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3/3〜3/9

3/3


お雛様の日だから去年まで家族でご飯を食べに行っていたけど、今年はテスト期間中なので、家で手巻き寿司をした。

大好きなケーキ屋さんのプリンもあって嬉しかったし、本当に美味しかった。


もうお風呂入って寝たいけど、お母さんに「分かっているわよね?」と微笑まれたので、入浴後に勉強を頑張ることにした。

明日は古典があるからね。

寝ずに頑張るよ。

私の特技は一夜漬けだからね。


――――――――――


3/4


古典はなんとかなったと思う。

たぶん……きっと……大丈夫……。


問題は、明日の英語だよね。

お昼寝を1時間ほどしたけど、やっぱり眠たい。

古典と英語の試験が、1日空いていたらよかったのにな。

今日も頑張ろう。


――――――――――


3/5


やりたくなかったけど、玻璃と答え合わせをしながら下校した。

といっても、試験問題を覚えている玻璃が意味分かんなかった。

どう解答したかすら記憶にないのに、あーだこーだ言われてもだよね。

「うんうん、へー、うんうん」って聞いただけでも褒めてほしいのに、怒られるなんて……ひどい。


明日は数学があるから、その分気が楽。

他に勉強時間を回せるからね。

それに、やっと眠られる。

もう少しだけ頑張って、ベッドにダイブだー!


――――――――――


3/6


試験から解放された喜びで、玻璃と菫ちゃんと琥珀くん、そして桃簾も一緒に韓国料理を食べに行った。

チーズトッボギの美味しいことよ。

玻璃はヤンヨムチキンを気に入ったようで、何個も食べていた。

ヤンヨムチキンも美味しいよね。

私も大好き。


その後は、UFOキャッチャーで遊んで、玻璃がつぎこんで取れたよく分からないウサギのぬいぐるみを貰った。

たっかいぬいぐるみ2個目……どうせなら有名な方のうさぎが欲しかったよ……

でも、玻璃から貰ったものだから大切にするね。

ありがとう。


――――――――――


3/7


靴箱で玻璃に告白した子と、そのお友達らしき人たちに呼び出された。


のこのこ行ったわけじゃないよ。

お昼休みでご飯を食べに行こうとしたら、拉致されたんだよ。

引っ張られて連れて行かれたの。

菫ちゃんと桃簾も一緒にね。


「私1人で行くから! 2人は連れて行かない方がいいよ!」と必死に訴えてあげたのに、彼女らは「するわけないっしょ。チクられたら困るんだから」と悪どい顔で笑ってた。


私は、あなたたちの心配をしたんだよ。

人目がないところに桃簾を連れてくなんて、自殺と変わらないんだから。

それに、怒った琥珀くんは玻璃より怖いんだよ。

想像しただけで、私が震えちゃったよね。


でだ。

連れて行かれた先に、ちょっと悪そうな男の子たちもいたのよ。

あー、終わった。ここで虐殺が行われる。って心底肝が冷えた。

それを、私が怖がっていると勘違いしたのか、意気揚々と罵詈雑言を浴びせられた。


ただ菫ちゃんも桃簾も全く震えていないのは、おかしいと分かっていたみたい。

桃簾は言わずもながらだけど、菫ちゃんもこんな状況よりも怖い想いをしたことあるからね。

それに私と一緒で、すぐに助けてもらえると信じてたっていうのもあると思う。


まぁ実際、男の子が1歩近づいた瞬間、横に勢いよく飛んでったんだけどさ。

男の子が元々いた場所に笑顔の琥珀くんが立っていて、本当に泣きそうだった。

しかも、桃簾も参戦しちゃったから、ものの数秒であちらさんはノックアウトされてた。


だから、教えてあげたのに。

玻璃だけだよ。冷静に「殺すなよ」って注意していたの。

でも、私のことは「バカか! あんな奴らについて行くな!」って怒るんだからさ。

「助けに来てくれてありがとう」って言うタイミングすらなかったよ。


玻璃には、明日お菓子でも買って渡そう。

玻璃が来てくれると分かっていたから怖くなかったんだしね。

お礼はきちんと伝えないとね。


――――――――――


3/8


迎えに来てくれた時に、バイト前に買いに行ったお菓子を渡した。

玻璃に不思議そうにされたから、改めてお礼を伝えると、優しく微笑んでくれた。

その顔がもう本当にめちゃくちゃ綺麗で、息をし忘れてたと思う。


書いてる今も思い出しちゃって、顔が熱くなる。

あんな顔、反則だよ。


玻璃は、どこまで玻璃を好きにさせたら気が済むんだろう。

もう落ちるとこまで落ちている気がするけど、これ以上落ちたら玻璃がいないと生きていけないのかもしれない。


――――――――――


3/9


休日出勤になって……と疲れた様子で来店した常連さんが「3月9日って歌が好きなんだよね。いい曲だから聞いてみて」と勧めてきた。

昔に流行った曲だそうで、今では合唱コンクールや卒業式の定番になっているんだそう。


私、去年中学卒業だったけど、この曲ではなかったんだよね。

でも、河内さんは中学卒業の時の退場ソングだったらしく、河内さんも好きな曲だと教えてくれた。


閉店後に着替えながら聴いたら、常連さんや河内さんが教えてくれた通り、いい曲だった。

だから、帰りに玻璃にも教えてあげた。

明日一緒に聴こうってことになってる。

遅い時間に、外でイヤホン無しで聴けないからね。


知っているかもしれないけど、菫ちゃんたちにも教えてあげよう。




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