白黒(2−4)衣装 軍隊 熱狂
その後、昼食を食べ終えたスノウとフログは、ほかの生徒たちと別れ、更衣室で着替えたのち、闘技場へと向かった。
着替えるのは、この学院で『能力測定』や『能力の模擬戦』を行うときに用いられる専用の衣装で、体の急所を守る箇所にはプロテクターがあり、さらには体の動きを邪魔しない作りになっている、この国の軍隊の戦闘服にも用いられている。
ただまあ、この学院では「あくまでも『能力測定用』としてこの服を用いる」ということで、能力の発動状態、能力の種類に応じて服装全体が光り輝く仕組みや、一定を超えるダメージを計測したら自動的に『防御結界』が発動するような仕組みが取り付けられている。
これらの改造により迷彩効果は失われてしまうし、結界が発動すると全く身動きができなくなってしまうというデメリットがあるのだが、機動力に関しては全く落ちないし、構内で行われるのはあくまで模擬戦なので、そこまで高い防御力は必要とされていないということなのだろう。
「うぅ〜、なんかこの服、動きやすすぎて動きにくいんだぞ☆」
「そうですね〜、私もこの服を着るのは初めてなのですが〜、これから先着る機会は多いと思いますのでなれるしかないのでしょうね〜」
二人が言うように、この服は慣れていない人がきると違和感から全力で行動ができなくなる。
軍隊で用いられている服装と同じタイプの服装を用いるのは、「この服を子供の頃から慣れさせておく」目的もある。
「それでは〜、私たちは闘技場に向かうことにしますか〜。 フーちゃん、ついてきてください〜」
「了解だぞ☆」
そうして二人は闘技場に向かい、そして闘技場の入り口の扉を開くと・・・。
「さあ! 今回注目の二人が入場です!」
「「「ウオォォォォォォォ!!!!!」」」
なんか大ごとになっていた。
自分たちのクラスメイトがエイジ教員と一緒に一角に集まっているのは確認できたが、それ以外にも、この学院の教員や、午後からの授業は『自由活動』となる上級生、さらには午後の授業をエスケープしてきたと思われる同級生も大勢いて、闘技場の観客席はほぼ満席の状態だった・・・。
「それでは、選手の紹介を行います! 一人は、皆さん『スノウ・テンペスト』でお馴染みの、スノウさんです!」
「「「「「ウオォォォォォォォォ!!!!!」」」」」
「「「「「キャーーーーーーーー!!!!!」」」」」
「ス、スーちゃん・・・、すごい人気なんだぞ☆ すごいんだぞ☆」
「い、いえ〜、多分あれは、なんかそんなノリになってるから叫んでいるだけかと〜・・・」
「そしてもう一人は、なんと! 今日転校してきたばかり! で、ありながら、同時に『クラス・ゼロ』への編入を果たした! フログさんです!!」
「「「「「ウオォォォォォォォォ!!!!!」」」」」
「「「「「キャーーーーーーーー!!!!!」」」」」
「ほら〜、フーちゃんもすっごい盛り上がってますよ〜。 手でも振ってあげたらいいんじゃないですか〜?」
「い、いや、やめておくんだぞ☆」
「確かに〜、それが賢明かもしれませんね〜。 とにかく〜、今はあの観客たちのことは無視しておくことにしましょう〜」