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ランタンたちが中心となり、研究者も巻き込んで十重二十重と探索者たちが周囲を取り囲んだ車座ができあがっている。
そこでは食事や酒が振る舞われ、だが悪酔いしているものは誰一人居らず、隣り合う者同士の語らいは声を潜められていた。
この迷宮の最終目標は二名の探索者ギルド実行部隊と五名の探索者の命を呑み込んでいる。
「それだけじゃなくて、この都市の住人の命を呑んでいるんだよ。ほら、ここに書いてあるでしょ?」
ランタンが手帳を開き迷宮文字を見せつけるが、研究者は唸るばかりだ。取り囲む探索者の一人が、読めねえよ、ともっともな野次を飛ばす。
「しょうがないなあ」
ランタンは野次を飛ばしたやつを睨み付けて黙らせ、大仰な咳払いを一つする。
迷宮ギルドはこの都市の研究を進めており、いくつかの仮説を立てていた。
この迷宮の最終目標は、この都市の王である。
それは人型の騎士と金属の巨馬の二体からなり、おそらく騎士が主、馬が従の関係になっているが、確証は得られていない。この王を騎士王と称する。
この迷宮都市は外敵と戦争中であり、周囲を囲む高い壁や、空間の転移は敵の侵入を拒むためのものであり、家々に取り憑く守護霊たちはこの都市が武力国家であることの証明であり、王であり騎士である最終目標がその裏付けであった。
そして騎士王が打ち倒した探索者を使役したというのは死霊術ではなく、討ち取った敵を守護霊とするこの迷宮の文化の一つだ。
かつて地上の砂漠にもそういう国家があったようで、研究者たちはこの迷宮はその歴史を汲んでいると考えていた。人の意識が強く影響した迷宮である、と。あるいは迷宮が人の意思に影響を受けることを証明するものであると。
「人の意識云々はある程度同意する。けど歴史が違う」
張り巡らされた壁はむしろ住人を逃がさないためのものであり、空間の転移はこの最深部へ誘導するためのものである。
ランタンは地図を広げた。転移は複雑で、だが最深部へ至る経路は複数ある。彷徨い続ければいつかやがて、この場所へ辿り着く可能性は少なくない。ただ元いた場所へ戻ることは困難だ。そういう構造になっている。
「この迷宮の構造は蟲毒みたいなものだよ」
「蟲毒……?」
探索者も研究者もそれを理解したものもいれば、しないものもいる。
「呪術の、それでしょうか。毒虫を殺し合わせ、生き残った一つを鬼や呪いとする」
アデルはそれを理解したようで、誰かが余計な口を挟む前にランタンに確認を取る。
「うん」
ランタンは頷く。
そもそもこの迷宮に限らず、迷宮そのものがそれに近いかも知れないとランタンは思ったが口には出さない。探索者は蟲毒を生き抜いたものたちであり、ならば自分はずいぶんと多くの命を呑んできた。
「王さまは玉座を血に染め自らを鬼とした。力を求めた理由はわからない。あなたたちが言う外敵と戦うためかもしれないし、そうじゃないかもしれない。手段と目的の逆転かな。とにかく、そんなこんなで王さまと神殿は敵対していて、神殿は王さまの力を削ぐために死神を呼び出して、住人をその贄とした」
ランタンがそう言うと、寝物語を聞く子供のような顔をしていた探索者が一斉に頭を抱える。
「ちょ、ちょっと待て。じゃあなにか、この都市に住んでた奴らはどちらにしろ殺されたってことか?」
「まあそうだね。王さまを強化するぐらいなら、死神にくれてやれって」
身も蓋もないランタンに、探索者は呻き声を上げた。とんでもない裏切りにあったようだった。
「はあー、なんてこった」
乾いた笑いが漏れ聞こえたかと思えば、半ば本気で憤っているものもいる。研究者はさすがに冷静で、ランタンの意見を書き留めていた。
「じゃあ、あいつがいいように使われてるのはどういうこと? その話が本当なら、まだ死んでいないのじゃないの」
ピレアがランタンに詰め寄る。
「どういうことかは知らない。でも死んではいるだろう。身体に穴が空いてるんだから。あれで死んでなかったら、それこそよからぬものになってる」
まだ諦めきれないのだろうピレアに、ランタンははっきりと言った。可能性のない希望は、ただ哀しみを増すだけだ。ランタンの力を肌身に感じたピレアは抗うことなく、一瞬浮かんだ苦悶の表情をすぐに打ち消し、項垂れるように頭を下げた。
「お願い。あいつを解放してあげて」
「結果的にはそうなるよ」
素っ気ないランタンの言い方はむしろ心強かった。
「でも身体が残ってるってのは気になるな。他の未帰還者たちはダメだったわけだろう?」
ううん、とランタンは頭を抱えて唸る。知恵熱を出しそうなランタンの額をリリオンの手が冷やした。
「違いは何だろ」
未帰還となったものの性別、年齢、人種構成にはばらつきがある。その中からたった一人だけ肉体を残された理由を、もしも解明できれば最終目標討伐の助けになる可能性もあった。
「それって必要なことか?」
「……知らないよりはいいだろう」
「ま、そうか。情報はそうだよな。んで、ランタンの考えとしては、それはどうやったら判明するんだと考える?」
「そうだなあ。手っ取り早いのは中に二人以上が入って殺されてくるのを十回ぐらい繰り返すのを観察する」
ランタンが半ば冗談でそう言うと、探索者は先程とはどこか違う、悩ましげな呻き声を上げる。
「そうか、ああ、どうしようかな。まあ、死んできてもいいぞ」
探索者の一人がそう言うと、それに同調することがちらほらと上がった。口調は軽いが、冗談ではなさそうだった。反対意見も上がるが、揶揄するような響きはない。作戦の一つとして、死が必要かどうかの話し合いだ。
迷宮探索においてそういう状況はなくはない。例えば前衛戦士は集団を生かすために死ぬことも職務のうちであり、後衛であっても状況においてはその選択を取り、あるいは個を生かすために、集団が全てを投げ打つことだってある。
ランタンの瞳が冴え冴えとした光を帯びる。挙手したものを射貫くように見据える。
「話聞いてなかったのか? 死んだら王さまが強化されるって」
「それはどっちを取るかって天秤の話だろ? 結果として七人分の命を呑んで、それほど強化されたとは思えない。なら情報はあった方がいいだろう」
「だから死んでもいいって?」
「探索者だからな。迷宮攻略に使えるんなら命も使うさ」
生命の価値が著しく低い、というだけのことではなかった。そして覚悟の強さだけの話でもない。
この場の中心にいるのが、あるいはランタンではなかったらそう言う意見は出てこなかったかもしれない。周囲を強制的に巻き込んでいく、喜びとともに死地に駆り立てる圧倒的な気配を少年は有している。
それは英雄の資質だ。
「僕は、僕の探索で未帰還者は出さないよ」
ランタンはそう口にした。神殿で今朝、失われたばかりの命が思い出された。寝食をともにしたわけでもなく、ただ同じ建物の中にいただけのことだ。だが、それでもランタンは少し悲しく、悔しく思っている。
もしも皆と一緒に雑魚寝でもしていれば救えなかった命ではない。
ランタンは手をつけていなかった食事にようやく手をつけ、周囲が見守る中で黙って咀嚼を繰り返す。
人当たりがよくなったとはいえランタンは探索者にまだ未知の生き物のように思われている。しかしそれでも迷宮でランタンと肩を並べたいと思う探索者は多かった。
いつもより長い咀嚼にリリオンは心配そうにランタンの顔を覗き込む。
頬を膨らませてずっともぐもぐと口を動かしている様子は、妙な愛嬌がある。手を出せば噛み付かれるが、思わず触れたくなるような。
ごくんと飲み込んで、ランタンは再び料理を口に運ぶ。口いっぱいに頬張る。リリオンもそれにつられるようにして料理に手を伸ばし、誰かが半信半疑にぽつりと口にする。
「なあ、ランタンって実は良い奴なのか?」
「――死にたいなら勝手にすればいい。それだけだよ」
料理を飲み込まぬまま吐き捨てられたそのひと言は紛れもなく照れ隠しに違いない。
戦うものは眠り、それ以外は寝ずに観測を続ける。
最下層内への侵入は誰にでも出来るが、生還は難しい。だが戦闘を放棄し最初から戻ることだけを考えた時、迷宮最深部を任された探索者たちならば難しくとも不可能なことではない。
魔道ギルドの依頼の域を超えた情報収集は、彼らが自発的に行ったことだった。魔精の霧越しに観察することと、内部に侵入して実際の目で観察することは大きな違いがある。
なによりも最終目標が探索者を前にした時の振る舞いを確認できることは大きい。
ランタンが目覚めた時、霧の前に探索者たちが死屍累々といった感じで転がっていたが、死んだものは誰一人としていなかった。その中にピレアもいた。寝不足で眼の下を黒くしている。
敵討ちにこだわった彼女も観測に参加し、最終目標を目の前にし、あるいは死者の姿を目にし、それでも生還して情報を得ることを優先したようだった。
ランタンは朝食を摂りながら観測結果を確認し、情報をリリオンと共有する。
そして昨晩立てた作戦にいくつかの変更を加えた。生きた情報はありがたかった。
最終目標と戦うのはランタンとリリオンの二人だけだ。契約としてヤナとアデルを戦闘に参加させることもできた。
だが相手は騎士であり機動力に優れる。特化した後衛である二人は護衛対象になりかねないというのがランタンの判断だった。
「必要になったら呼んでくださいませ」
アデルが言い、ジャックもそれに同意した。
ジャックたちの仕事は元もと道中の護衛のみである。最終目標討伐戦に参加したからといって報酬があるわけではない。だがそれでも一緒に戦おうとしてくれる。
ランタンとリリオンは朝食を済ませると、屈伸をしたり背筋を伸ばしたりして身体を温める。
ランタンはいつも通りの戦鎚を右手に構え、リリオンは大剣を左に提げ、右の腕を竜骨の鎧で覆っている。死神の大鎌は強力な武器だが、慣れぬ獲物で最終目標と戦おうとはさすがに考えない。必要となった時は、外から運び込まれる手筈になっている。
「教会の人だったんだ」
「元ですが」
二人の武具に魔道を付与するヤナが額に汗しながらそう返した。武具の表面に女が指先で記す魔道式には祝福が込められている。不死系の魔物に対して効果を発揮するものだった。
続々と目覚め始めた探索者は、怪我をしているものもいたが妙に清々しい顔をしていた。
「なんだか、昔の探索者になったみたいだぜ」
「昔の?」
ランタンが指をさすと、中年の探索者は血染めの髭を掻きながら顔を顰める。
「そりゃお前さんにくべたらおっさんだけどよ。もっと昔だよ。曾じいの、そのまた曾々爺ぐらいの。迷宮に謎を求めて、一個一個に意味を求めてよ。昔は冒険者なんて呼ばれたこともあってよ、――なあ、おい!」
言葉にならぬ気持ちを込めるようにばちんと背中を叩かれる。
するとそれを皮切りに周りの連中からばんばんと肩を叩かれたり背中を叩かれたりして、ランタンは鬱陶しそうに振り払う。
「さわるな、さわるな! ったく、戦う前に怪我したらどうするんだ」
「――わたしにはしてくれないの?」
仲間外れにされたみたいにリリオンが呟くと、あたりがざわつく。髪もきっちり編み込んですっかり戦う準備を整えたリリオンは、なかなか探索者好きのする凜々しい姿を晒している。
「……したらランタンに殺されるだろ」
「そうなの?」
「そうだよ」
リリオンの問い掛けにランタンははっきりと頷いた。調子に乗ってリリオンの尻を一撫でしようとしていた不届きものが危うく一命を取り留める。
「さあて、行くか」
「うん」
気合いを入れるようにリリオンの尻を引っぱたいたランタンは、ふと懐を探って手帳を取り出した。
「アダムス! これ、預けとく」
探索者の輪の外にいたアダムスに、ランタンは手帳を投げ渡した。
アダムスは陶器でも投げ渡されたみたいにそれをお手玉して、胸の中にしっかりと抱き受けた。何事かと探索者の視線が集中し、画家はしかしそんなものを気にする余裕はないようだった。
「あ、――、ああ、頑張ってくれ」
「月並み。芸術家のくせに」
ランタンは最後まで憎まれ口を叩いた。
魔精の霧の前に立つ二人の背中にピレアが声を掛ける。
「お願い、どうか――お願い。無事に戻ってきて」
返答はなく、だがその並ぶ大小の背中だけで充分だった。
霧が巻く。二人の姿が呑み込まれる。
真っ白な濃い霧の中を進んで、突き抜けた瞬間に二人は二手に分かれた。
空気が重い。これは王たるものが有する気配に違いない。この場にいるだけで精神力が削れる。旋毛を押さえつけられ無理矢理に跪かされるような重圧がある。
最終目標、――騎士王の姿がそこにあった。
真白の、だが絢爛な鎧に身を包んでおり、背に真紅の外套が靡いている。兜の隙間から月のような眼が二つ覗いており、その手には長大な馬上槍がある。
騎士王が跨がるのは八つ足の巨馬であり、こちらも鎧に身を包んでいるが、あるいはその鎧こそが全ての鉄馬なのかもしれなかった。隙間はなく中身を窺い知ることはできない。
使役されているという探索者は、最下層の奥にいた。玉座のあるべき場所には巨大な釜があり、その隣に少し揺れながら、ぼんやりと突っ立っている。
胸に穿たれた穴は酸化した血によって黒々と縁取られ、男の向こう側を覗き見ることが出来る。
血色を失った表情は無機質ながら陰鬱さを感じさせ、まだ二十代だと聞いているが、老人のようにも思わせた。
将来を嘱望された探索者だったようだが、今の姿からではその才気を感じ取ることはできない。
死者の冒涜というのも頷ける。彼は守護霊ではない。たださらしものにされているだけだ。
二人が入った瞬間に騎士王は既に突撃を開始している。
探索者侵入時の騎士王の行動様式は幾つかに分かれるが、この突撃が最も可能性の高い攻撃行動だった。
予想通り。そして次も予想通りの行動を取った。騎士王は右に旋回し、ランタンを追った。
床を踏み割る蹄の音が背後から高速で近付いてくる。ランタンは負けじと足元に爆発を発生させた。一足飛びに距離を空け、そして空中にいるランタンに馬上槍は放たれた。
馬鹿め。
ランタンは既に体勢を制御している。戦鎚に込められた重力の魔道によって身体を反転させ、飛来する槍を迎え撃つ。
戦鎚に触れた槍が、しかし問答無用にそのまま前進し、金属が擦れあって激しい火花を発した。風圧がランタンの髪がはためかせ、触れてもいないのに頬の皮膚を削ぎ落として血を流させた。
ランタンは着地と同時に地面を蹴り、騎士王に接近する。
リリオンは既に肉薄していた。王を守る巨馬の後ろ蹴りを潜るように躱し、そのたくましい後肢の影から突如に現れたかのようにリリオンは大剣を斬り上げる。
槍を失った騎士王は腰の剣を抜く暇さえ与えられず、それは絶好の機会のように思われた。
「てえいっ!」
斬れるならば斬ってもよい。
体勢こそやや不安定なもののリリオンの一撃である。
それが完全に防がれる。鎧で受けたのではない。騎士王の手に槍が戻ってきていた。
帰還の槍。
ネイリング家の宝剣である万物流転のように、主の下へ帰ってくる槍である。
騎士王は巧みな馬さばきで大剣の勢いを完全にいなした。
上方へ斬り上げたリリオンの大剣が更に上へと導かれ、リリオンの腰が無防備に浮く。
あの探索者の胸の傷跡が思い起こされる。
少女は腹筋に力を込めて浮かされた重心を振り落とす。頭上で絡む槍をどうにか巻落とせぬかと試みるが、触れ合う大剣から目の前の敵が生半なものではないことがはっきりと感じられた。
ならば、ではない。
元から信じている。
槍が爆ぜた。
削られた頬から流出した血が槍を汚していた。そしてそれはそのまま騎士王の手の中に帰還したのだ。
「馬鹿め」
ランタンの声が近くから聞こえ、リリオンはその場で足を踏み締めて意識の全てを攻撃に向ける。
絡み合っていた剣と槍の拮抗が、爆発の力によって崩れ去った。
「やあ!」
リリオンは騎士王の槍を弾き飛ばし、騎士王はそれを悟るや否や腰の剣に手を掛ける。槍の帰還を待つよりもそちらの方が早いという判断だ。
巨馬は少女から主を遠ざけようと前肢を高く振り上げて立ち上がり、蹄の裏をリリオンは見上げる。
リリオンは既に狙いを替えていた。
巨馬の身体が沈んだ。踏み下ろしたのではない。巨体を支えていた後肢が消失し、落下したのだ。
黒々としているはずの戦鎚が眩いほどに白熱化しており、たくましい金属の太ももは音もなく氷のように溶けて見る影もない。
リリオンの大剣はここしかないという前肢の関節を狙ってそれを断ち切った。
まずは機動力を奪う。あらかじめ立てた作戦の一つだった。
騎士王は馬上から飛び降りる。はためいた外套は空を覆う夕焼けのようであり、それは不吉さを滲ませている。
リリオンが騎士王を追おうとしたが、四肢を失った巨馬がその首だけで少女に噛みつこうとする。咄嗟にランタンが戦鎚を突き出したのは、むしろリリオンを制止するためだった。
噛み付かれた瞬間に腕を引いて首をねじ切る。
それでもまだ噛みつく馬首を振り解き、ランタンは足元に転がったそれを騎士王に向かって蹴り出した。
「―――――!」
迷宮語、意味を持たぬ異形の言語を騎士王は放った。
抜きはなったのは先端が僅かに弧を描く片刃の長剣である。猛烈な速度で接近した馬首を容易く両断し、曲りも欠けも見られない。剣撃の勢いに床さえ断ち割れている。
それだけで理解できる。
魔剣である。
リリオンが不用意に近付けば、あの馬首のようになっていただろうか。
「取り敢えず引きずり下ろせたか」
「しきりなおしね。きっと剣の方が得意よ」
「なんでわかる?」
「勘」
ああそう、とランタンは口の中で呟き、だがその勘は当たっているかもしれない。
爆発を受けて槍は壊れていない。再びの爆発を警戒しているのかもしれないが、帰還の槍は騎士王の手に戻ってはいなかった。
堂々たる足取りで接近してくる。右手に剣、下に向けた鋒はともすれば床に擦りそうなほどである。
「こっから先は情報無しか。夜通し頑張ってくれたのに」
「いつも通りよ」
「さあ行くぞっ」
ぬらりと斬り上げられた剣をリリオンが受け、ランタンが側面から殴りかかる。
騎士王はそれを左の手で受け止めた。
二人の攻撃をそれぞれ片手で受け止めて、王たる足取りは揺るぎない。




