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**. 蛇足

 ここでは本編に載せなかった記事を紹介する。【】内は筆者の内向的直感Niの産物であるが、外向的思考Teによる検証は不十分である。それぞれに簡単な説明を付記した。

 今後も追記の可能性がある。



【学生のINTJは後輩を狙え】

 INTJは相手から格下と思われた瞬間にこの世で最も魅力のない人種となる。

 先輩はもちろん、現状相手にされていないのであれば同級生も望み薄であり、INTJが狙うべきなのは自然と後輩に絞られる。潜在的な能力で劣っていても1年かそれ以上の人生経験の差によるアドバンテージは大きく、なおかつ社会的に上下関係がはっきりしており、しかもそれを強制する文化が今だに廃れていないのだから、これを利用しない手はない。

 その点から、SEXパートナーを獲得したければ後輩と接点を持つために部活動に入ることを強く推奨する。

 選択肢を増やすために異性愛者であれば異性の多い部活動、同性愛者であれば同性しかいない部活動がよいだろう。自分の得意分野と合致してその部活で地位を築ける見込みがあれば何の部活動かは問わないが、得意分野が不明の場合は競争率などが低く、先輩後輩の逆転が起こりにくい「勝ち負けのない文化系」の部活動がおすすめである。

 ただし、自分より立場の弱いものを相手にするのだから特に、相手からの明白な合意を伴わなければ犯罪者であることを肝に銘じる必要がある。




【社会人のINTJはマッチングアプリを活用せよ】

 INTJがSEXパートナー獲得に有利な場にはいくつかの条件がある。

 まず、感情的な駆け引きが極力少ないこと。つまり最初から条件と目的が明示された「取引の場」である方が良く、場の名目と違う事柄を空気を読みながら交渉するのは苦手である。

 次に人間の内面より外面、そして能力が評価される場であること。特に初期段階で、ネットを通じたリアルタイムでない交渉が可能な場合、INTJの欠点である内面は文章力とタイムラグを利用した加筆訂正でカバーでき、長所である能力は制度上嫌みなく明示できる。

 そして、相手がパートナーを求めていることも大きい。INTJは基本的に他者を必要とせず、ほかのタイプと比較してどうしてもパートナー獲得の熱量が不足する。相手がパートナー獲得に積極的か消極的かはINTJにとっては成功率に直結する非常に重要なファクターである。

 マッチングアプリは現実のコミュニティと異なり、スペックと外見の世界である。参加者はすべてパートナーを求めており、それぞれの思惑とタイミングの違いはあれど、SEXを考慮もしくは許容している。考えうる限りINTJが他の性格タイプに対して不利でない数少ない場がマッチングアプリである。

 ただし当然、自身の社会的成功の度合いや容姿によって獲得可能な相手のスペックも大きく変動することは避けられない。




【内向的直感Niは理解の難しい心理機能ではない】

 外向的直感は理解できるが内向的直感はそれをつかえる人間でないと理解できない、という論調が一部にあるが、賛同できない。本質的にはどちらも同様の機能だからである。

 ユングのもともとの8タイプでは人間の知覚機能が感覚Sと直感Nに分類され、そのうち直感Nをメインで使う人間が、外向的なのか内向的なのかを区分しているに過ぎない。つまり、すべての人間は程度の違いはあれど外向的に直感を使うことも、内向的に直感を使うこともできる。

 要は外向的直感は「連想する」ことで、内向的直感は「思い付く」ことである。自身の脳内の情報に対して連想すると言ってもよい。

 世に蔓延る内向的直感Niの説明文に一言付け加えれば、諸君らもそれほど理解に困ることはないだろう。その一文とはこうである。

 「ただし、その直感が正しいとは限らない」




【MBTIはINTJのために作られている】

 MBTIに傾倒するINTJが多いのは、それがまるでINTJのためにデザインされたかのような構造をしているからである。

 まずMBTIはそもそも人間の性格というアナログなデータを無理やり分割してデジタルデータに変換することを目的としている。また「他者との付き合い方がわからない人間が、他者と付き合わないままでその困難に対処する」ために用いられる。

 人間の性格の本質的な理論を統計立てて説明しようとしており、普遍的で応用可能で実用的な論説を目指している。

 人間の性格という目に見えないものを、文章という外向的感覚Seに劣る人間でも把握できる形に落としこむ。

 まさにINTJが人間と関わる上で、「このような教科書があったら良いのに」と思う理想的な理論である。

 ただし問題がふたつある。ひとつはMBTIという理論が学術的に価値がなく不完全性に溢れていること。もうひとつは他者を把握する能力の低いINTJが周囲の人物に対してMBTIを実用可能なレベルで使いこなせないことである。




【INTJ-Tから見たINTJ-A】

 よりMBTIに造形の深い者は、これまで述べたことから筆者がINTJ-Tであることに気がついていることと思う。独善的で周囲に流されない典型的なINTJであるINTJ-Aに対して、筆者の所属するINTJ-Tは周囲の影響を受けてストレスを感じたり自己疑念を抱いたり、感情に波が立ちやすいと説明される。

 しかしINTJ-AとINTJ-Tの間に生得的な違いはないように感じる。違いはおそらく成長の過程で「自己否定が必要なほどの致命的な挫折や失敗を経験しているか」である。

 大きな失敗なく成熟して自己の内向的直感Niに疑念を持つ機会のなかったINTJはA型となり、自己否定の機会があり内向的直感Niが絶対的でないと知ったINTJがT型となるのである。

 そして内向的直感Niが一度も間違わないことはあり得ないと信じる筆者からすれば、A型のINTJは内向的直感Niがより優れているお陰で失敗の頻度と程度が小さいか、もしくは外向的感覚Seがより劣っているために失敗を知覚出来ていないかのどちらか、もしくは両方だと思われる。

 おそらく年齢層が上がると共に、理論上最も優秀な「精神的には安定したINTJ-T」の頻度が増すことだろう。




【愚者が己をINTJと診断したなら、それは正しい診断である】

 ネットで「お前は優秀ではないからINTJではない。F型かP型だ」というような内容の論争を目にする機会があるが、これには同意できない。もちろん「優秀ではないから」とは明言されないが、「外向的思考Teが使えていない」というのも「内向的直感Niが備わっていない」というのも、INTJが発信した言葉であれば概ねそのような意味をもつ。

 このような意見を発信したものはおそらく自身をINTJと診断しており、その事に無意味な誇りを持っているのだろう。INTJのMBTIにおけるほとんど唯一の長所は有能とされていることであり、INTJの中にはその「有能である」というアイデンティティを確立しようとして選民的な思想を持つものがいる。

 実際にINTJと自身を誤診する他タイプの者は存在するだろうが、それは他タイプであるにもかかわらず直感Nや思考Tを自身の長所と勘違いするほどに発達させた人間であり、成熟した優秀な人間である可能性が高い。

 愚者が自身の長所を直感Nや思考Tと見なすのであれば、感覚Sや感情Fはそれ以上に劣等であると自覚していることになる。


 口先だけの敗北者や低能な犯罪者のなかにもINTJは存在する。彼らは自身をINTJと誤診することになんのメリットもない。「私は未来を見据えて計画的に行動できないINTJです」と言っているのである。

 そんなINTJはいない、のではない。

 そんなINTJには誰もなりたくないはずなのだから、彼らの診断は悲しいほどに真実なのである。

 INTJと自身を診断したものは、「INTJだから自分は優秀だ」とマスターベーションするのではなく、他者から「あなたは優秀だ」と言って貰えるように振る舞うべきである。




【INTJはINTJと仲良くならない】

 「INTJは思考が似ているから友達になれる」と述べるINTJの意見を時々目にするが、これも疑わしい。本当にその人物はINTJなのだろうか。

 少なくとも筆者はINTJの友人は持ちたくない。利己的な人物は筆者の利益になりにくいからである。当然、利己的な筆者もその人物の利益になりにくい。

 また、思考Tは同じタイプ同士で共有可能だが、直感Nはそれを使うもの同士でも出力するものが異なるせいで共有できないという性質がある。ちなみに感覚Sは共有できて、おそらく感情Fは共有できない。おそらく感覚Sと思考Tは原理的で不変のもの、直感Nと感情Fはその経験の積み重ねから派生するものなのだろう。人工知能もおそらく感覚Sと思考Tを先に手に入れ、然るのちに直感Nと感情Fを手に入れるはずだ。

 話を戻すと、INTJとINTJは共通のタスクを持っている場合を除いて親密になるメリットがあまりない。

 利害関係の全くない非常に遠い関係で、一時的に有意義な意見交換を行う程度が望ましい。

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