2、情報
「はぁ? 今、なんて?」
『勇者』・リト。(15歳)
「ですから・・・『クロノア』の封印が解かれたと・・・・」
『勇者』の秘書・カジュ。(24歳)
「・・・・・・・・・」
一時停止。
そして、リトは手に持っていた食べかけのアンパンを落とした。
パサ。
「どえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!マジデか!!!
ってか、アンパンーーーーーーー!!!!!」
「・・・・・・・リト様・・・・・・・」
カジュは、手に持っていた書類を見た。
カサ。
「何~?」
リトは、半泣き状態でカジュを見た。
「うぅん!!
『クロノア』の封印を解いたのが、『魔女』・キマイラと『魔王』と言われております」
「『魔女』キマイラ?」
リトは、考えながら新しいアンパンを開けた。
「はい・・・炎の使い魔です」
カサ。
「う~ん・・・聞いたことないなぁ・・・・」
パク。
「私も、初めてお耳にするのですが・・・
何でも、『魔王』の第一の奴隷だと聞いております」
モグモグ。
「ほうなんらぁ~(そうなんだ~)」
「リト様・・・食べながら話さないでください!」
カジュはそう言うと、リトからアンパンを取り上げた。
ヒョイ。
「俺のパン!! 返せ!!!!」
「だったら、ちゃんと聞いて、食べないで話してください!!」
「ヴ~・・・・分かったから・・・・」
「それでですね・・・リト様・・・
『魔王』と闘い、もう一度『クロノア』をf・・・」
「いやだ!!『クロノア』怖いもん!!!!」
リトは、そう言うとアンパンを食べた。
「なぜ怖いのです?」
「あいつは・・・・『クロノア』は、普通の魔物じゃない・・・」
「リト様・・・・・」
カジュは、自分より9歳年下のリトを見た。
まだ、幼いリトの顔には、不安があった。
「リト様・・・大丈夫です・・・・きっと・・・大丈夫です」
カジュは、そう言うと不安な顔のリトを、そっと抱きしめた。
「カジュ・・・・・・」
「きっと・・・大丈夫です!」
「ん・・・・そうだな・・・・
ところで・・・カジュってCカップくらい?」
フニ。
リトは、カジュの胸を触りながら言った。
「\\\\\\\\\\\
何で、分かるんですかぁ!!!!!!!」
カジュは、直ぐにリトから離れた。
ババッ!!
「だって・・・胸が目の前にあったから・・・・・」
「っ!!!
バカァァァァァァァァァァ!!!!!!」
カジュは、そう言うとリトの頬にビンタ。
バチィィン!!!!
「ハッ!!
ごめんなさい!リト様」
「いや・・・大丈夫・・・俺も悪かったから・・・・」
リトは、そう言うと切れた唇の端を触った。
「血が・・・申し訳ございません・・・・」
カジュは、そう言うと救急箱を取ってきてリトの唇の端を手当てした。
「・・・・カジュ・・・俺・・・考えてみる・・・」
「何を・・・ですか?」
「『クロノア』をもう一度封印する事・・・」
「リト様!!
えぇ・・・ゆっくり考えて、結論をお出しください・・・。
私は、いつまでも・・・待っておりますから・・・」
「カジュ・・・
・・・・うん」
カジュは、そう返事するリトをもう一度優しく抱きしめた。
そっ。
幸せそうな二人を横に、もう人類滅亡のカウントは始まっていた。






