さよなら、我が一生
20XX年、4月4日の誕生日に私は16年というめちゃ短い人生の幕を下ろした。死因は事故死である。
事の始まりは、誕生日ということで親友達と遊びに出掛けたことだ。イマドキのシャレオツなカフェでランチしたり、プリクラしたり、カラオケで好きなアニソンとかキャラソンとか歌ったり。最後は愛してやまない乙女ゲームのグッズを買う為にアニ命投へ行った。
ゲームのタイトルは『セカコイ〜The world loves〜』という神が創造した神の如く素晴らしい神ゲーなのだ。日本や世界の偉人達が学生となって転校生の主人公と恋に落ちるという学園ラブコメなのだ。が、このゲームにはライバルや悪役が存在する。まあ、彼等がいなければ乙女ゲームとして些か物足りないだろう。ああ、話がだいぶ逸れてしまったようだ。命投で私はセカコイの新商品グッズと続編を購入した。親友達からはセカコイの新キャラソンCDと限定ストラップを貰った。アレはもう本当に昇天しそうだった。けれどそれがまさか現実になるとは思いもしなかった。
帰りは親友達とセカコイについて熱ーーーーく語り合いながら帰路についていた。語り合い過ぎて、私達は信号が赤だった事に気付かないまま渡ろうとしていたのだ。その時、猛烈なエンジン音が聞こえた。いち早く気付いた私は、めがけて突進しようとする違反車から、本能なのか反射なのかはわからないが、親友達を力一杯に、歩道近くに突き飛ばしたのである。それから私も行かなきゃ、と思っていたのだが。
「あっ____________________」
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と、いうことだ。理解していただいたかね。アンダースターン?いいかね、それが私の『前世』だ。前世、ということは私は新たな生を貰って、生きているということだ。しかも今思い出すとかいう何処ぞの転生夢小説か、というオプション付きでな。
私はヴェチノスト帝国という国に転生し、第2の人生の名前は『バートリ・エリザベート』という。ヴェチノスト3大貴族バートリ家の娘に生まれ、何不自由なく過ごしているのだが.......って、ヴェチノスト帝国!?バートリ・エリザベート!?
これ____________________セカコイの悪役令嬢じゃねえかよ!マジかよ.......。
バートリ・エリザベートは主人公に対して残虐で陰湿ないじめをして攻略キャラとの仲を邪魔する悪役令嬢なのだ。やることが徹底している為、セカコイは17歳未満禁止のゲームでもあるのだ。エリザベートは、容姿は色白で白銀の美しい長髪に、鮮血の様な真紅の瞳をした美少女なのだが、親戚や身内は冷めており、孤独感を紛らわす為に使用人や下級貴族の娘達にひどい暴力行為を行ったり、気に入らないことは徹底的に潰す、とんだ悪女なのだ。それでもって美しいものが大好き。
彼女の末路はバートリ家の滅亡+流刑、または牢獄死。当然といえば当然だが、今は前世の私が彼女なのだ。島流しとか牢獄死なんて嫌だ!よりにもよって20代を迎えずに死ぬなんてもっと嫌だ!あ、ちなみに流刑になっても彼女は不衛生環境による感染病で18歳で亡くなる。
エリザベートに何度邪魔されたことか...。セカコイに転生できたのはマジで俺得だ。しかし、よりにもよって悪役令嬢とかマジで何処ぞの転生夢小説かって。
現在、私は6歳である。セカコイの話が始まるのは16歳から。16歳になると3年間寮暮らしで国立シュラクティッツ学園に通わねばならない。ゲームだと1年間で終わる。だから続編が出るのだが。
エリザベートの暴虐が始まるのは7歳から。だからまだ使用人達は傷ついていない。あっぶな。これからは気をつけよう!そして死亡ルート、フラグをポ○キーの如くへし折ってやるぜ!
「よーしよしよし!いくぜコンチキショーめが!!」
「お嬢様!?」
先程までの淑やかさと女王様口調が一変して、ゴロツキの様な叫び声を上げたエリザベートに使用人達は目が落ちそうな程目を丸くさせたとか。
どうも。はじめまして。岼湖 累と申します。なんだかこの小説はドキドキしました。こういうラノベ風な小説は初めて書くので。どうぞよろしくお願いします。