表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一日一話三十分  作者: 針野 あかうめ
一週目 世界観:現代 お題:男女の出会い
1/3

一日目 最低から出会う


どうしようもないとは、今のこの状況の事を言うのだろう。親は無理心中で、姉貴はクズ男から逃げるために首を吊り、弟は暴行罪で少年院行きとなった。

 そしてとうとう、兄妹の中で一番マトモだと思っていた長男である兄貴が未成年に手を出して捕まった。

 辛うじて繋がっていた両親双方の親戚との縁も切れた。当然だ、俺も当事者じゃなければ縁を切る。結局、それが人間という事なのだろう。


 こんな事があっても、時間は進むし他人たちの日常は続く。

 今まで以上に重い身体をなんとか動かし歩みを進める。


「⸺あっ、ねぇアイツ……」

「知ってる! ………でしょ?」


 あぁ、もう学校内に噂が広がっているのか。しかし仕方が無い、兄貴が手を出したのはこの学校の新入生だったのだから。

 バカ兄貴め、肉欲に負けやがって。

 やっぱり、家族ってモンは馬鹿馬鹿しいな。


 *


「なぁなぁ久澄(くすみ)ちゃん、ちょっと一緒に来ない? いいコトあるよ?」


 昼休みに入って早々、俺の肩に馴れ馴れしく腕を回し、挙句に人の脂肪を揉みながらクズの提案を囁く愚か者を振り払い、教室から逃げるように離れる。


 今は雨が降っている……この天気なら、屋上付近には誰も居ないだろう。そう思い、屋上へと続く階段を登った先で、嫌なモノを見た。

 一人の男が、複数人に暴力を受けている。


 ヤバイ。そう思った時にはもう遅かった。先程の愚か者が後ろにいる事にも気付かず、捕まった。

 暴力を振るっていた中でも、リーダー格の男が俺の方へと近付く。


「先輩! コイツでしょう? 前々から言ってた女って」

「おぉ、犬二(けんじ)。偉いぞ、やっぱりお前は従順な犬だ」

「先輩…♡」


 ……そういう薔薇は、人の前でやんないで欲しい。鬱陶しいから。


「しかし、見れば見るほどいい面をしているな。嫉妬しそうだよ、久澄」

「………」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ