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9/16〜9/22

9/16


玻璃に連絡をするかしないかで、スマホと睨めっこしながら過ごした。


私が謝るまで会えないんだろうなと思った予感が的中し、今日の帰りも槙田先生が待っていた。


昨日と一緒で散々文句を言ってくるから、この流れで何か言えばポロッと口を滑らせてくれるかなと思って、「槙田先生は、どうして玻璃の言いなりなんですか? 玻璃が怖いんですか?」と聞いてみた。


そうしたら、呆れ顔で「好きだからに決まってんだろ」って返された。


ですよねぇ。そうだと思ってました。


もう何も言えず、槙田先生も口を開かずで、家に着いた。


そして、「お前って、本当目に見えたものしか信じねぇのな。玻璃が可哀想」と告げて、槙田先生は消えた。

目を擦ってみたけど誰もいなくて、走っていったとかじゃなくてシュンっていなくなった。


びっくりしたとか、自分と違いすぎて怖くなったとか、そんなんじゃない。

ただ漠然と「玻璃が可哀想」がリフレインして泣きたくなった。


――――――――


9/17


来週末の文化祭に向けて、学校全体が騒がしい。


私たちのクラスはギャルメイク講座を開くので、そこまで忙しくない。

昔に流行った、今注目されつつあるギャルに焦点をあてて、絵が得意な子が紙にギャルの絵を描いて、矢印で特徴を記載する。


当日は男子も合わせてクラス全員でギャルメイクをし、もう着ていない制服を家族や親戚から借りられる子は着崩して着ることになっている。

もちろんギャルメイクをしたい人には、メイク道具を貸し出すし、メイクが得意な子が施してくれたりする。


当日教室はパーティー仕様に様変わりするので、その準備や飾り付け等は来週の文化祭準備期間にすることになっている。


玻璃のクラスが何をするのか知らないし、文化祭の話をしたいけど、お昼休みは会わなかったし放課後も見当たらなかった。


菫ちゃんと琥珀くんも、まだ仲直りしていないそうだ。

菫ちゃんは「いいの。だって、今回は琥珀くんが悪いんだもの」と言っていた。


私も自分のした行動に悔いはない。

ただ、もっと話し合えばよかったなと思う。


――――――――


9/18


放課後、玻璃に会いに玻璃の家に行ったけど、チャイムを鳴らしても応答はなかった。


NECTをしてみたけど、電話は出てくれないし、既読にもならなかった。

今も未読のまま。

玻璃は、私のメッセージを見てすらいない。


はぁ、どうしたらいいんだろう。

本当に会いたい。


――――――――


9/19


思い切って、玻璃の教室に行ってみた。


そして、衝撃の事実! 今週は1度も来ていないと言われた。

「え? 彼女なんじゃないの? どうして知らないの?」っていう、ものすっごい疑いの目を向けられた。


泣きそうになりながら教室に戻って菫ちゃんに聞いたら、「琥珀くんから用事があって地元に戻るってNECTあったよ」って教えてくれた。


そして、「え? 玻璃くんから聞いてなかったの? 私がもっと早く言えばよかったね。ごめんね」と菫ちゃんを慌てさせてしまった。


ねぇ、どうして玻璃は教えてくれなかったの?

私と言い合いのし過ぎで、もう私が嫌になったのかな?

私、まだきっと彼女のはずだよね……


――――――――


9/20


本来なら、今日の放課後に吸血をする予定だった。

でも、玻璃から連絡はない。


菫ちゃんが「文化祭までには帰れると思うって送られてきたよ」と「先週の14日から帰省している」と教えてくれたから、私の次の吸血は1ヶ月ギリギリのタイミングになるのかも。


というか、どうして槙田先生がバイトの帰り道を送ってくれていたのか、ようやく分かった。

玻璃が怒っているというのもあるだろうけど、帰省をして居ないということが大きいんだ。


槙田先生、絶対わざと教えてくれなかったんだ。

ん? でも、玻璃が私に話していると思って何も言わなかったのかも?


どっちでもいいけど、本当に寂しい。

寂しくて泣いてしまいそうだ。


――――――――


9/21


バイト先に迎えに来てくれた槙田先生は今日も不機嫌で、「ったく、本当にどこぞの姫様かよ」とあたりが強かった。


思い切って「玻璃は、どうして私には何も話してくれないんでしょう」って聞いてみたら、盛大にため息を吐かれた。

ものすっごい冷たい瞳で見られた。

「俺、本当にお前嫌いだわ。今まで玻璃の何を見てたんだよ」と言われた。


その後は、ずっと「あー、玻璃が不憫だわ。こんなに最低な彼女いねぇよ」と何度も吐かれた。


だから、今泣いているのは槙田先生のせいだ。

過去の日記を読んで、どれだけ玻璃に大切にされていたか改めて気づいたせいじゃない、はずだ。

私がどれだけ自分勝手だったか分かって、悔しいからじゃない、はずだ。


――――――――


9/22


泣くだけ泣いたらスッキリしたようで、今日の槙田先生の文句は聞き流せた。

いや、ある程度のボディブローは受けたけど、昨日までの落ち込みようとは雲泥の差。


「玻璃が帰ってきたら、とことん話し合う!」って決めたおかげもあって、気持ちは上を向いている。

悔しかった分、今後は絶対に玻璃に優しくするんだと、玻璃に誓おうと思っている。


でだ。

玻璃を全面的に信じると決めた体勢で、日記を読み返してみて思ったことがある。


本当に四条先輩と桃谷先輩を信用していいのかどうか……

そして、蘭ちゃんを任せていいのかどうか……


入院が伸びた蘭ちゃんに会わない方がいいんだろうけど、明日夜のバイト前に会いに行こうと思っている。


結城さんと佐藤さんは火曜の放課後にお見舞いに行ったらしく、「随分と元気になっていたから文化祭には参加できると思う」と言っていた。


まずは、廊下から様子を窺ってみよう。

会えそうなら会って、きちんと話してみよう。




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