2. INTJの長所は思考力ではない
まずはINTJ諸君の自己分析について誤解を解き、筆者と共通の認識をもってから具体性のある話に進みたい。
成熟していない多くのINTJは自身について「思考力や判断力は平均を遥かに越えて高い」と考えていることと思う。
例え他者に実際の成績が劣っていても、「地頭は自分の方がよい」と考えているだろう。「もし無人島に取り残されたら、自分の方が生き残るだろう」という妄想をしているかもしれない。
中には言い訳のしようがないほどに優秀な人間に出会い、「あの人にだけは頭脳でも勝てない」と思えた幸運なINTJもいるかもしれないが、大多数を知能的に下に見ている事実は消えない。
しかしINTJが他タイプと比較して特に優れている長所が思考力、判断力ではないことを、INTJは知らなければならない。
そしていま、あなたの中に生まれた反論を一度消去して、まずは筆者の主張を聴いていただきたい。
成熟していないINTJにとって、自身の優れたアイデアを一度脇に置いて客観的に比較するのが難しい(客観的に比較できていないことに気づけない)ことは重々承知した上の話である。
INTJの特筆すべき能力は「思考力と決断力」ではなく、「思い付く能力」である。「閃くこと」と言ってもよい。INTJの主機能はTi(内向的思考)ではなくNi(内向的直感)なのだ。
以下の言葉を一度覚えておいていただきたい。後にこの帰結に至るからである。
「INTJの思考は仮説から始まる」