どうしてもう餓死フラグが立っているんですか?!
「うわーん…歩き疲れました!!!」
「そ、そんなこと言われても…」
僕らは現状旅の途中。まあ、大体故郷から出てそろそろ1週間近く経つ。厄介なのは、食料確保のためのお金は持ってきたんだけど…まあ、故郷の都合上で1週間分が限界だったんだよね。移動手段用とか宿泊費は全て0。もう何回野宿に費やしたかわからない。うん。
「ミズハさんー。何処かに泊まるところはないんですか!!」
「………」
いや無いから!僕だって野宿ばっかりは嫌だから!
とはいってもなあ…お金がない以上どうしようもない。アマミちゃんには何も伝えていないし…伝えるとなにするかわからないんだよね。あの性格だと。
「…あ、見てください!何かが見えます!」
「うん?あれは…村かな?」
村ならラッキー。食料を買える。持ち歩くとかさばるので、今までの通ってきた町や村でも最低限の食料しか買っていない。
後、アマミちゃんのよくわからない能力でそこら辺に生えている植物系のものは食べれる食べれないがわかるらしい。どういう能力だよ。
まあ、その縁もあって辛うじて食だけは繋いでる。他?知らないそんなものは。
「ミズハさん!!あそこなら宿ありますよね?泊まれますよね!」
「あー、仮に寄ったとしても…少し情報収集したらすぐ出掛けるよ。」
「どうしてですか!たまにはゆっくり休みたいです!!」
無理だよ!お金がないんだよ!どうしてこうなったのかわからないんだよ!
あー、もう…この旅は地獄になることは目に見えていたのに…どうしてアマミちゃんついて来ちゃったのかなあ…。
「まあ、食べ物を買う都合があるのと…後、何処かで稼ぐ必要性があるかも…」
「稼ぐってなんですか?」
ちょっと待とうか?
「え…ほ、ほら…宿に止まるならもう少しお金が欲しいかなって…」
「ずるいです!お金欲しいです!」
意味わかってるのかなこの子?アマミちゃんは色々頭が残念な子だからね。もう諦めたよ。
「まあ、どっちにしてもあの村か何かで情報収集は必須だよ。このままじゃ僕達旅だけで死んでしまう。」
「ギャー!嫌です!死にたくないです!村を制圧します!!」
意味わかんねえよ!制圧?What?
とかなんとかいってるうちに、到着した。やっぱり村みたい。それほど大きいとは言えない。…宿はまだしも食料を収集できないと流石にヤバイ。雑草だけの食事じゃガチで死ぬ。
いや、厳密には野生生物もいるのでそれを狩ると言う荒業もあるのだが…狩ることが出来てもどう食べればいいのかわからない。アマミちゃんも動物系の毒の有無は微妙らしいのと…料理する道具なんて持っていない。更に、そもそもアマミちゃんが…
「動物さんを殺しちゃ駄目です~!!」
呑気なこと言ってるんだもん!ベジタリアンかよ。第一先日の夕食平気で豚肉食べてなかった?
まあ、そんなこんなでお金不足も込み…今日が最後の買い物になりそう。何かで稼がない限り。
「じゃあ、とりあえず食材を売ってるところを探そうか?」
「はい!宿も探します!行ってきます!」
って勝手にいかないで!!全くもう…。いつもこうなんだから。
それにしても、既に僕は栄養失調気味…もう走れない。あの子の元気はどこから来るんだろう?
あー、と言うかもうなんか住人取っ捕まえて聞いてるし…僕には真似できないよ。あの子のコミュ力どうなってるんだろう。
…うん?何か話し込んでいるみたい。行ってみるか。
「見かけない子だね。どこから来たんだい?」
「はい…何処からでしょうか?」
「え?」
あ、そう言えば…僕の故郷ってどういう土地の名前なんだ?まあ、とりあえず会話に参加するか。
「あ、僕達は結構遠いところから来まして…1週間位歩いてここまで来ました。」
「1週間!?それはまたずいぶん遠くから…旅のものですかい?」
「そんな感じです。あの…何処かに食料を売っているところはありませんか?最近雑草ぐらいしか食べてなくて…」
「え?ちょっと待て。旅するならば食べ物ぐらい…」
「既に尽きました。持っている限られたお金で町や村を通る毎に補充していたのですが、もう限界のようです。
まあ、ここで最後に何か買った後…何か稼げれば良いのですが、無理でしたらまた雑草暮らしを続けながら次の村か町に向かおうかなと。」
実際もう限界が近い。そもそも論僕は生きることさえどうでもよくなりつつある。だから旅に出てこっそりとか思っていたのにアマミちゃんがついてきてしまった。彼女を巻き添えにするのは本当に申し訳ない。