理屈はどうあれケチつけて立ち去る行動は不愉快です
「こりゃどう見ても角熊だな。ライトグリーンの角が特徴だしな。で、本当にお前達が倒したのか?大体、角熊はここいらには生息してないぞ?森にいたのなら一大事なのだが?」
「熊さんはいたんです!ちゃんと治療を施しました!」
「おい。さっきから聞いてりゃ治療とか言ってるが、本当に治療したのか?!角熊は共謀な肉食だ。人間だって普通に食っちまうんだぞ?危険生物に分類されてるんだから瀕死の状態で出会ったら殺すべきだろうが!!」
急に怒鳴られた件。まあ、僕も精々放っとくべき程度にしたと思うけど。
「どうしてですか!困ったときはお互い様なんです!怪我していたら治療するんです!どうして治療しないで殺しちゃうんですか!酷いです!酷すぎるんです!」
アマミちゃん。言ってることは間違えていないけど、相手は僕らを殺しに来てるからね!
「と言うより、お前が本当に退治したのか?見たところ武器も何も持っていないじゃないか?角熊はBランクの冒険者でさえ数人いないと手こずる位めちゃくちゃ強いんだぞ?俺だって専門書で読んだから知ってるぐらいで戦ったりはしたことはねえぞ?それをまだどう見てもの若造が武器も持たずに牙をへし折ったり角を折って持ってきたり出来るわけねえと思うんだが?どこかで拾っただけじゃねえのか?」
「そうですね…。念のため、鑑定いたしますので少々お待ちください。」
受付の女性は角とかを持って奥へ行ってしまった。男性がなんか言っていたけどあまり聞いていない。僕にして見ればあの熊は全然強くなかったし、だからって誰かに言いふらすつもりもない。強いて言えば売れないかなあ程度である。
「取り敢えずそこのガキ!お前が何言いてえか全くわからねえが、用もないのに治療なんてすんじゃねえ!角熊を人間が治療するなんてくそやろうがするにも程があるぞ!」
その男性はそのまま立ち去ってしまった。どうやら彼らの仲間が奥にいるらしい。仲間達が先程ガミガミ言っていた男性と何か話している。
「プンプンです!あの人は治療してあげないんです!熊さんに食べられてしまえばいいんです!アッカンベーです!」
アマミちゃんが相当機嫌を損ねている。ただ、怒り方が幼稚すぎで怖さが全くない件。むしろ端から見ると若干可愛さもあるんだよね。
「ミズハさん!あんな方はとっととやっつけてください!生き物を粗末にする方は許さないんです!」
また勝手にこっちに振ってきた件!僕は関与しないよ?面倒くさいからね。
「アマミちゃん、取り敢えず持ってきたものを売りに出そう?急にケチをつける人にブーブー言っていてもただの時間の無駄だよ。」
「そうです!私がバカでした!売りに行くんです!」
アマミちゃんはすたすたとギルドの奥の方へ行ってしまった。こりゃ相当機嫌が悪そうである。アマミちゃんは普段からワケわからないことを言ったり勝手に炎上したりしてるけど、大抵は本当に勝手に炎上してるだけである。ただ、今回は半分キレていると言っても過言ではなさそうである。
ただ、若干安堵もしている。アマミちゃんが魔女として魔術師の1000000倍の魔力があるなら怒って攻撃なんてしたら大変なことになる。ただブチキレて文句を言うだけな当たり、ちゃんと自制心は保っているようである。
あー、でも本当は違うのかなあ。アマミちゃん、怪我している生き物がいれば何でも勝手に治そうとするからなあ。魔女が攻撃魔法を苦手とするならアマミちゃんも怒ったときに攻撃魔法が出せないだけかもしれない。まあ、大事に至らなければ何でもいいか。
「色々持ってきたです!どうすればいいですか?!」
アマミちゃんやけくそになってない?引き渡し場の人にいきなり大声で叫んでも困惑するだけだよ?!
「アマミちゃん?ちょっと落ち着こう?手続きは順を踏まないとギルド員の方も困っちゃうよ?」
「これ全部売るんです!」
キノコはどうしたの?!また話が変わってるよ?!
「うん?全部売るのか?ずいぶん量が多いな。」
「すいません。どれが売れるか良くわからなくて色々とってきました。アマミちゃん?このキノコは残すんだっけ?」
「あ、そうでした!忘れてました!ミズハさんナイスフォローです!お礼にそのピンクのキノコを2つあげるんです!」
ありがとうアマミちゃん。毒キノコを2つも先輩にプレゼントしてくれるって…どういうつもりだよ!
「うん?そのキノコは…まあ、ちょっと待ってな。見たところ冒険者初心者みたいだしどれが金になるか良くわかっていなさそうだな。とってきたもの全部並べられても困るから今後のために教えてやるよ。」
と言うことで、持ってきたものの価値を教えてもらった。残念ながら量が多すぎて全く頭に入らなかったけど。
「うんでもって総額は20万Gだな…って嘘だろ?もう一度確認するぞ?えっと…」
20万Gと聞こえた件。食費だけなら2ヶ月は持ちそうな額…素晴らしい!
個人的ですが、私に関与する大人の70%ぐらいは先ほど出て来た冒険者のような性格だと思っています。正論叩きつけて自己満足して帰っていってお終い。だから私みたいなグレた人間が出来上がるんです。




