5. 成長過程のINTJが孤独を選ぶ理由
ではなぜ、第2段階のINTJは人との接触を避けるのか。
それは悲しいことにINTJには感情があるからに他ならない。すべての人間と同様に。
INTJの不幸は自身が獲得できる最後の能力、内向的感情Fiの芽生えに気づいたときから始まる。
INTJは自身と他人との機能不全を自覚し外向的思考Teの発達を迫られた瞬間から、同時に自身の中の感情、内向的感情Fiに気づく。
しかし、自身の中の感情に気づけても、この段階のINTJには他者の感情に気づく能力はほとんどない。内向的感情Fiから得られるのは、「この行動で相手が傷ついたかもしれない」という心配ではなく、「この行動が相手を傷つかせた場合、自分に不利益が来る可能性があって嫌だ」という不安である。
また、後に付け加えるが外向的感覚Seに劣るという足かせがINTJの人生には常につきまとう。強い言葉で表現すると、INTJは物事を「把握すること」について、16タイプ内でほとんど最下位に位置する。
つまりINTJは他者の内面だけでなく外面についても、把握能力が著しく低い。
「自分の感情は自覚できるようになったが、他者の感情はわからない。わからないが、自分に感情があるということは他者にも感情があるということになる。しかし、他者の顔色をみても何も変化を感じない」という結論を内向的直感Niと外向的思考Teが導き出した結果、INTJは知覚できない上に不要である「他者」という存在を排除する。
そして、意図的に成長を続ける外向的思考Teと稚拙な内向的感情Fiによって取捨選択された内向的直感Niに従って、孤独な没頭を続ける。
付け加えるならば、この段階のINTJが他者と関わる時、把握する術のない「他者」に対して自動的かつ断続的に発動する誤った内向的直感Niを外向的思考Teで推考し否定し続けることによって疲弊する。また、誤った内向的直感Niによって悪い内向的感情Fiが想起される。