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3/17〜3/23

3/17


放課後、金曜日の球技大会の練習をした。

可能な人だけの練習だったので、数人だったけど楽しかった。


私みたいにバイトだったり、家の手伝いだったり、部活がある子だっているからね。

強制じゃないから参加できなくても大丈夫。

バイトがなかったら連日参加したいところだけど、あいにく今日しか参加できなかったので、時間ギリギリまで頑張って練習した。


ふふふふ。私はレベルアップしているはずだ。

試合ではサービスエースを決めてやる!


昨日は玻璃の様子がおかしいと思ったけど、今日は普通だった。

いつも通り私のご飯やお菓子を狙うのも一緒で、私に対しての口の悪さも健在だった。


昨日の上の空や無口な玻璃は何だったんだろう?

一応聞いてはみたけど、「そんなことなかっただろ」って言われたし。

変なの。


――――――――――


3/18


球技大会の練習だけど、30分ほどなら参加できそうだったので参加した。

ジャージで帰ることになったけど、特に気にならないので問題ない。

それよりも、少しでも練習できる方が楽しいからね。


菫ちゃんも参加しているので、玻璃と琥珀くんは教室で待ってくれている。

自分たちのクラスの練習に参加しないのか尋ねたら、下手じゃないから練習する必要ないとのことだった。


それならクラスメートのためにとか、教えてあげるとか……って思ったけど、玻璃たちがクラスメートと仲が悪いという噂を聞いたことがないので、細かいことを気にするクラスじゃないんだろう。

「学校に居るのに」って、玻璃たちが陰口を叩かれないならいっか。


ちなみに、今日の玻璃は気持ち悪いくらい優しかった。

おかしい。絶対におかしい。


――――――――――


3/19


玻璃に何かあったんじゃないかと疑って見てしまっていたようで、「鬱陶しい」と耳を引っ張られた。

彼氏を心配しただけなのに、ひどい。


「本当に何もないんだよね? 体調が悪いとか、疲れているとか、浮気をしちゃって罪悪感に潰されそうとか、誰かをボコボコにして良心が痛んでるとか、他には……とにかく何かあったでしょ!」みたいに詰め寄ったら、頭を叩かれた。

好きな人を心配しただけなのに、本当にひどい。


抗議しようと睨んだら、痛いくらい抱きしめられたんだよね。

なんなの、あれ。

絶対に何か隠してる。


――――――――――


3/20


休憩時間に、高木さんと「みんなでお花見したいね」っていう話になった。

猫カフェの時は高木さん居なかったから、リベンジしたいんだそうだ。

お弁当の持ち寄りは大変だろうからハンバーガー買って桜の下で食べて、バドミントンやフリスビーをしようってことで盛り上がった。


ただ私と高木さんの休みの日じゃないと難しいので、4月の定休日に行こうってことになって今みんなにNECTで予定を聞いているところ。


桜って、いつ咲くんだろうなぁ。

今週末の玻璃とデートの時はまだ咲いてないだろうから、みんなで行ける日が満開だったらいいなぁ。


――――――――――


3/21


球技大会、1回戦目は勝てたけど2回戦目で負けてしまった。

悔しい!

そのおかげで玻璃と琥珀くんのチームのサッカーを見ることはできたけど、周りの女子たちの視線が痛かった。


玻璃が活躍すればするほど、玻璃ファンが増えるから仕方がないんだけどね。

身長高いし、男前だし、口は悪いけど優しいしね。

それに、私は菫ちゃんみたいに可愛くないしね。


でも、玻璃が選んだのは彼女たちじゃなくて私だ。

どうだ、羨ましいだろう。へっへっへっへっへ。


なんてね。

魔女みたいに笑いたいところだけど、最近の玻璃の浮き沈みに冗談でもそんなことを言えそうにない。

今日なんて「優勝おめでとう」って言った時、泣きそうな顔で微笑んでた気がする。

見間違いじゃないと思う。


私が何かしちゃったのかな?

どうやって調べたらいいんだろう?


――――――――――


3/22


急に日差しが強くなったような気がする。

だから、玻璃に「明日のデートはどっか出かけよっか」と提案したら、「明日は吸血があるし、1日家にいよう」と返された。


明日吸血するって、初めて知った。

毎回1ヶ月ギリギリでしているから、今回もそこまで引っ張るんだと思ってた。


だから、「明日じゃなくてもよくない?」って言ったら、「そうだな」って軽く流された。

その後、結局出かけるのかどうかを再確認できるような雰囲気じゃなくて聞けてない。


とりあえず、明日はどっちでもいい服装にしよう。

玻璃、一体どうしちゃったんだろうな。


――――――――――


3/23


絶対におかしい。

嬉しかったけど、おかしすぎる。


今日お出かけ無しで、吸血で1日玻璃の部屋にいたんだけど、玻璃が泣いたんだよ。

吸血している最中に「俺が愛してるのは紫陽花だけだ」って言われた時は、嬉しすぎて有頂天になって玻璃にしがみついた。

その時はおかしいと思わなかった。


でだ。

変だって気づいたのは、吸血が終わって私がバテている時に、玻璃が私を撫でた後抱きしめてきて……玻璃が泣いてた。

「どうしたの?」って聞いても「別に」しか言わないから、とにかく玻璃の背中を撫で続けた。


何回も聞くのはと思って帰り道でもう一度尋ねたけど、「最近しつこいぞ。何もないって言ってるだろ」って返されたんだよね。


しつこくされたくなかったら、吐き出せってーの。

頑なに教えてくれないから、めちゃくちゃ心配なんだよ。


私が玻璃を追い詰めたら嫌だから、別れ際に気持ちだけ伝えるようにした。

「私は絶対に玻璃の味方だからね。困ったことがあったら教えてね。力になるから」って。

玻璃は微笑んで、頬にキスしてきた。


ん? あれ?


そういえば、玻璃、「またな」って帰って行ったよね?

いつもは私の「送ってくれてありがとう。また明日」に「ああ」とか「早く家に入れ」とかしか言わないのに、今日は「またな」って言ってたよね。


これさえもおかしいと思うのは変なのかな?


まぁ、言葉が少し違っただけだし、毎日ように玻璃に「また明日」って私が使ってるしな。

変じゃないか。


そう思うのに、なんでか不安なんだよね。

玻璃じゃなくて、私が変なのかな?

なんだか今すぐ玻璃に会いたいな。




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