四日目 唆し担当お姉様
老若男女問わず模された像が装飾する屋敷の地下で、一人の男が満足気にコレクションを眺めている。
「ふむ。大変良い眺めだ……素晴らしい。だが……⸺何か足りぬ」
男の側で、女が提案をした。
「……一つ、よろしいでしょうか?」
「なんだ?」
「私が勝手に思うことですが……正義の歪みが足らないかと」
「正義の歪み? つまりは、ヒーローの………なるほどな。礎園、何処が狙い目だ?」
女が大きく口を歪める。
「そうですねぇ…魔法少女事務所に、新しいグループが出来たそうで、最近じゃTVで見ない日はありませんね」
「あぁ……ではそうしよう。礎園、いつものように証拠が残らぬよう招待を」
「承知致しました。旦那様」
コレクションの一部が震えた意味を、二人はきちんと気づいていた。
*
「⸺なぜだ……私の、計画は…完璧だったはず………なのに…」
「あらぁ、旦那様。捕まっちゃいましたねぇ……ふふ」
「んなっ、お前!? どうやってここに…!?」
女は、牢越しに男を笑いネタ明かしをする。
その表情は恍惚としており、喜びが身体全体で表されている。
「私、貴方の将来設計を奪う為に取り入っていたの。それとついでに、忌々しいヒーローの仕事を増やすって事もね」
「だから、ヒーローを……」
「そ。あっでも、固められた人間を飾るって趣味は、私に合っていたわ。ウチの研究部に固める能力を持つ怪人のアイディアを提供しちゃうくらいには、ね?」
「………っ」
「だ・か・らぁ……アンタの会社はウチの組織の職業詐称に使わせてもらうわね。資産家のダメダメ子息のおぼっちゃま?」




