六日目 クズ男にはヤベー女を
今日は散々だ。昼に気持ちよくボコっていい女が来たところで、元サンドバッグの変わり果てた姿にビビっちまったり、親父狩りでもしようと繁華街に行ったら竜堂満に気付かれ逆にボコされたり……運が無いとはこのことだな。
アホ犬以外の三人は竜堂に殴られたショックでどっかに逃げちまったし。
「先輩…今日はもう帰りませんか……?」
アホ犬がぶーたれてやがんな。蹴っとくか。………犬はキャインとマジもんの犬らしく鳴かせ大人しくさせ、一人で家に帰らせた。
が、確かに今日は帰った方がこれ以上の損は無いかもな。だが帰らん。今日は帰らねぇとババアに言っちまったんだ、飯なんかねぇに決まってる。今日の晩飯、どうすっかな……。
「もし、そこのお人。よかったら占い、していきませんか?」
頭からローブを被った怪しい女に声を掛けられる。なんだコイツ、ローブから出てる手を見るに老婆では無いが、150も無さそうなチビじゃねぇか。
「占い? それ、新手の遊びのお誘い?」
「いえ、本気の占いです。お金は頂きませんよ」
「…………」
やる事が何一つ無い今、この女から金を奪うのが一番いいだろうと思った。だから、普段の俺様なら絶対に乗らない怪しい誘いに乗ることにした。
「では、此方にどうぞ」
*
女の後を着いてくと、段々と怪しい路地裏に入っていく。数年この繁華街で彷徨いているが、こんな道あったか? そう思うほど複雑な道だ。
やがて、突き当りに当たった。そこには妖しく光る炎やタロットカード、水晶玉が置かれていた。
「此方の水晶に、利き手をかざして下さい」
女の言う通りに左手を水晶にかざすと、赤紫色にビカビカと光る。随分手の混んだ玩具だな。
「お次は、私の目を見ながら無造作に一枚カードをお引きになって下さい」
おかしな事を言う女だ。というか、占いってこういうモノだったか? 俺様の記憶とは違う気がするが…。
「……では、最後に此方のメトロノームの音に集中しながら、この蝋燭を見つめてください。コレで、貴方へのアドバイスが完璧に行なえます」
カチカチと一定のリズムを刻む音を聞きながら、妖しい色の炎を見つめる。なんだ……頭が、ボヤけ⸺。
「見つけましたわ、私の旦那様……永久に離しませんわ♡」




