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第四十五話 修行と勧誘活動

カンナの店を出て、ちょうどよい時間になったこともあり、約束していたレストランに向かう。ユニテアは、調合してもらった薬を仲間に処方するためいったん別れた。薬を飲ませた後の様子次第で、容態が安定していたらあとで合流できるかもとのことだった。

店に着くと、ニーアとシンイチは先に席についていた。

「お疲れ様、二人とも。待たせたね。」

「大丈夫、私達も今来たところだから。」

席について早速話を始める。

「今日は、私達は全然駄目だった、誰とも出会わなかったわ。まあ、その分狩りに集中できたけど。」

「この辺で出るモンスターはそれほど強くないから、タカキでも大丈夫だよきっと。」

ニーアとシンイチが自分たちの状況を説明する。

「おいおい、ひどい言いようだな。まあ、でもそれはそれで安全ということでいい情報といえるか。あとは、帝国の冒険者が暗躍していないか気を付けないとってとこだな。」

「ちょっと、フラグ建てるようなこと言わないでよ。」

ニーアがちょっと怒ったような口調で言う。しかし、すぐに思いなおしたらしく修正した。

「でも確かにそのとおりね、今日はあまりにも平和過ぎてそこまで気が回っていなかったな。街中や町のすぐ近くで何か仕掛けてくることはないだろうけど、外で冒険者に話しかけるときは気を付けないといけないわね。」

相手の意見を聞いて柔軟に考えを変えられるのはいいところだな、タカキは心の中で我が娘を評価する。

「本当にそんなことになったら怖いねー、ニーアがいるときならまだしも、いないときはどうしよう。。。」

「シンイチ、俺と一緒の場合は、鑑定スキルがあるからそれで相手を視てから声をかけるかどうか判断するってのが基本になるんじゃないか。」

タカキの案に二人も同意する。まるで子供のお留守番のようだが、一人では街の外には出ないということで決着がついた。


「じゃあ次はこっちの番だな。俺は、いや俺たちはBランク冒険者パーティ3組を引き入れることに成功したよ。まあ、一応、中立という形だが、それでも戦争が起こった際にはセルディス側とは敵対せず、帝国側から何か誘いがあってもうまく断るって話だよ。ユニテアのおかげだよ。」

「そう、凄いじゃない!それは良かったわね、出だし好調ね。」

「おう、だろ。社会人のコミュ力をなめんなってやつだな。」

「でも、結局はユニテアのおかげなんじゃないの。」

「う、うむ、、そうとも言えるな。。」

シンイチのするどう突っ込みに黙るしかないタカキであった。ニーアはフルフェイスの中でニヤニヤしていると、タカキが話題を変えるように話し始めた。

「そうそう、元々言われていたから予想通りなんだけど、エルフ族の人族への警戒心は予想以上に強いな。人族の冒険者は話を聞いてくれたけど、ユニテアがいないと話を聞いてもらえないかもしれないな。

「そっかー、困ったわね。ユニテアもずっと一緒にやってもらうわけにもいかないし。結構苦労しそうね。」

「そうだな、暇なときは手伝ってくれるって言っていたが毎日という訳にもいかないだろうし。ある程度やって、成果が上がらないようだったら早めに次の街に行くのもありかもしれないな。」

「それって、この国を諦めて他の国で勧誘活動をするってこと?」

「いや、ラニキスの王都は諦めて他の街って意味だ。ラニキスの王族がエルフ族のせいか、王都はエルフ族の割合が多いらしい。獣人族とか他の種族もラニキスには多いからな。」

「それもユニテアに聞いた情報でしょう?」

「う、うむ。。そうだな。」

ちょっと得意げに知識を披露したところ、すぐにニーアに指摘をされてしまった。


「じゃあ、明日は、私とパパで外周りをして、シンイチはユニテアと冒険者の説得ね。私達は、どっちかというとパパ、いや、タカキのレベル上げがメインかな。ビシビシと厳しくいくからね。」

「お、おう。お手柔らかに頼むよ。もしかすると明日は、おなかを壊して一日宿で錬成スキルの修行になるかもしれないけど。」

「そんなこと言ったって逃がさないからね。」

ニーアが笑いながら言った。いつもの家のリビングにいるようなリラックス感である。

「錬成スキルで思い出した。マジックアイテム屋での話なんだが。。。」

タカキは店主のカンナとのやり取りについて二人に話した。

「へー、人族っぽい人がこの街でお店を出しているんだ。しかも鑑定スキル持ちか。盗み見がばれていきなり攻撃されなくてよかったね。」

「いや、ほんとそうだよな。話をしていて、かなりの高ランクなんじゃないかなという気がしたよ。余裕があったというか、普通あんなに何でも情報を教えてくれるかな。お金は払うつもりだったんだけど、ただでいろいろ教えてくれたよ。」

「そっか、錬成スキルは私もあまり使わないからよかったわね。まあ、あまり使えないスキルだからただで教えてくれたのかもよ。」

ニーアがさらっと毒を吐くがタカキは気にしないことにした。ニーア自身、特に錬成スキルを貶めようと悪意を持って言っているようでもなさそうだ。

「カンナさんか、、私は普段から妨害スキルを発動しているから問題ないけど。鑑定スキル持ちがいるなら気を付けないとね、どこですれ違うかもわからないし。」

「僕はいいかな?といっても妨害スキル使えないんだけど。。」

「ああ、シンイチにも教えておくわ。とは言っても、相手が自分の妨害スキルより高レベルの鑑定スキルを持っていたら見破られちゃうけどね。今から使い始めてスキルレベル上げていかないとね。」

「ありがとう、了解だよ。」


ちょうどその時、ユニテアがやってきた。

「すみません、遅くなりました。私もご一緒させてもらってよいのですか?」

「もちろん、私たちのお手伝いをしてくれているんだし当然よ。今日もユニテアのおかげで助かったって今話していたところよ。ところで仲間の具合はどう?」

「あ、ジェイニスのことか。おかげさまで薬を飲んだら少し元気が出たみたいだ。お礼を言いたいと言っていたのだけど、まだ完治していないので今日のところは安静にしてと押さえつけてきたよ。完治したらぜひ挨拶をさせてもらえないだろうか。」

「そんな改まっての挨拶はいいわよ。」

「そうか、でもお礼だけでもしたいみたいなんで、その時はよろしく頼むよ。」

ユニテア合流後も楽しくご飯を食べて、話をしてと盛り上がり、3時間後にようやく解散となった。


次の日も朝から二手に分かれて、冒険者の説得と町の外でのモンスター討伐を兼ねた冒険者探しを始める。昨日の夕食時に話していた通り、ニーアとタカキでのモンスター討伐となり、タカキのレベルアップメインの活動である。タカキの効率的なレベルアップのために、強い敵に対してニーアが削りを担当し、タカキがとどめを刺すといった「作業」を続け、結果、数十匹のモンスターを討伐し、2回ほどレベルが上がっていた。


そんな修行の日々を数日続けていたある日、ニーアとタカキの前に一匹のダークスライムが現れた。ダークスライムはHPが高めでかつ黒魔法を行使して敵のHPを吸収できるためなかなか倒しにくい。これまで通りニーアが削りタカキがとどめを刺そうとしたその時であった。タカキのダメージでとどめを刺せず少しHPが残ってしまったようだ。追撃でとどめを刺そうとするタカキをニーアが制止した。

「まって、なんか様子がおかしいわよ。」

ダークスライムが起き上がりおもむろにタカキにすり寄ってきた。

「ん、これは?」

「あれ、もしかしてテイムスキルが発動したのかな。瀕死状態に追い込むとテイムができるようね。テイムの方法って初めて知ったわ。」

「へー、長年、勇者様をやってても知らないことってあるんだな。」

タカキが茶化してくる。

「そりゃそうよ、テイマーなんてネタ職種とパーティ組んだことないもの。」

ニーアの返しもまた辛辣であった。タカキは思わず苦笑いを浮かべた。

「あー、でもかわいいわね。よしよし。」

ニーアがなでてやるとプルプルと体を震わせている。

「お、ステータスにもちゃんと反映されているみたいだ。Lvは1に戻ってしまうのか、戦う前に鑑定で見ていた時はもっと強かったのに。。Lvの上限は14と、なんか中途半端だな。もしかして、俺の今のレベルと同じところまでってことか?」

どうやらステータスウィンドウで確認しているらしい、ニーアも何もわからないので確認が終わるまで少し待つことにした。

「ほう、名前を付けてやれるみたいだな、よし、クロコにしよう。」

「え、そのスライムって雌なの?」

思わず、ニーアが聞く。

「いや、スライムにオスもメスもないだろう。雌雄同体だよきっと、ステータスにも何も書いていないし。だからどっちの名前でもいいのさ。」

適当な理論で、かつネーミングセンスがないなあ、と思ったが、スライム自身もぴょんぴょんはねて気に入っているようなのでニーアから特に口は出さないことにした。

「よーし次行くぞ。」

タカキが立ち上がって大きく伸びをした。

「え?次って、まだテイムする気?」

「ああ、クロコのステータスウィンドウに1/2って書いてあったから恐らくもう一体行けるんだと思う。」

「そうなんだ、できればホワイトスライムをテイムしたいね。光魔法を使えるから回復とかしてくれそう。」

「おお、いいなそれ。回復役がいるとパーティのバランスも良くなるな。」

「でもこの辺にはいないかもね。私が見たのはセルディス王国の王都の西辺りだったから。あとは帝国の北のほうでも見たことあるかな。」

「そうかじゃあ、とりあえずそれは置いておいて、キラータイガーかな。」

「いや、それよりエンシェントホークがいいと思うよ。さっきも飛んでいたけど、人を持ち上げられるくらい力があるからうまくテイムできたら空飛べるかも。」

エンシェントホークは鋭い爪やくちばしでの攻撃と、人間を軽々と持ち上げることができる力を持つ鷹型のモンスターである。ニーアのおすすめに従い、二人はエンシェントホークに狙いを絞った。

その日はひたすらエンシェントホーク狩りをしたがタカキで瀕死まで追い込む調整が難しく、結果的に10羽ほど狩ったがうまくいかなかった。

「思ったより難しいわね。」

「そうだな、ダメージ調整がなあ、瀕死の状態まで追い込める確率がまだ2割ってところで、そこからテイムできる確率はさらに何割か下がるからかなり厳しいだろうな。まだレベルが足りないかな。まあ、いいよいいよ、俺はこいつを育てるよ。」

そう言いながら抱きかかえたダークスライムをなでている。エンシェントホーク狩りの合間に遭遇した歩行型モンスターを倒していたらあっという間にレベルが10を超えていた。どうやら、主であるタカキがモンスターを倒すことでも経験値が得られるようだ。レベル10で覚えた、ダークスライムの代名詞とも言える闇属性スキル「生命吸収」がかなり有用で、前線に出してもかなり戦えるようになっていた。吸収スキルで体力を自己回復することによりタンクとしても運用できるので、シンイチを魔法火力要因にすることもできるし、ダブルタンクという運用も可能となる(ダブルタンクが必要となる状況は今のところあまり想像できないが、、)。エルフィリア周辺は雑魚モンスターでもレベルが高めでレベルアップには最適な環境であった。その日の後半は、タカキ(&クロコ)のレベル上げとなったのであった。

夕方、町に戻るとシンイチとユニテアが待っていた。

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