壁に謝罪をする理論がわかりません
僕はこう言う系の話を聞くと一種楽しさを感じる。所謂謎解き系だ。最も、今回のなぞは結構長年の未解決問題みたいなので突破できるかは分からないが。まあ、調べてみる価値はあるだろう。
「ミズハさん!早くいきましょう!手紙さんが可哀想です!」
手紙がかわいそうってなんか話が変わっていない?!僕は受取人が困るんじゃない?って話をしたよ?
と言うより勝手に走っていかないで!どっち向かって走ってるの!?そっちは出口じゃなくてただの壁だよ?!
「痛いです!壁さんに頭をぶつけました!」
壁に対満を張りに行く何て見たことないよ!?精々ブレーキかけよう?仮に正しい方向に走っていっても扉をぶち破るつもりなのかな?!
「壁さん大丈夫ですか?私は回復したので元気です!」
うん。突っ込み疲れた。放棄する。すると声をかけられた。
「依頼は決まったのか?」
さっきの旦那さんである。
「あ、はい。お陰様で。この依頼を受けることにしました。」
「うん?どれどれ?おお、良心的じゃないか。これなら心配要らなそうだな。」
問題ないらしい。気になる点は腐るほどあるけど。
「よく冒険者成り立ては自身のランクなんて無視して無謀なチャレンジをするやつもいるからな。思い知って帰って来れれば未だ良いがそういう奴らは大抵帰ってこない場合が殆どだからな。」
「僕達はただお金稼ぎがしたいだけですので。別に無茶なことをしたいわけではありません。」
アマミちゃんは人助けのためなら手段を選ばないので困ってるんだけどね。
「あ、そう言えば、この依頼についてなにかご存知の事ありませんか?」
「うん?何か不安なことでもあったか?」
「い、いえ。依頼内容に対して報酬が良いなと思いましたので。受付の方にも聞いたのですが、なんだか受取人がよく分からないとかどうとか。」
「ああ、確かにな。だからそれも魔法使いが絡んでるんじゃないかと噂にしているやつもいるな。」
「これも先程の話に繋がっているのですか?」
「一応な。実際に受けとるやつがいるから誰かがいるとは思われている。ただそれが魔法使いと関連があるのかないのか。はたまた魔法使いではないとか様々でな。噂の一人歩き状態だ。」
色々ややこしくなっているな。まあ、おそらくその魔法使いは誰にも迷惑をかけていないのだろう。害があれば絶対にちゃんと調査されるに決まっている。何もないから誰も調べる気もないのだろう。
それとも違う原因か?魔法使い云々はさておいて、正体がばれた場合には全員始末しているとか。逆に絶対にバレないように何かしているとか。うーん、考えるとキリがない。実際にいけばなにかわかるかもしれない。まあ、それでわかったらこんな多種多様な噂なんかないと思うけどね。
「アマミちゃん。行こう?って何しているの?」
「はい!壁さんが欠けてしまったようなので謝っているんです!」
欠けた?!そんなに強くぶつかったの?!
「え、アマミちゃんは大丈夫?怪我していない?」
「この通りピンピンです!壁さんが痛がっているんです!」
「えっと、壁の声が聞こえたりするの?」
「分かんないです!ただ聞こえたことにしているんです!欠けてしまったって泣いているようにしているんです!」
駄目だ。この子の頭についていけない。諦めよう。
「壁さんは許してくれるって。だから次行こう?ほら手紙が遅くなると受取人も困っちゃうよ?」
「は!?忘れていました!手紙さんが可哀想です!でもその前にまだ壁さんに謝罪をし終わっていないんです!」
「えっと、どれぐらいかかるの?」
「後30分です!」
待ってられるか!!!
「アマミちゃん。僕の背中のそばに来て?」
「こうですか?」
「うん。それじゃあよいこらせっと。」
面倒臭くなったので背負って連れていくことにする。
「あわわ!ミズハさん!まだ壁さんに謝っていないです!」
「うん。後にしよう。じゃあ出発するよ。手紙を届けなきゃ。アマミちゃん、手紙が届かなかったらアマミちゃん嫌だよね?」
「手紙さんが可哀想です!ミズハさん、行きましょう!壁さん、ごめんなさい。また後で来ます!」
今もう謝ったよね?もう行く必要ないよね?!と言うより壁に30分間も何を謝罪するの!?!?
「お、出発するのか。アマミ大丈夫か?なんだかキョロキョロしているが…?」
「凄いです!ミズハさんよりも背が高いです!もっと上から色々見てみたいです!」
「すいません。現状この子色々興奮しているみたいなので無視して頂けないでしょうか。」
「お、おう…まあ、気を付けてな。私はもう家に帰るからもうここには来ないが、今後冒険者としてなにか困ったらいつでも来てよいからな。」
「ありがとうございます。私達はここで稼げた後また旅を続ける予定です。ただ、またこの村に来る機会があればお伺いしますのでそのときはよろしくお願いします。」
「気を付けてな。」
「行ってきますー!ミズハさん、ゴーです!」
僕は馬か!まあ良いや。出発しよう。
実質、この村から出てしまったらもう二度と戻ってくることはないと思う。万一来ても余程の事がない限りあの夫婦の家にも依らないだろう。別に不満があるとかそういうわけではなく、僕の記憶力が悪いからだけである。
あ、でもお礼の謝礼金ぐらいは渡したい。少なくとも2泊もさせてもらって何も渡さないのは失礼に当たる。と言うより変に借りを作ると後々揉める原因に成りそうなのでとっとと返したい。今はお金がないけど。




