３／２４〜３／３０
３／２４
日記帳が無くなった。
あそこ以外に片付けるはずないし、その周りも探したのにどこにも見当たらない。
本当にどこに置いたんだろ？
ってか、私、何かの七不思議に巻き込まれているのかもしれない……
なぜかベッドの上に、ぶっさいくなぬいぐるみが2個も置かれている。
朝、起きた時、目の前にあったから仰け反っちゃったよ。
好みじゃないからいらないんだけど、どうしてか捨てられないんだよね。
そもそも部屋にあるってことが怪奇現象なんだけどさ。
それに菫ちゃんと桃簾だけ、他の人と感じ方が違ったんだよね。
あの2人のことを私が好きすぎるというヤバい女の兆候なのか……
試験はだいぶと前に終わっているから、疲れとかじゃないはず。
なんだろなー、これ。
私、病んでるのかな？
日記帳が見つかれば、謎も解けるのかな？
日記帳とぬいぐるみと心の闇……3個も不思議がある……
どっかに4個落ちてそうで嫌だ……
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３／２５
終業式ー！ やったー！ 明日から春休みだー！
まぁ、今日も菫ちゃんとハンバーガーとパンケーキを食べに行ったから、もう春休みに突入しているようなものだけどね。
ルンルンだよ。
でだ。
今日もあった七不思議……
なんと！ 高木さんのことも特別というか、仲間というか、親近感というか、そんなモノを感じたんだよね。
私って、高木さんのことが好きなのかな？
急にって感じだし、桃簾の彼氏だからなぁ。
兄的存在だから違うと思うんだよねぇ。
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３／２６
もう怖いよー！
昨日のパンケーキを投稿しようとして写真アプリを開けたら、なんか不自然なの。
生き甲斐であるはずのカフェの写真は少ないし、菫ちゃんと琥珀くんカップルにくっついて3人で遊んでいるっぽい写真が多いんだよね。
しかも、それを思い出そうとしてもハッキリ思い出せないし。
写真見て衝撃受けるって、私、脳みそ壊れているような気がする。
ラブラブカップルの邪魔しているとか、過去の私おかしすぎるから。
え？ もしかして……誰かに乗っ取られてた？
いやいや、他の記憶はあるし、そんなことないはず……
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３／２７
昨日は夜中過ぎだったから起こしちゃいけないと思って、バイトの合間に菫ちゃんにNECTしようとした。
でも、止めた。
「なんかいつも邪魔しちゃってたみたいでごめんね。私、無理矢理じゃなかった。今後は断ってくれていいからね」なんて、優しい菫ちゃんに対して送る言葉じゃない。
きっと「全然。むしろ紫陽花ちゃんが居てくれて楽しかったよ。また一緒に遊ぼうね」と気を使わせるだけだ。
ハッキリ思い出せないからその時の状況を聞きたい気持ちはあるけど、一緒に遊んだ記憶が曖昧なんて失礼すぎるよね。
これが、幼稚園の時の話とかなら気軽に聞けるのに。
ここ1年の記憶が本当にあやふやすぎる。
私、宇宙人に連れ去られたとかじゃないよね？
今も実験体とか……
ううん、違う違う。
もしそうなら、今気づきそうなのに放置されてるとかおかしいよね？
あれか？ 私、前世を思い出そうとしているのかな？
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３／２８
昨日、「どっかの国のお姫様だった」とか「悪役令嬢だった」とかの記憶を思い出すかなぁと、寝転びながら前世を辿ろうとしたけど、ぐっすり眠れただけだった。
転けて頭打つとか、酷い風邪を引くとかは勘弁してほしいから、前世云々は違うことにしよう。
ってか、すでにこの日記黒歴史すぎる気がする。
お母さんに見つからないようどこかに隠した方が……
あれ？ 今、何か思い出しそうだった？
え？ 本当に前世を思い出す説あるの？
黒歴史に反応した気がする。
黒歴史……黒歴史……
ヤバい。小さい頃のおねしょと、牛乳を鼻から出してしまった時のことを思い出してしまった……
闇に葬ろう……
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３／２９
お母さんに頼まれてバイト前に買い物に行ったんだけど、公園には家族連れはもちろん恋人たちが楽しそうに日向ぼっこしてた。
今日、ちょっとだけ肌寒いのにな。
その分引っ付けるからいいのか。
あー！ 羨ましい！ 私も彼氏欲しい！
この1年何もなさそうなんだよねぇ。
いや、記憶が曖昧なせいで、告白の1件や2件あったかもしれない！
きっとそうだ。私もアオハルしていたはずだ。
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３／３０
どうしてか分からないけど、泣きながら起きるようになってしまった。
といっても、まだ2日目だけど。
しかも、捨てられないぶっさいくなぬいぐるみを見ると安心するようにもなった。
自分のことが意味不明すぎて、日記を見つけられたら思い出せるかもと今日1日探したけど、どこにも見当たらなかった。
でも、代わりにパールのネックレスを見つけた。
見たことない箱を発見して開けたらネックレスが入っていて、見た瞬間無意識に泣いてた。
とてつもなく大切な物だって分かる。
でも、どうして持っているのかが思い出せない。
記憶を辿ろうとするほど、何も分からなくなる。
私は、一体何を忘れているんだろう？
次週(次話)、最終話です。
