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辺境伯ご令嬢は斜め上の日常を歩む  作者: 黒鶺鴒
ローズガーデン編
14/45

第14話 3時のおやつのついでです

すこーし短めです。


 宰相からルナディ管理官へそこからサンディそしてラヴィアンへ通達があった。


 今後1週間~10日に1度程度、午後の軽食に王様がこちらへ来られる、と。


 ふーん、行動力あるじゃん王様。図らずも胃袋をつかんでしまったのかな? いや、スコーンだけでそれはないか、まぁどっちにしろ革新的な王様で助かったけど……私が作ったってばれたくないなぁ。


「がんばってくださいね?サンディさん」 キラ☆


と振ってみたものの青い顔して縋りつかれた。王様に出す食事、軽食と言えどもそれを作るなんてことは光栄通り越して恐れ多すぎて作れないと言われた。

    

 まぁ軽食?3時のおやつ的な物なら自分用に作るのはやぶさかでない、そのついでに作ってもいいかな。


「つ、ついで……陛下の軽食をついでとか……」


「だって私料理人じゃないもの、作る義務ないわよ?」



 ラヴィアンには特に王族を尊敬する何かがあったわけでもなく、ただ、この国の王様です。そうなんですか、へ~、という感想。貧乏サリスフォード家への手助けも何も無く税だけを取られ、まぁ当たり前ではあるのだけど、

 どちらかというと 


 王族だからってなにしたっちゅうねんっ。王家に生まれただけやんけっ!悔しかったら働いて金かせいでみろっ! 

 

 っていう、日本に暮らしていた頃から冷めた考え方だったのだ。

    

 そうはいっても王様もそんなに暇ではない、毎日というわけではないとのことでラヴィアンもいつものごとくまぁいっかの精神で、ついでに作って差し上げてもよろしくてよ?おーほほほほ。と悪役令嬢ばりに心の中で遊んでいた。





   そして数日後モウ生産者の奥さんがやってきた。



「この上澄みの濃い部分だけですか?」


 

 バターを作る為に搾りたてのモウ乳を仕入れていたらモウ乳が余りまくる。なので生クリームの部分だけを仕入れたいと相談した。 殺菌はどうするか悩んだが目の前で殺菌方法を伝授して覚えてもらい、今後は生クリームとモウ乳を別に仕入れることで了承してもらった。

 なんせ王様も口にするものなので念入りに殺菌をお願いした。王様を盾にビビらせたともいう。 

 ついでに、殺菌すればお腹を壊すことが少なくなるとも教えた。どうしても体質に合わない人は壊してしまうのでその辺の注意も添えた。

 モウの生産者はモウ乳を売るために育てているわけではないので売り出すほど乳が取れないらしい。ローズが仕入れる位がなんとか回せる量だとのこと。肉にして売るためには子モウを乳で育てないといけないからね。

 バターまで作って貰おうか考えたが最初からあれもこれもだと手が回らなそうなので今回は見送った。

 そのうち厨房の面々の腕が筋肉でパンパンになる未来が見えたけど、そこは笑っておこう。フフフフフ。




     ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 そしてローズに来て3週目に入った。



 この世界は十日で一区切りという考え方でひと月は四十日、一年が十ヶ月、一の月、二の月と順番に呼んでいる。 大変わかりやすい。



「今日はダンスと作法だったっけ?今日もテキトーにやり過ごそう」


 ダンスフロアに着いてみれば今日も煌びやかな面々がフロアの周りに設置してある椅子に鎮座ましましている。


「ごきげんよう皆さま。本日は先週のおさらいで一人ひとり踊っていただきます」


 ダンスの先生ことファルシー先生が何やら試験です的なことを言い出した。


「そしてラヴィアン様」


「はい?」


 びくっ! いきなり呼ばれてびっくりした。何?なにかやったっけ?私


 「あぁ、特に注意とかではございません。手伝っていただきたいのです。こちらで一人所用で欠席がでまして、お相手する方の手が足りなくなったのです。ラヴィアン様はほぼダンスはできていますし上背がありますので本日は男性役をお願いしたいのです。3~4人のお相手をお願いできますか?」


 あー、びっくりした。そんなことならおやすいごよう。


「ええ、かまいませんが一つよろしいですか?」


「ええ、なんでしょう?」


「踊りやすい服装に着替えてきていいでしょうか? ドレスに足をかけて転倒させてしまっては危ないと思いますので」


 ドレス対ドレスで向かい合ってダンス、先生達と違って慣れていないラヴィアンではドレスに躓いてひっくり返る未来しか想像できない。


 踊りやすいドレスとはどのような物か首を捻っていた先生だったが、


「そうですね……、それではよろしくお願いします」


「急いで着替えてきますので先に進めてください」



 急ぎカリサと共に部屋へ戻る


「まさかっ!お嬢様……」


「なによ、丁度いいじゃない、いつ着ようか我慢してたんだから」


「荷物をほどいた時に目を疑いましたけど……、着るつもりだったのも予想はつきましたけれども…、せめて……お部屋だけにしてほしかったとっ」


 カリサが嫌々もたもた用意しているので、


「カリサ、皆様お待ちです」


「うっ……」




「よし、あー動きやすい~」


 カリサがまだブツブツ言ってるけど、キコエナイ、キコエナイ。


 一応礼服を選んでみたんだけど


「礼服だろうがなんだろうがドレスでなければ一緒ですっ! わかりましたっ、お忍びの仮装と思うことにしますぅぅぅぅ」


 何も泣かなくても……、こっちとしたらドレスの方が仮装大会だよ、毎日毎日ピラピラピラピラ。



「いいから髪の毛後ろに結んで」




 


最近肩こりが酷いのです


このような自己満足の物語に評価やブックマークをしていただき大変感激しております。

この場を借りてお礼申し上げます。


ラヴィアン: お礼にプリンでもあげとく?


カリサ: お嬢様 無理です。 それに日本には美味しい物が沢山あります。プリンごときで・・フ


ラヴィアン: 失礼ね(怒) ごときってなに プリンに謝れ

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