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9/23〜9/29

9/23


本当なら美容院に行く予定だったけど、昨日予定を変更したので、今日は蘭ちゃんのお見舞いに。


今日こそ会うんだと意気込んでいったのに、今日も無駄な気合いだった。

衝撃を受けて、その場で崩れそうだった。


蘭ちゃんは15日から集中治療室に入っているそうだ。

教えてくれた看護師さんは、容体までは「ごめんね」と話してくれなかった。


こんなの、もうただ単に信じちゃいけない人を信じて、能天気に過ごしていた私が馬鹿だったって言っているようなものだ。

本当に泣きそうになった。


今、我慢の限界がきて泣いている。悔しい。

あの時、あの人たちを信用していなければ、蘭ちゃんは体調が悪くなっていなかったかもしれないのに。


それに、新たな問題も発生した。

結城さんと佐藤さんが、私に嘘をついたということ。

だって、結城さんと佐藤さんがお見舞いに行ったという火曜日には、蘭ちゃんの病室はもう変わっていたんだから。


2人のことも心配だけど、どうやって伝えたらいいのか分からない。

嘘をついたあいつらに報復すれば、正気に戻ったりするのかな?


どうやったら懲らしめられるんだろう……

相手は吸血鬼だ。それも、精神を操れる。

私に何かできる攻撃はあるのかな?


今日もブツブツ言っていた槙田先生に、何か聞いておけばよかった。


――――――――


9/24


NECTで「新しいカフェを見つけたので行きませんか?」と桃谷先輩を誘ったけど、「文化祭の準備で忙しいの。ごめんね」と断られた。


彼女も操られているのかどうかは分からないけど、彼女は四条先輩のESAだ。

何かしらの意図を持って話をしてくるはずだ。

どうにかして接触しないと。


もう騙されない。全部疑ってかかる。


ちなみに、菫ちゃんにはこのことを話していない。

話すと、きっと菫ちゃんは協力すると言ってくれると思う。


でも、そもそも琥珀くんと喧嘩させてしまったのも、危ないことに巻き込んでしまっているのも、原因は私だ。

これ以上、菫ちゃんを危険な目に合わせたくない。


私1人で何ができるかは分からないけど、やるだけやってみようと思う。


――――――――


9/25


クラスの装飾をしていたら足りないものが出てきたので、ドンタに買い出しに行った。

そこで、持っていてもいいんじゃないかなと思う防犯グッズになりそうなものを買った。

ポケットに忍ばせておけば役立つかもかもしれない。


――――――――


9/26


桃谷先輩から「珍しいお菓子を見つけたの。渡したいんだけど明日時間ある?」とNECTが送られてきた。

速攻でOKしている。


決戦は明日。

まずは、どうしてこんなことをしたのか聞きたい。

それで、どうしても相容れられないのなら戦うしかない。

私に殴る蹴るができるとは思わないけど、平手打ちくらいはできるはず。


蘭ちゃんにもう手を出さないと約束させたいけど、私には無理だろう。

だから、私ができる限りのことをするんだ。


見ないだろうと思うけど、玻璃にはNECTで「ごめん」とだけ送った。

本当に色々ごめんね。

会って謝りたかったな。


――――――――


9/27

【この日記は10月2日に書いている。もう本当に大変な目にあった】


渡したいお菓子を忘れてしまったと案内されたのはマンションで、そこには四条先輩がいた。

はじめからおかしいと思っていたから、驚きもしなかった。


だから、わざと「え? 四条先輩って桃谷先輩の家を自由に出入りできるんですか?」って尋ねてみた。

ものすっごく楽しげに笑われたよ。

「ごめんね。ここは俺の家で桃谷の家じゃないんだ」ってね。


桃谷先輩を見ると、顔色1つ変えずに四条先輩の横に腰を下ろしていた。


向こうはこれ以上隠すつもりがないんだろうと思ったから、何も気にせず聞くことにした。

「どうして嘘をついたんですか?」って。


そうしたら、また愉快と言わんばかりに笑われた。

不愉快だったけど、答えを聞くまでは何もできない。


私は、この部屋に入る前に気合いを入れている。

覚悟も決めていた。

何をされようとも、絶対に一矢報いてやる。


そう思ってたら、目を点にするような答えが返ってきた。

「だって、玻璃がムカつくでしょ」って。


何言ってんだ? 状態で、「どういう意味ですか?」と聞かずにはいられなかった。


「そのまんまだよ。琥珀様の非常食ってだけで側にいて大きい顔してさ。たかが非常食のくせに、女まで作って人生楽しんでいるんだよ。その場所は俺の場所なのにね。あいつは俺から取ったんだよ。だから、俺もあいつが受けるものを全部取るんだ」


確か、こんなことを言っていた。

衝撃すぎるワードが多すぎて、脳みそ停止したけど、大まかには合っているはず。


「え? だったら、なんで蘭ちゃん?」って呆けた声が出た。

本当に理解が追いつかなかったから。


「だからさ、玻璃に向けられる好意は全部俺のもののはずなの。分かる?」って、全然分かんないわー! アホかー!!


「それに、あんな子で玻璃をどうにかできるなんて思ってないよ。目的は君だもの。君を壊したら玻璃は泣くのかな? それとも俺を殺すかな?」だってさ。


ニヤニヤ笑いながら気持ち悪い。

本気で狂っているって思った。


そろそろ攻撃に移ろうとして、もう1つ気になることがあったので確認した。

「桃谷先輩は自分の意志で四条先輩の言いなりなんですか?」と。


笑った四条先輩に「桃谷は操ってないよ。こいつはただキラキラしている女が嫌いなだけだから」と、その場で桃谷先輩から吸血をはじめた。

うっとりする桃谷先輩に、桃谷先輩も狂っているって思った。


だったら遠慮する必要はないと、私ができるだろう攻撃をすることにした。


ふふふ、吸血鬼は匂いに敏感なんだよね?

もがき苦しめばいいわ!


右ポケットから取り出した、ものすっごい臭い香水を連打した。

私にも大打撃があったけど、四条先輩も桃谷先輩も顔を顰めたので、意気揚々と2人に向けてふり続けた。


「気持ち悪いのよ! そんなんだからカッコいい玻璃に負けるんでしょ! 嫉妬して弱い者虐めするなんて最低! 弱虫! 毛虫! 軟弱野郎! ばーか! ばーか! ばーか!」


頑張って罵ったつもりだったけど、今思えば私の語彙力の無さ……遠い目しちゃう……


まぁ、この後、怒り狂った四条先輩が向かってきたから、左ポケットに隠していた虫除けスプレーを顔にかけてやったんだよね。


ふふふ、めちゃくちゃ目を痛がってた。

蘭ちゃんを苦しめた罰には、まだまだ足りないわ。


でも、もう攻撃手段がないから逃げようとしたら、玄関のところで「今すぐ蘭を殺せるんだぞ!」って叫ばれて止まってしまった。

本当かどうかは分からなかったけど、本当なら逃げることはできない。

ムカついて睨んでも、四条先輩は大声で笑うだけ。


ちっぽけな攻撃しかできなくて、結局は蘭ちゃんを救えないことが悔しくて唇を噛んでいたら、桃谷先輩が四条先輩を刺した。

パニックどころじゃなかった。

何もかもが一気に現実から遠のいた。


刺されたはずなのに、四条先輩は普通に桃谷先輩を殴って壁にぶつけていた。

軽く「いってーな」って呟くだけで、腰から包丁を抜いていた。


いやー、こんなん映画やゲームだよ……私、よく生き残れたよねぇ。


傷を塞ぐためには吸血が必要らしくて、悪い顔をした四条先輩に迫られた。

暴れたり蹴ったり頭突きしたりして抵抗するだけ抵抗したら、殴られた。


この日の私の記憶は、ここで終わっている。


――――――――


9/28


記憶にない。

というか、意識を失っていた。


今だから書けるけど、文化祭! 行きたかった!


菫ちゃんには、ものすごく心配をかけていたと思う。

目覚めた後にきちんと謝っている。


――――――――


9/29


昨日と一緒で意識を失っていた。


この時の私は起きた後、玻璃に怒られ、玻璃とあんなことになるなんて思っていなかった。




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