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11/18〜11/24

11/18


菫ちゃんに会った瞬間に「琥珀くん帰ってきてよかったねー」と伝えたら、菫ちゃんはどこか曖昧な顔で微笑んだ。

何かあったんだろうけど、教室で聞くことじゃないのでコンビニスイーツの話に変えた。

「SNSでバズっているやつ食べたいね」って。


そして、お昼休み。琥珀くんとだけ別で食べた。

玻璃に「琥珀くんと食べなよ」って言ったら、「なんで俺がそこまで気を使わなきゃいけねぇんだよ」って不貞腐れられた。


まぁ、玻璃はどうでもよくて、菫ちゃん曰く「ごめんね。まだどうしたいのかが決まらなくて、どうしたいのかも分からなくて、琥珀くんには会いづらいの」とのことだった。


だから、何も聞かずに「菫ちゃんが迷うのはきっと当たり前のことだよ。私は菫ちゃんの味方だからね」と、何回同じことを伝えるんだってことを言った。


だって、それ以外に何も言えないんだもん。

私にもっと語彙力や恋愛経験があれば、菫ちゃんの心を軽くできたんだろうな。

日記を書いてる今考えても言葉が出てこないなんて……反省……


――――――――


11/19


今週は、火・水・木と夜のバイトに入る。

平日の夜のバイトも慣れてきた。

来月の頭に、また忌まわしいテストがあるからね。

来週からまた入れなくなるから、平日入って稼いどかなきゃなのよ。

どっかでイルミネーション見に行きたいから、その時のホットコーヒーや夕食代も必要だしね。


って、今月のお給料は年末だった。

でも、お正月の初詣代が必要だから、稼がないといけないのは変わりなかったわ。

頑張ろう。


――――――――


11/20


お昼休みに菫ちゃんと玻璃とご飯を食べていたら(琥珀くんはまだ別)、桃簾が現れた。


ここ学校!? 関係者以外立ち入り禁止場所! って思ったけど、そんなの通じる相手じゃなかった。

私も緊迫した空気に突っ込めたわけじゃないしね。


何をしに来たのかと思ったら、菫ちゃんと話すために来たとのこと。

玻璃が「菫に関わろうとするな」と怒ったけど、桃簾は「私だって関わりたくないわよ。でも、私は琥珀様の婚約者にならないといけないの。関わるしかないのよ」と玻璃を睨んだ。


琥珀くんを好きじゃなくて、婚約者にならないといけないという言葉が不思議で桃簾に尋ねると、「人間なんかに分からないわよ」と吐き捨てられた。


話す気がないなら中途半端に話さないでよ! と思う。

まぁ、そこまで桃簾に興味はないので、それ以上聞くことはしなかった。


でだ。


桃簾が来た理由は、「琥珀様を諦めなさいよ。人間に吸血鬼の伴侶なんて無理なのよ。あなたに吸血鬼を纏めることができるわけないでしょ。後ろ盾もないくせに」という嫌味だった。


菫ちゃんが言葉を詰まらせていたから、またまた気になったことがあったので口を挟んでみた。

「どうして菫ちゃんが吸血鬼をまとめるの? 琥珀くんを支えるだけでいいんじゃないの?」と。


「は? あなた、何も知らないのね。琥珀様が纏めるのは当たり前だけど、皇后は社交界を牛耳らないといけないのよ。女たちの頂点に立たないといけないの」ということらしい。


漫画で見る貴族社会って今の時代もあるの!? という一般ピープルな驚きしかなかった。

もしかして、富裕層では日本にもまだあるんだろうか? え? こわっ。


でも、よくよく考えたら教室の中も一種の社交場じゃない? ってことは、憧れられればいいのか? という謎の高速回転が起きた。


「それだったら菫ちゃんにだってできるよ。だって、可愛くて明るくて優しくて儚げで守ってあげたい雰囲気あるんだし。要は人気があればいいんでしょ。菫ちゃんなら大丈夫だよ。それにさ、まだ琥珀くんが帝って決まっていないんでしょ。そうなる可能性が高いだけで。んじゃ、琥珀くんが嫌なら強くなれそうな人を育てたらいいんじゃないの? なりたい人がならないと統制って難しくない?」なんてことが口から出た。


考えながら話したから、みんながどんな顔をしていたのか分からないけど、みんなの動きが止まったような気はした。


そして、「琥珀に今のを伝えてやるよ」と玻璃が笑い出した。

菫ちゃんからは「ありがとう」って言われて、桃簾には「人間は平和ボケしてるから嫌いなのよ」と吐き捨てられた。

そして、すぐに「言いたいことは言ったから帰るわ」って消えた。


いや、私はごく普通なことしか言ってないんだけどな。

どこの言葉に空気を壊すほどの力があったんだろう?

分かんないわー。


――――――――


11/21


来月のシフトが出たのでカレンダーに入れようとして気づいた。


明日、琥珀くんの誕生日!

プレゼント買ってないし、気づいたのはバイト終わってからだしで、プチパニックが起きた。


誕生日会をしようなんて話出てないけどさ。

やっぱりお祝いはしたいなと思って、玻璃に相談したら「いい機会だ。明日の遠足、琥珀と菫と一緒に回るぞ」と返された。

ウジウジしている琥珀くんが、鬱陶しくて仕方ないそうだ。

そろそろもう1度話し合いをさせようと思っていたから丁度いい、とのことらしい。


いいんだろうか? と思わなくもないけど、答えが決められないから一緒にいないっていうのも違うような気がするから、玻璃に協力することにした。


近くにいるのに会えないなんて寂しいしね。

答えが出るキッカケになればいいな。なんて思う。


――――――――


11/22


菫ちゃんに内緒で玻璃と琥珀くんと合流したら、菫ちゃんと琥珀くんは数秒固まってた。

でも、玻璃の「呆けてねぇで行くぞ」という言葉に、困惑しながらも動き出した。

もうそこからは2人に話題を振りまくり、私が知っているいつもの2人に戻るまで、とにかくお節介を焼いた。


と、思っているのはきっと私だけで、今振り返ったら2人ともどうにか話そうと頑張っていた気がする。

考える時間が必要だったとしても、側にいたかった気持ちは一緒だったんだろうな。


菫ちゃんと琥珀くんは穏やかに笑っていたし、玻璃も優しい顔してたし、私も楽しかったしで、今日の遠足もいい思い出になった。


琥珀くんの誕生日も、遠足先のキーホルダーを帰りに贈ることで祝えたしね。

うん、よかった。


――――――――


11/23


玻璃が教えてくれたけど、琥珀くんは菫ちゃんの答え待ちだそうだ。


「菫にしたら一生もんの決断だし、琥珀の人生を背負うような問題だからな。あんなの答え出ないだろ」と言っていて、そんなにクソ重たい答えを1人で出さなきゃいけないほどだったの? と改めて衝撃を受けた。


「琥珀ももっと考えなきゃいけねぇんだよ。それなのに、自分はこうしたいから菫はどうする? みたいなこと言って、本当バカだよな」と玻璃が、あの玻璃が、2人を思いやるようなことを言ったから、勢いよく玻璃を見ちゃったよ。

だって、いつも「面倒臭い」「ほっとけ」「気にするな」みたいなこと言って、周りに興味を持たないのにさ。


まぁ、それだけ琥珀くんと菫ちゃんが、玻璃の中では大切な人ってことなんだろうけどね。

琥珀くんが帰ってこられたのも、玻璃が動いてくれたおかげだしね。


2人は、これから一緒に答えを探すそうだ。

桃簾もだが他にも婚約者候補がいるだろうから、そこまで時間をかけられないらしいが、菫ちゃんの答え待ちじゃなくて意見を言い合うようにしたそうだ。

いい方向に向かってくれればと願うしかない。


って、私は本当に役立たずだなぁ。

いっつも祈るしかないんだもん。


でも、だからじゃないけど、その分2人が話してくれることは全部受け止めよう。

全部ぜーんぶ、私がバカみたいに肯定しよう。

きっと私の役割は、そんな立ち位置にいることだと思うから。


――――――――


11/24


あー、のんびりできる日が今日で終わる。

明日から勉強をしなきゃいけないと思うと、全く眠れない。

毎回のことだけど、テストが近づくと他のことが気になってくる。


美容院行きたいなぁ。毛先を整えたい。

あ、冬休みはネイルに挑戦してもいいかも。


なーんてことばっか気になって、スマホと睨めっこしてる。


ただこれは、明日から真剣に勉強するために大切なことだから仕方ない。

思う存分、夜ふかししよう。




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