おまけ1
白い雲を縫って君のためのベールを贈りたい。
オーダーメイドの最新作は君のために。そう囁いたら軽く叩かれた。
今、君とは別居状態。
挙式後にまた一緒に住もうと言われた。
「まだ、距離をとるのか?」と言う僕の苦情を君は聞き入れなかった。
けっこうごねたんだけど。君はツンとして聞き入れてはくれなかった。
それでも君のそんなところも悶えれるぐらい大好きだ。
「あのさぁ、会う日以外残業って体壊すなよ?」
「わかってるって」
夜、家飲みに付き合ってくれている友人に向けて笑う。
それでも新婚旅行とか、その他もろもろのイベントにうまく休めるように軽く準備をしておきたいのも本当なんだ。
『休むな』なんていわれたら『やめます』とか言い出しそうな自分がこわい。
それに巻き込まれる同僚だって堪ったものじゃないだろうしな。
そろっとこぼせば友人にも殴られた。
「主夫にでもなる気か。彼女はきっちり稼ぐだろうけどな」
確かに彼女は仕事が好きだ。成果が出るのを楽しんでたと思う。楽しいよな。成果が見えると。
「はは。確かにそうだな。でも、僕がきっちり養いたいと思ってるよ。そこはあまり譲りたくないね」
彼女に関してはプライドはあってもなくてもいいかなとも思うけれど、稼ぎって言うのはギリギリ譲りたくないポイントでもある。
ああ、
「彼女にラッピングリボンの指輪を贈りたいよー」
可愛くあの手を指をラッピングしたい。
「ロマンチック、か?」
若干引き気味の友人の言葉に軽く笑う。
「ロマンって言うよりは、」
そう、浪漫というよりは、
「言うよりは?」
「だって一緒にいたいから。離れたくない。そう、本当は縛り付けて閉じ込めてしまいたい。それをしない僕のこの自制心!」
ただ一緒にいたいんだ。彼女を常に感じていたいんだ。僕の独占欲はそう、確かに強いんだと思う。自由にいて欲しい。それでもやっぱり束縛もしたい。それもこれも彼女にだから抱ける想いだとは思うけど。
そんなことを思ってる横で友人がなぜかむせている。
「大丈夫か」と問えば頭をつかまれて軽くゆすられた。
「普通だ! そんな行為、それは酷すぎる! 絶対にやめろ!」
あんまりにも一所懸命な友人の姿に僕は頷けないながらも『わかった』とだけ答えたのだった。
そのあとの記憶はない。
アルコールを入れた頭を振られて酔い潰れたらしかった。
あ。使ったお題のコピペ紛失。