一人目
突然だが、俺にはすっげー美人な妹がいる。百人中百人が美人と思うくらい美人だ。
言っておくがシスコンではない。もし、兄でなかったら、惚れていただろう。それだけ美人なのだ。これでもシスコンだと思うのならば、これから先は見ない方がいいな。なにしろこれは『勝稀と仁奈のラブラブ日記』だからな!
「……兄さん?何、気持ち悪いこと言ってるの?」
え?
「そ、それは、どういうことだ?仁奈。」
「もしかして、気づいてなかった?今まで全部声に出てたからね。」
「な、なにぃ!?」
「それより、『勝稀と仁奈のラブラブ日記』ってどういうこと?」
「あッえっとぉ、それはぁ………お前が美人過ぎて頭がおかしくなったんだよ!」
「………兄さんが頭おかしいのは分かってたけど、何故私のせいにするわけ?」
「え、いや、だから、仁奈が美人過ぎて……」
「あぁっもう!美人、美人てしつこい!」
ガーーーーン
「し、しつこいだなんて……」
「兄さんッ…プッ…クク…しつこいって…プッ」
「佑一!」
「クク……確かに、姉さんは美人だと思うけど、兄さんは口に出しすぎ。そりゃ、しつこいって言われるわな。ハハッ」
クソッ佑一め。