白黒(2−3)昼食 雪嵐 昼食
「スーちゃん、フログちゃん、私も一緒にお昼ご飯をいただいてもいいかな?」
「私も! 私もフログちゃんと一緒に話をしたい!」
「「私も!、 私も!!!」」
授業終わりの鐘の音がなると同時に、クラスの女子達がスノウとフログの元に殺到した。
ちなみに男子達は『女子の結界』のせいでフログに近づくこともできず、スノウの隣の席の少年も、今や輪の外に追い出されてしまっている。
「もちろんです〜、フーちゃんはお弁当は用意していないようですので〜、今日もみなさんで食堂に行きましょう〜」
「わかったんだぞ☆ スノウちゃんに任せるんだぞ☆
みんなも一緒にショクドーに行くんだぞ☆」
「「「はーい!」」」
ぞろぞろと、ワイワイガヤガヤと、女子十数人の集団が食堂に向かって移動する。
時折無駄に走る子がいたり、こけて泣きそうになっている子がいたかと思えば、その子を優しく慰めている子もいる。
先行して席の確保や料理の注文を行う子もいれば、さりげなく全員分の教室の机を整理してからのんびり向かう子もいる。
「だから、廊下を走るなと、いつも言っているだろうがー!」と声を張り上げる先生を、無視して走り回る少女もいれば、振り返って「ぺこり」とお辞儀をしてそのまま走り去る子もいる。
かと思えば、ゆっくりと歩きながら、通りがかった全ての教師や生徒に「こんにちは」と挨拶をしながらのんびり歩く無駄に礼儀正しい子も何人かいる。
基本的に『クラス・ゼロ』の生徒は自立している子供が多いため、親から弁当などは渡されていないため、この食堂への『集団移動』は毎日のように行われているうえ、『クラス・ゼロ』の教室は食堂から離れた位置にあるため、多くの人の注目を浴び、今や半ば『王立学院』の名物と化している。
その中心には常にスノウがいることから、この集団移動のことを『スノウ・テンペスト』と呼ぶ人も、いるとかいないとか・・・。
この集団の中心にはいつもスノウだけがいて、今日はその隣にフログも歩いていた。
「スノウちゃん、私、ショクドーって場所に行くのは初めてなんだぞ☆
とてもとても、楽しみなんだぞ☆」
「そうですか〜。 まあ普通の食堂なんですけどね〜」
フログとスノウは、出会ってまだ1日だというのに、すでに仲良くなっていた。
本人達は「自分たちは実は姉妹である」などとは予想すらしていないのだが、それでも周りからみると「姉妹のようになかの良い」と形容できるぐらいに仲の良い友達に見えたことだろう。
まあ、実際にところは姉妹なわけだが。
二人が食堂の空いている席に座るとすでに全員分の料理は用意されていて、スノウとフログの席の前には『日替わり定食』が並んでいた。
「それでは皆さん〜、いただきましょう」
「「「「「いただきます(だぞ☆)」」」」」