端っこに座ってるモブ陰キャ、実はハーレム素質を持ってるダークホース説。あれ?俺が思った物語と全然違うんだけど?何故俺は学年一の美少女に告白されてるの?
よくラノベなんかの恋愛だと最近は陰キャハーレムが当たり前になってきている。物語の展開としては元幼馴染か美少女転校生、はたまた学校の美少女(隣の席)によって話が始まる。
なんでも出来るオーラを放ってる主人公様はモブ陰キャのことを認知していき、嫉妬し勝負を吹きかけるも無事敗北。
モブ陰キャの隠れた力や出生など秘密が明らかになり、真の主人公と覚醒したあとは徐々にヒロインと関係を築いていき結ばれる。
が、そこで話が途切れたりするのが多いと感じることはないだろうか?
もう結ばれたから完結、または話の結末が決められないがために打ち切り。なんてことはざらにある。
俺こと神崎優也のクラスにもそういったモブ陰キャしかも端っこに座っているやつが1人いる。しかもその近くにはよくある親友が話しかける。
これもあるあるだが、周りを見渡せばそういう人たちなんてゴロゴロといる。けど、主人公様のハーレムなんてものは中々見れるもんじゃない。
だが、どうやら現実にも主人公様というのは存在するらしい。モブ陰キャがいるように主人公様もこのクラスに属しており、まだ朝のHRも始まってないって言うのに凄くイチャついていた。
他の女子への牽制というのもあると思うがそれにしても周りの目を気にしないで過ごせるのが逆に呆れを通り越して尊敬も超える。
主人公様の名前は青柳陽斗その近くでハーレムを作っているのは女子は2人、そのうちの1人であるツインテの小柄な少女である浅木春菜。
もう1人が金髪セミロングの美少女、俗に言うギャルと言うやつ、名前は加賀千恵。まぁ今どきギャルって感じなんだが、浮いてるように見える。あくまで俺個人の見解だが……。
それともう1人ハーレムを作ってる奴がいるがその人はこの学校の生徒会長だという。黒髪のロングでいかにもツンデレみたいな、俺からしてみれば痛いやつに見えるがそんなやつもこの青柳ハーレムの一員ということだ。
そんな異常な光景は俺のクラスだけで他は普通だ。
俺には話し相手の友人は居るがモブ陰キャのような親友とかいるわけが無い。そんな1年の付き合いとかで親友とかできてたまるか。
死ね!
おっと……心の声がつい出てしまった。
だが、本当に問いたい。
マジで親友とかできるもんなの?まぁそういうのは人それぞれだと思うし……ね。
あると思うけど、だからってwそんな1年とかで親友とか嘘くせぇwww
俺なら絶対そんなやつ信用出来ないね。むしろ中学の友達とかそっちの方がまだ信用できるし、話し相手としての友達ならまだ納得出来る。
………………
まるでこれ俺の愚痴じゃん。
情けねぇなぁ
でもこうでもしないとまじで辛い。
いや全然辛くない。
むしろ、1人の方が気が楽だしね。
それともう一つ。
なんでモブ陰キャの隣の席って誰もいないの?
あのモブ陰キャ何も感じないのだろうか?
一応想像の範疇だがきっと、『俺には友達が出来ない。いや、親友と呼べるやつはいるけど、友達と呼べるような人は何故かいない。そしてなんでか知らないけど俺の隣には誰もいない』とか意味のわからないことをほざいてるに違いない。
そんな奴に俺は一言こう言ってやりたいね。
親友いるくせに友達一人もいねぇとかほざくんじゃねぇよ。そういうのは俺みたいなやつのことを言うんだ調子に乗るなモブ陰キャ!!
めっちゃ惨めになるんですけど
なにこれ?
隠れて悪口言うってカッコわる。
とっ。さて、いつの間にか教師が教室に入ってきいる。うるさい奴らを軽く叱責し、気持ちの切り替えをさせる。
あれ?教師の話を聞いていたのだが、どうやら今日は転校生がやってくる…らしい。
え?嫌な予感しかしないんだけど……。
ドキドキッ
誰が入ってくるのかは関係ない。どうせそうわ女に決まってる。だって見てよ。モブ陰キャの隣空いてるんだよ。どう見たってフラグじゃねぇかよ。
「よし、入れ」
教師の声が聞こえた瞬間、扉が開かれる。
ガラガラッ
そうして現れたのは水色の髪の美少女。ショートの髪型に雰囲気はボーイッシュ。瞳は淡い青で見通すように全体を見渡す。
そしてお決まりのようにチラッとモブ陰キャの方を見てはニコッと微笑み、挨拶をした。
「蒼井瑠衣です。みんなこれからよろしくお願いします」
そうして自己紹介した蒼井瑠衣という女は空いてる席、モブ陰キャの隣に向かった。
ほらな!
やっぱりこうなったよ!
しかもなんか蒼井瑠衣とかいう奴あのモブ陰キャに満更でもない。女の顔をしてる。
これあれか?子供の頃に何かやっただろモブ陰キャ。
そうそうなんか急に美少女の方から急接近するだよこういうのって。
ほら、そこの青髪女言ったそばからもう見てるw早すぎだろwww
やっぱお決まりってこういうもんだよなぁ