第一章 ダンジョン攻略 プロローグ
最新作です。読んでいただけると幸いです!!
世界に唐突に出現した九つのダンジョンと呼ばれる巨大な塔。多くの者たちがその謎に迫るべくダンジョンに挑んだ。しかし、誰一人として帰って来なかった。
いつしかダンジョンは『呪いの巣窟』とも呼ばれ、挑むものも激減した。しかし、ある日たった一人のダンジョン攻略者が出た。そのものは異次元な力を手に入れ自身の実力で王まで成しあがった。その噂が広まった途端、今までのが嘘かのようにダンジョンに挑む者が殺到しだした。
ソロで行く者、パーティーという四人以上で組む団体の者、クランと言う組織に所属して数百という単位で挑む者、さまざまな人が、人種が挑戦した。
だが、成功者はたった一人であった。その事実が数年間変わらずにいた。
しかし、ある男が長年にわたる停止していた時計の針を動かした。そう、ダンジョンを攻略してしまったのだ。
その男の名は.......ルディ。彼は後の世でこう呼ばれた。
『後出しの王様』と.......。
◇◇◇◇
「今日も健在ですなぁ」
ルディは目の前に聳え立つ巨大な塔に変わらぬ日常を感じていた。
「マリアも挑戦してんだろうなあ.......」
マリア。ルディの幼馴染であり、ルディの元パーティーメンバー。マリアとルディは付き合っていたのだが、先日突然振られてしまいそして、いつの間にか帝都最強であるパーティーである『エドルフ』に入っていた。そして、ルディは偶々帝都で彼女の姿を目にするが、そこにはパーティー内にいる男性に向かって笑顔を咲かしていたマリアを姿をルディは確認した。
ルディはマリアのことが好きでしょうがなかった。だからこそ、その笑顔の意味を理解できていた。それは恋する乙女の笑顔であったのだ。ルディはこのとき完全に失恋した。もしかしたらどこかでまだ自分のことを好きかもしれないと思っていた。
しかし、その幻想すら打ち砕かれた。ルディ自身はマリアの足元に及ばないほど弱い。それが原因だとルディ自身でも分かっていても泣かないわけにはいかなかった。ルディは一日中泣いた。それはもう、体内の水がすべて出てしまうかの如く。
そして、泣いたあとは何故かすっきりしたルディは、これからの生きる術を取るべくダンジョンに潜って小遣い稼ぎをすることにした。
そんな生活をし始めて数週間。いつも通りダンジョンの下層で小遣い稼ぎをするため、ダンジョンに足を運んだ。
しかし、ルディはこのとき知らなかった。こんなありふれた日常が、自分の運命を変える日になってしまうとは.......。
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