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一日一話三十分  作者: 針野 あかうめ
五週目 世界観:異世界 お題:架空の宝石神
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七日目 永遠と不滅の神


 最高神、永遠と不滅の神ディアソニア様には、一人と一柱の愛した人間と神がいた。

 愛した神は、アレダトレフト様。と言っても、愛は愛でも親愛。性の違いなど関係無いとばかりに、二柱の神は良き友であったそうだ。だからこそ、当時一人を除いて人間を嫌っていたディアソニア様は、空へと飛ばしたアレダトレフト様の跡を継いで最高神となられたのだろう。


 愛した人間は、リーベンティウス様。若くして命を落とした人間だ。

 神戦記時代よりも前、世界各国に国が生まれてから数十年が経ち、人間が狡賢さを身に着けた頃。大帝国と呼ばれた国で、密やかに人を神に変える研究が行われていた。


 確かに、当時でも人から神へと変わったモノはいた。しかしソレは、一定の功績を経て神から認められて、辛うじて神の末席に足を引っ掛けただけの力。人からすれば神と呼べるかもしれないが、当の神から見れば人より丈夫で少し強いだけの存在であった。


 話を戻そう。大帝国は当時、大飢饉と大災害の余波に苦しめられており、神からの支援を受けてなお足りないと当時の皇帝は嘆いていたそうだ。⸺……領民にばかり圧政を強いり、貴族は贅沢三昧繰り返す事から改善すれば良かったとは思うのだがな。

 そんな中で、魔法使いが皇帝へと囁いた。国中の天候を自在に操ることが出来れば解決するだろう、と。


 当時の魔法使いは、精々指先に火を灯すなどの今の生活魔法レベルが最上位だったらしく、天候レベルの魔法は喉から手が出るほど魔法使い全員が望む力。

 その研究は国家の予算を使えば、大いに進むだろうと多くの魔法使いが考えあ各国へと仕える魔法使いが数多く存在した。皇帝へと囁いた魔法使いもまた、同じであった。

 

 そうして始まった極秘の研究は、十数年にも及んだ。そして、皇帝が変わりながらも密やかに進んでいた研究。その最後の研究体として残っていたのが、リーベンティウス様だった。

 彼は研究が始まった頃に攫われ、研究体の中で一番幼かった。物心がついた頃からずっと持ち合わせていた白き原石だけを持って。


 日夜訳も分からぬ儀式をされていたリーベンティウス様は、毎夜寝る度に白き原石を握りしめて寝ていたそうだ。そんなある日、気まぐれを起こしたディアソニア様が白き原石を通じてリーベンティウス様に声を掛けた。神は宝石を通じて、人と会話を交わすこと出来る。当たり前の事だ。


 当時人間を嫌っていたディアソニア様だが、子供だけはまだ多少嫌い程度だったからなのか。兎も角、リーベンティウス様とディアソニア様は時折会話をする仲になったそうだ。


 そして、運命の日。

 リーベンティウス様が大人と呼ばれ始める日に、最後の儀式が始まった。ずっとリーベンティウス様と仲良くなり、人間で初めて嫌いでは無くなった彼を、ディアソニア様は見捨てられなかった。

 多くを知らぬリーベンティウス様からの情報だけでは、人を神へと変える研究だとは気付なかったが、白き原石を通じれば彼を逃がすことは出来るだろうとタカをくくっていたのが、一番の失敗だったのだろう。


 儀式の最中、神の力が突然混ざり魔法使いといえど人の身であった彼らには制御が出来なかった。そうして、ディアソニア様の力が暴発。大帝国と呼ばれた国の都は、一瞬の内に掻き消えた。


 自らのせいで、リーベンティウス様を滅ぼしてしまった事に気づいたディアソニア様は、酷く嘆いた。たった十数年といえど、他の神や友であるアレダトレフト様を押しのけ、一番といっていいほど仲を育んでいたから。

 そうして、神との交流すら断って自身の神殿の中に閉じこもっていたそうだ。

 ⸺神戦記時代末期に、アレダトレフト様の暴走を聞くまでは……。


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