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悪魔の館  作者: 北キツネ
4/11

「は~・・・あんな奴の隣で飯が食える訳ないだろう。ハッキリ言って背中に寒気が走る。」


タツトは廊下を歩きながらそんな事を口にしていた。

しかし名前を出したのは効果的であり、リリスの本性を垣間見る事には成功している。

これは大きな前進か、それとも命を縮める行為だったかは分からないが、今まで抱いていた大丈夫だろうという甘い考えは完全に吹き飛んでいた。

そして歩きながら背伸びをして気分を少しでも入れ替えようとしていると背後から声を掛けられた。


「お客様・・・晩餐はお済ですか?」

「さあ、どうだろうな。ところでメイドは主の傍に控えてなくて良いのか?」

「それは私の役割ではありませんので。それで、晩餐がお済なら私のお相手をしてくださりませんか?」

「嫌だ・・・と言ったら?」

「無理矢理にでもお相手をして頂きます。」

「は~・・・ここのメイドは強引だな。それはどんな相手をして貰うかは俺が決めても良いのか?」

「お好きな様に。私はその為にこの館に仕えているのですから。」

「それなら俺の部屋に来てくれ。」

「専用のお部屋もございますよ。」

「いや、俺の部屋だ。」


そして、2人は共にタツトの部屋へと入って行った。

そのままメイドはベッドへと向かうとそこに仰向けになり視線をタツトへと向ける。

しかし、その視線の先で彼は荷物を漁りながら何かの準備を始めた。


「もしやその様なご趣味があるとは意外ですね。」

「まだ何も出してないのに誤解を招く様な事を言うな!」


そして、取り出されたのはコントローラー、ゲーム機のソフト、DVDプレーヤーだ。

それらを繋げて準備を終えるとコントローラーの片方をメイドへと差し出した。


「これは何でしょうか?」

「勝負内容は俺に決める権限があるんだろ。それならゲームで対戦だ。」

「何故・・・私がそんな健全な勝負をしないといけないのですか?」

「俺が決めたからだ。嫌なら今すぐに帰れ。」

「ならば私が勝ったら好きにさせて貰います。」

「なら俺が勝ったら部屋から出て行けよ。」


そして、その数分後には敗者と勝者が明暗の様にくっきりと分かれていた。

負けたのはもちろんメイドの方で信じられないと言った顔つきでベッドの上で突っ伏している。


「負けたんだからとっとと帰れ。」

「・・・こういうものは3回勝負だと聞いた事があります。再戦を要求します。」

「何処のジャンケン勝負だよ!まあ、お前は『弱い』から良いか。」

「弱い!?その減らず口を叩けるのも今の内です。私は百戦錬磨の女です。」

「どうせベッドの上とか卑猥な言葉が間に入るんだろ。」

「もちろんです!」

「断言するな!」


そしてその後もゲームは続き3回が4回に増え、5回へと増えた頃に扉がノックされた。

しかし中から返事は返って来ず、代わりに別の声が聞こえてくる。


「あぁ!そんなに激しく突かないでください。」

「お前も少しは上達したな。良い腰の振りをしてるじゃないか。」

「あぅ!そこは弱い所なのに。」

「お前の弱点は知り尽くしてるんだよ!」

「ああ!もう駄目ですーーー!!」

「ハハハ!逝ってしまえー!」


そして次第に激しくなり始めたノックはタツトが扉が開くことで終了した。

そこにはアカネが真赤な顔で立っており、出てきたタツトの姿を足先から頭までを見て確認をしている。


「あ、あの・・・何をしていたのですか?なんだか凄い声が外に聞こえていましたよ。」

「いや、ちょっとゲームに没頭し過ぎた。」


そう言って部屋の中を振り返るとそこにはコントローラーを握って固まっているメイドが居る。

それに合わせてアケノも部屋の中を覗き込み声の主と衣服の乱れが無いかの確認を行う。


「そういう訳だからタイムオーバーだ。大人しく部屋から出て行け。」


するとメイドはまるで崖から突き落とされそうな顔になるとコントローラーを置いて部屋から出て行った。

しかし少し歩くと先程までを感じさせない無表情な顔で振り向き、タツトへ捨て台詞を浴びせる。


「次は負けませんから。」

「俺に次ぎがあればの話だな。」


タツトは軽く言葉を返すとその背中を静かに見送った。

そしてメイドが立ち去ると同時にアケノはタツトを部屋に押し込んで扉を閉める。

その顔はいまだに赤いが、手は強くタツトの服を握り締めていた。


「だ、大丈夫だったの!?」

「ああ。何とか今回はやり過ごせた。今後は1人にならない様にしないとマジでヤバそうだ。それで、どうしてこっちに来たんだ?」

「え・・え~と・・・。ちょっと心配だったから。」

「それは悪かったな。でもおかげで助かったよ。」


なかなか負けを認めないメイドにタツトも止め時を見つけられなくなっていた。

それにゲームをしている時は幼い子供の様で本人が言っている様なメイドとは思えなかったのだ。

ただし、状況から考えて男を連れ込むための部屋が何処かにある事や、昼間の男が消えた理由も彼女にあるのではとタツトは感じている。

だから終わりのゴングを慣らしてくれたアケノには大きな感謝を感じていた。


「そういえばそろそろ集合時間だな。」

「はい。まずは頑張って生き抜きましょう。」

「ああ。」


そして、2人が向かったのは最初に待機していた玄関ホールだ。

ここだけはこの館でも真面な場所で普通の作りをしている。

正面には大きな階段はあるが上に行ってもすぐに行き止まりになっており、幾つかの扉の先は壁になっていて進む事が出来ない。

無駄に広いがこの館では一番分かり易い場所なので集まるには最適と言えた。

そして全員が集まり時間になると執事が階段の中腹に登りかくれんぼのルールを喋り始める。


「それでは皆様にルールを説明致しま・・・す。」


しかし、その目がタツトへと向いた時に執事は言葉を詰まらせた。

その顔には驚きが浮かび、部屋の隅に立っているメイドへと向けられている。

だが、既に説明は始めてしまっており、ここで止める事は出来なくなっていた。

執事は内心で舌打ちをすると言葉を続け説明を再開する。


「昼間にも述べた様に皆様にはかくれんぼをして頂きます。範囲はこの館内のみ。失格の条件は相手に触れられてモートと3回唱えられるかゲーム中に館から出た人です。今日は最初の日ですので制限時間を10分とします。何か質問はありませんか?」

「もし、3回唱えられる前に逃げたらどうなりますか?」

「その場合は累積となります。ただし、ゲームが終わればリセットされます。」

「隠れるに際して館内の物は使用可能ですか?」

「何を使って頂いても構いません。こちらもそれに関しては十分な理解をしております。」

「鬼は誰が務めるのですか?」

「それに関しては少し変則気味になります。このかくれんぼでは誰もが鬼になる権利を持っています。ただ、こちらでも鬼は準備しておりますので分母を減らして自分が不利になる可能性をしっかりと考慮してください。」


執事の返答に周囲の視線がタツトへと向くが、追加の言葉で諦めた様に舌打ちをしている。

しかし諦めきれない者も居り、チャンスを狙っているのは1人や2人ではない。


「それでは10分後に開始します。どうぞ好きな行動を選んでください。」


それと同時にそこに集まっていた64人は素早く走り出し、我先にと見つけている隠れ場所へと向かって行く。

その様子を後ろから眺めながらタツトとアケノは最後にこの場から動き出した。


「急がなくても良いのですか?」

「お前があんな説明をするから俺が狙われてるんだよ。確実に隠れた後に襲撃を受けるわ!」

「それは苦労しそうですね。」


そう言って執事は楽しそうに笑うとそのまま目的のメイドの許へと向かって行った。

タツトもそれには気付いていたが、これが命懸けのかくれんぼだと知っているので構っている余裕はない。

そして彼らが居なくなった部屋にはリリス、執事、メイドの3人が残っていた。


「お前が仕損じるとはな。」

「申し訳ありません。」


執事の叱責とも取れる口調にメイドは素直に頭を下げた。

その様子にリリスは表情を綻ばせるとメイドをフォローする様に話に加わる。


「あの男は私にさえなびかなかったのよ。その子では荷が重いのは分かっていたでしょ。」

「しかし、ならば無理矢理にでも連れ込んでしまえば後はこの者の得意とするところでしょう。」

「それでも正面から挑んで負けたのよ。」

「なんと!そんな事が人間に出来る筈がありません!」

「でもそうなのでしょ。」

「はい。あの者は私の体に全く興味が無さそうでした。もしや男色なのではと疑いたくなるほどです。」


するとリリスとメイドはここに居る唯一の男性である執事へと視線を向けた。

それには僅かな期待が籠っているが執事はそれに気付かないフリを全力で行い深く頭を下げる。


「私の経験則からしてそれは無いでしょう。あの者も66番の者に対しては興味を持っている様でしたので。」

「残念ね。」

「残念です・・・。」


するとリリスとメイドは揃って残念そうに肩を落として見せた。

その様子に執事は密かに背中に汗を浮かべると話を変えるべく咳払いをしてみせる。


「ゴホン!それで、あの男の始末はどうしますか?」

「・・・もう一度だけ私にチャンスを下さい。次こそはあの方の贄にしてみせます。」

「やれるのね。」

「もちろんです。お任せください。」

「分かったわ。でもこれが最後のチャンスよ。今回の儀式が終われば100年の大願も成就するのだから失敗は許されないわ。」

「はい。」


そしてメイドは優雅に一礼するとそのまま扉の先へと姿を消した。

それをリリスは見送り小さく溜息を零す。


「あの子は失敗するかもしれないわね。」

「しかし、あの者はこの100年で何百という男を篭絡して殺して来ております。まさかあの程度の若造に後れを取るなど。」

「アナタも私の名前を聞き出されたでしょ。これも大きな失態よ。」

「し、しかし!あれは奴を逃がさないために仕方なく・・・。」


執事は失態と言われ主であるリリスへと慌てて言葉を返す。

しかしそれをリリスが手をあげて遮り、代わりに言葉を続けた。


「そう、仕方なくよ。あなたは知らないようだけど人の中には大きな天命を持つ者が居るわ。そういう者は自然と生きる為の運を引き寄せるものなの。」

「それであの者を最初のターゲットとして1番の番号を与えたのですか。しかし、共にいる女は?」

「あの66番には既に死相が出てるのは気付いているでしょ。だから放っておいてもいずれ死ぬわ。それまでの間はあのボウヤの足枷になってもらうの。」

「それは面白い趣向でございます。私の脳裏にはあの者が涙を流しながら血反吐を吐く姿が浮かんでおります。」

「ええ、私も楽しみよ。」


そう言って2人は笑みを深め静かに笑い合った。

そして時間が来るとリリスは腕を掲げて声を上げる。


「我が名はリリス。契約せし闇の者よ、呼び掛けに応え我が前に現れよ!」


すると床に光りのサークルが生まれ、そこから2匹の異形の怪物が姿を現した。

それらはリリスを見るとその場に平伏し静かに次の言葉を待っている。


「お前たちに命ずる。この館に居る人間を見つけ、生死を問わず捕らえよ!」

「「畏まりました。」」


そして揃って立ち上がると走って館の奥へと消えていった。

その直後には悲鳴が上がりさっそく犠牲者が出た事を知らせてくる。

リリスはその声をBGMにして椅子に座ると執事の準備したお茶へと口を付けた。



その頃、タツトは少し離れた部屋に入り天井を押し上げていた。

ここは以前にも使われた所でノートにも乗っていたが他とは違って一番埃が積もっていた場所だ。

他にもあるが何かしらの手が入っていたり既に誰かが触れた形跡があった。

それにここは数人が纏めて入れる程に広くタツトには好都合でもある。

何故ならタツトの傍にはアケノが居て一緒に行動しているからだ。


「さあ、早く登って。」

「はい。そ、それと上を見ないでくださいよ!」

「分かってるから早くしてくれ。」


タツトは天井裏にアケノを登らせるために下から持ち上げて肩も貸していた。

制限時間があるので急がないといけないがアケノはスカートしか持っておらず、下からだと生足だけでなくその先にある可愛らしい布地までバッチリと見える。

そのためバレない様にそ~と上を見上げると視線を下げていたアケノと見事に目が合ってしまった。


「タツトさん・・・後でお話があります。」

「なら先に中身を見ても良いですか?」

「ダメに決まってるでしょ!」


そしてタツトの目論見は見事に阻止されてしまい後の時間まで掌握されてしまった。

それでもアケノは頑張って天井へ攀じ登るとそこに準備されていたロープを垂らし下へと顔を覗かせる。

それを見てタツトは小さく息を吐き出してロープを登り始めた。


「一瞬だけこのまま天井が閉められるかと思った。」

「そう思うなら乙女の花園を覗こうとはしない事です。そういう事は相手の許可を取ってからしてください。」


この時のタツトの脳裏には土下座をすれば見せてくれるかも、という漠然とした期待が浮かんでいた。

しかし、すぐにその思いは消え去り、天井の蓋に手を伸ばして音もなく元の場所へと嵌めて姿を隠す。

すると僅かにずらされた蓋の隙間から入る光りだけが唯一の光源となりそれ以外は真っ暗な闇に閉ざされた。

アケノはその急な変化に恐怖を感じると傍に居るタツトの手を握り締める。

タツトはそれに気付いて視線を向けるがまだ闇に目が慣れないので見る事は出来ない。

しかしその手からは震えが伝わって来ており、闇の中でもアケノがどんな顔をしているか想像ができた。


「大丈夫か?」

「は・・はい。でも、なんだか怖くて。」

「俺が傍に居るから少しだけ我慢してくれ。」

「はい・・それで、急に蓋を閉めてどうかしましたか?」

「実は外から声が聞こえるんだ。」

「私達は一番遅れて出たのにどうして他の人が!?」

「俺の想像が外れていると良いけど確信がない。だから今は隠れて様子を見よう。」


だがアケノの驚きも当然と言えるだろう。

時計を見ると残り時間は3分もなく、もうじき主催者側が準備した鬼がやってくる。

それがどんな姿なのかはノートにもあったが錯乱した状態で描いたのか幼稚園児並みの酷い絵だった。

どうにか分かるものでも怪物としか見て取れず、真面な情報は得られていない。

そして、外から現れたのは1組の男女で周囲を見ながら部屋に入ると扉を閉めた。

しかし、隠れる様子はなくまるで何かを探しているかのように部屋を嵐始める。


「おい!何処に隠れてる!?」

「出て来なさいよ!」


その声に答えてアケノは蓋に手を伸ばすがそれをタツトは強く握って遮った。

その行動にアケノは驚きの表情を浮かべるがタツトが手を離す気配はない。


「静かに。あいつらは様子がおかしい。それにもう時間がない。」


下の2人は壁を叩いたりしながら隠し部屋を探している。

しかし人の死角とも言える頭上には気付かず次第に焦りを見せ始めた。


「テメー等が結託して俺達を蹴落とそうとしてるのは分かってるんだぞ!」

「そうでないとあの席順も番号もありえないわ!」

「ここで大人しくリタイアするなら許してやるぞ!」

「この部屋に入ったのは分かってるんですからね!」


2人は揃って部屋中に喚くと棚を倒し机をひっくり返す。

しかし、天井は高く机に乗って1人が肩車しなければ届かない程に高い。

彼らの行動は結果としてタツトたちを見つける事を更に困難にしただけだった。


そして時計が静かに時を知らせゲームが開始された。


「どうするのよ!」

「その辺へすぐに隠れろ!」


しかし、この部屋に隠し部屋が無い事は既に確認済みである。

しかも家具は部屋中に散乱し目ぼしい隠れ場所は見当たらなかった。

その時になって初めてその視線が頭上へと向けられ男の顔がニヤリと歪んだ。


「上か。」

「た、タツトさん。」

「静かに。場所の特定には至ってない。」


タツトは静かに声を掛けるとさきほど掴んだアケノの手を優しく握る。

それにこの部屋には天井を調べる手段は物を投げる程度だが天井が外れる場所は1カ所しかない。

それにタツトの耳には既に彼らにその時間が無い事を伝えていた。


『ズルズル・・・。』

「ね、ねえ。何か聞こえない?」

「あ、ああ。」


そして、その音は次第に確かなものとなりこちらへと近付いて来る。

男は額から汗を流しながら扉へと近寄り、そっと押し開けて外を覗き込んだ。


「・・・な、何も居ねえ。」

『バギ!バギ!』

「ヒィーーー!な!なんだ!」


しかし何も居ないと思っていたのは勘違いであり、相手は扉の裏へと既に回り込んでいた。

頑丈そうに見えた扉は蝶番ごと破壊されると男はそのまま扉に引っ張られて廊下へと転がり出て行く。

男は混乱の中で壁にぶつかって停止し、衝撃で上手く動かせない体を起こして顔を上げた。


「ど、どうなって・・・ギャーーー!」

「どうしたの!」

「ば、化物ーーー!」


しかし、男の声はそこまでしか続かなかった。

横から新たに現れた怪物によって首から上を毟り取られたからだ。

その一瞬の出来事に女は理解が追い付かず呆然とするが男の体は血の噴水を上げ周囲へと赤い水溜まりを広げる。

そして、その体も次に現れた何かに連れ去られて姿を消すとその場には血の水溜まりだけが残された。


だが、女は重要な事を失念している。

それは自分が既に怪物たちに姿を晒しターゲットになっているということだ。

これは鬼ごっこではなくかくれんぼである。

鬼はそうでない者を見つけて捕まえるゲームなので彼女はまさに木に吊るされた餌でしかない。


「愚かな女。これが唯のゲームだとでも思ってたの?」

「あ、あなたは・・・メイドの!で、でもそんな・・・その姿は・・ば、化物じゃない!」

「そう、私は怪物。下半身が蛇で上半身が人間。ラミアと言えば知っている者も居るかもしれませんね。」

「た、助けて・・・。」

「私の探している相手ではありませんが、残念ながら見つけた以上は逃がしません。」


そう言ってメイドは蛇である下半身で女に巻き付くと容赦なく締め上げていく。


『バギ!バギ!バギ!』

「きゃーーー!ゴバガ!」

「おっと、いけません。ルールを忘れるところでした。モ~ト・・モ~ト・・・モ~ト。でも、もう聞こえていませんね。」


メイドは女の耳元で甘く囁くようにモートとゆっくりと唱えた。

しかし、その頃には女の体は半分以上が潰れており、先程食べた料理に加え血や糞尿を絞り出されて意識を失っている。

それでも女がまだ生きていられるのはメイドが手加減をして死なない様に調整しているからだ。

そしてその必要がなくなると次の瞬間には女は血飛沫と共に潰され肉片のような姿で地面へと転がった。


「これで2人目。・・・無駄に時間を費やしてしまいました。それで、そろそろ出て来てくれませんか?私はあなたを・・・タツトさんを殺さなければならないのです。もし私に身を委ねてくれるなら今の様に痛くしません。快楽の中で血を吸い尽くし、穏やかな死を約束します。」


その視線は既に天井に居るタツトへと真直ぐに向けられているが、メイドの提案に返事は返って来なかった。

しかし、メイドにもゆっくりと待つ時間は与えられていない。

ここまでに5分の時間が経過しており、それを過ぎれば彼女には手が出せなくなる。

それがゲームをする上でのルールであり、タツトたちと同様に彼女達もゲームに縛られているからだ。

そしてメイドは無理矢理にでも反応を引き出すために次の行動へと移った。

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