたのか。気が付くと、目の前にニンゲンのオトコが立っていた。
「⸺……?」
今ボクは座っているけど、ボクが立ったら頭一つ分くらいは低そうなオトコだ。多分、カイヌシってヤツが嫌ってたコドモというニンゲンだ。都合がいい、コドモならばこのボクを拾って暖かい部屋で飼ってもおかしくない。
「ぁー……拾いませんか?」
ボクは少しだけ可愛こぶって、ニンゲンのコドモに拾われた。
*
そんな出来事から、既に一ヶ月。今のボクは拾ったニンゲン(ダイジという名前らしい)の家で、カーさんのお手伝いとして居候している。
ボクとしてはカジだなんて何一つやりたく無かったのだけど、一日カジやると小魚が二匹も出ると言われたのでやっている。べべっ別に、魚に釣られた訳じゃないからね!
今ではすっかり、ニンゲンの身体にも慣れてしまった。いつ猫に戻れるのかが分からないから、少しずつニンゲンの言葉を覚える事もしてる。昨日はオンナについて学んだ。今のボクは耳と尻尾がある以外はニンゲンのオンナと同じなんだってさ。あ………⸺ダイジの足音だ!
「クロア、カーさん。ただいまー!」
「ダイジ、おかえり!」
「クロア! 今日も出迎えありがとう」
ダイジはチュウガッコウという所に通っていて、毎日の大半は外に出ている。別に寂しいって思ってる訳じゃないけど、もっと家にいてほしいと思う。
「おかえり大ちゃん。そうだわ、犬二と連絡取れたかしら? 今日は十香が帰って来るから、家族皆で食事をしたいのだけど……」
「トーちゃんが帰って来るって行ったら、今日はちゃんと帰るってさ」




