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ベッドの端にランタンは腰掛ける。深く腰掛けると爪先が床に付くか付かないかという感じで、ランタンはゆらゆらと膝を揺らす。
ふと、爪先が床に触れた。リリオンがランタンの背後に寄って膝立ちになり、二人分の体重にベッドが沈んだからだ。
リリオンが細く、長く息を吐く。ランタンは項がひりひりするのを感じる。
項に繋がる肩が細い。
リリオンは拳を握った。指の関節がぱきんと小気味よい音を立て、慌てて力を緩める。掌の中に雛鳥でも捕まえるように緩く握りなおし、今度は太く、短い息を吐く。
ちょっと怖いな、とランタンが思ったのはしかたのないことだった。
リリオンの目は血走っていないのが不思議なぐらいに見開かれていて、呼吸は荒ぶるそれを押さえ込もうとしているのがよくわかった。
「いくわよ」
「どーぞ」
ランタンは諦めるように頷く。
握った拳が、肩に叩き付けられた。右に左に、何度も、繰り返しに。
「どうかしら、わたしの肩たたきは」
「――うん、思いの外、まあ普通」
鎖骨でも叩き折られるんじゃないか、と冗談半分に思っていたが、もちろんそんなことはない。手拍子するみたいに調子よく、ちゃんと女の子の力加減で肩は叩かれている。
ランタンとしては褒めたつもりだが、リリオンはいまいち不満気で、肩を叩く力が少し強くなった。
後頭部に睨まれているような感覚があり、それはきっと錯覚ではないだろう。
「もっと痛いと思ってたから、普通はむしろ褒め言葉だよ」
リリオンは、ふうん、と拗ねるような気のない相槌を打った。
「じゃあ、いいもん」
そう言ってからも少しだけ肩たたきを続けてから、ふと肩を掴んだ。
「わたしはもっと上手にできるのよ」
親指を肩甲骨の外縁に沿わせ、残りの四指は肩の頂から鎖骨の近くに置く。
「ああ――ぁ……」
「痛い?」
「いや、いい。こっちの方が」
「なに?」
「気持ちいいよ。続けて」
「まかせて!」
リリオンは途端に得意満面になって、ランタンの肩をベタベタと触る。
ふむふむなるほど、と頷きながら少女は状態を確認する。
ランタンがリリオンにマッサージを受けるに至ったのは、前日の迷宮探索で肩に負担がかかったからだった。
平べったい背中だが、見た目よりもやはり筋肉質で、肩甲骨の間、背骨沿いに連なる筋肉群は良く発達している。
赤子のようなふっくらとした弾力があり、しかしもっとよく確かめると、その弾力の中に強張りを見つけることができる。
ランタンは右肩の方が疲労しているようだった。
いつも右手で戦鎚を使うからかもしれないし、昨日はその細肩に山羊をぶら下げた斧槍を担いだからかもしれない。
よく見ると僅かに皮が捲れているし、痣とは言えぬがほんのり紫の色味を帯びている。
そこはあまり押さないように気を付けながらも、リリオンは褒められたことが嬉しくして、執拗にランタンの肩を指で圧した。
肩から背中に下り、背中から首筋に上がり、だんだんと指圧範囲が拡大してゆく。
そしてついに襟ぐりから手を滑り込ませて、直にランタンの肌に触れる。
おや、とランタンは思う。
少女の親指が鎖骨の下に触れて小胸筋の硬さを解してゆく。
まあ、これぐらいは見逃してやろう。
しかし膝立ちだったリリオンの脚はいつしか崩れ、左右からランタンを挟み込むようになっている。見下ろす位置にあった頭はランタンと同じ高さにあり、少女の顎が左の肩に乗っている。
「へへへ」
「はい、お終い」
「えっ、どうして! これからじゃない!」
「気持ち悪い笑い方したから、お終い」
「もう笑わないから、おねがいおねがいおねがい」
「いや、それじゃあ僕が困る」
「おねがいおね――……? うん? どういうこと?」
「あーあ、襟が伸びたじゃないか」
ランタンはリリオンの疑問に答えず。襟から差し込まれた少女の手を抜き取った。広がった襟首から己の身体を見下ろして、男の身体なんて触って何が楽しいんだよ、と思う。
「どうしてランタンがこまるの?」
「僕が笑わなくなっても、リリオンは困らない?」
「こまる」
「でしょ」
「なるほど、へえ、へー、そうなんだ。うふふ、ランタンこまっちゃうの、あらぁ、そうなの」
「別に、どんな顔しててもいいけど。好きにしなよ」
「おこらないで」
「怒っちゃいないよ」
ランタンは肩の具合を確かめるために、ぐるりと腕を回した。
「軽い、ような気のせいのような。ま、料理するには充分だな」
ランタンはベッドから下りて振り返る。差し出した手にリリオンは飛び付いて、ベッドから立ち上がった。
「夕方には来るって。さっさと仕込みを済ませちゃおう。山羊三頭分もあるんだから。向こうの調理場なら好きに使っていいって」
「うん」
「どんな料理作るかちゃんと考えた?」
「うん、色々作るのよ。テーブルの上をお料理でいっぱいにするのよ。まあ、すてき! ランタンも手伝うんだからね」
「手伝えるかな。僕は僕でなんか作るし」
「そうなの? ランタンってお料理できたの?」
「食べたことあるだろ。迷宮で」
「そうだけど」
確かに迷宮での料理は、料理の内に入らないかもしれない。
迷宮料理は基本的にただ単純に焼くか、煮るか、それぐらいのものだ。
食事は迷宮探索において命を繋ぐためだけではなく、志気にかかわる重要な要素であるが、あくまでも重要なのは食事であって料理ではない。食事に至る過程に、それほど労力を割くことはできない。
簡単美味しいが迷宮料理の主題である。
しかし普段料理などしない探索者は、その焼く、煮る程度のことを労力と考え、味など二の次で腹さえ満たせればいいと携帯食料を重宝する者がそれなりに存在する。
「まあ見てなって。けっこう色んな料理の作り方ぐらいは知っているんだから、僕は」
「実際に作ったことは?」
「……たぶんない」
「へえたのしみね」
リリオンにしては平坦な声だった。
ランタンが本当に料理などする余裕がなかったのは、探索者として初期の話だ。
リリオンと出会う以前から、ランタンはそれなりに余裕があった。他の探索者ほど物臭ではないし、食にもそれなりのこだわりがある方だ。であるのにもかかわらず、記憶を頼りに料理を、迷宮内外を問わずしなかったのはなぜだろう。
あれほどここではないどこかへと帰りたいと願っていたのに、郷愁を癒やせるような料理を作ることはついになかったと思う。完璧に再現することはできずとも、それなりのものはきっと作れたはずなのに。
そして今はそれを作ってみようかと考えている。それも自分のためではなく。
きっと特に理由はないのだろう。
「でも山羊かあ」
「大丈夫よ、きっと」
使用許可を得た調理場は使用人の宿舎内にある。宿舎は本館から一度外に出なければならず、庭の片隅にあって、兵舎も兼ねているので無骨な造りをしている。裏手に回ると直接に調理場へ入ることができる。
「お邪魔します」
「まーす」
そこはやはり本邸の調理場と比べるとかなり質素で、油じみている。だが広々としていて使いやすそうだった。土間になっていって、ひんやりとした冷気に満ちていた。
料理夫は、話は聞いているから好きに使っていいよ、とざっくばらんに何がどこにあるかを教えてくれた。調理器具も一通り用意されている。
最後に一言。
「手伝いはいるか?」
「ああ、どうでしょう」
「大丈夫! です」
リリオンが宣言すると、うん、と一言頷いて調理場から出て行く。二人はそれを見送って、おもむろに腕まくりをした。
作業台には三頭分の山羊肉が、それぞれの部位に切り分けられていた。内臓は迷宮に捨ててきて、皮と角を含む頭部はすでに探索者ギルドで換金済みだ。
「よし、やるわよ」
やる気を出すリリオンの横でランタンはすでにげんなりしている。
三頭分の山羊肉は控えめに見ても百キロ以上あった。一頭分、いや半頭分でテーブルをいっぱいにできそうだ。
「何から手をつけていいかわかんないな。いいところだけ使って、あとは飛竜の餌にしようよ」
探索者的な思考である。
探索が思いがけず長引いたり、不運にも持ち込んだ食料を喪失してしまったりした時、探索者は魔物を食べる。その時、狩猟した魔物が小型か、探索班の規模が大きいかしない限り、探索者は食べやすそうな部位だけを食用に用いる。
理由は面倒臭いからだ。持ち込みの食糧が尽きた時点で、帰還はほぼ決定的で、後ろ足が二本もあれば数日は持つ。
「だーめ。テーブルをいっぱいにするって言ったでしょ。じゃあランタン、火を付けて」
リリオンに言われて、ランタンは手の中に炎を起こす。幾つもある竈に火を投げ入れた。
しかしさすがに身体から離してしまえば、それほど長くは持たないだろう。迷宮ほど魔精が濃ければその限りではないかもしれないが。
ランタンはそこに炭をくべ、リリオンは次に、お湯、と言う。
「小間使いかよ」
大きな鍋二つに水を張り、火にかける。ランタンは鍋の中にも炎を投げ入れた。水があっという間に沸騰し、リリオンが拍手をする。
「便利ね」
「もう疲れちゃったよ」
ランタンは肉の山の前で途方に暮れ、リリオンはさっそく脂の塊を手に取った。
さすがに魔物なだけあって皮下脂肪がずいぶんとぶ厚く、料理夫が気を利かせて外してくれていた。本体の方にも程良く脂を残しているが、それでも塊はかなりぶ厚い。
リリオンはそれを包丁でざくざくと切ってゆく。脂で切れ味が悪くなると熱湯に刃を洗い流す。そして熱した鉄鍋に微塵にした脂を投入する。じゅうじゅうと小気味よい音を立て、氷が溶けるように脂が溶けてゆく。
つんとした獣臭が調理場に立ちこめる。好き嫌いが分かれる臭いだな、とランタンはやはり思う。
リリオンはそこに房のままのにんにくを三つに、粒のままの胡椒をばらばらと入れて獣臭を消し、香りを移してゆく。
「ランタンも使っていいからね」
「そりゃどうも」
リリオンは火箸で火力を調節しながらランタンに言った。
にんにくの皮が薄茶色に色づき、じわじわとその色が濃くなるにつれて香りが混じり合って、野趣溢れる香りが漂い始める。ランタンは思わず生唾を飲み込んだ。
「よし、じゃあまず。どうしようかな」
ランタンは肉の前で腕組みをした。
山羊肉の臭いにかんしては料理夫も気にしてくれたのだろう香辛料や香味野菜がふんだんに用意されていた。
あの柔軟な首肉はぶよぶよとしており、筋張っていてランタンの料理の腕では少し使いづらそうだ。腹肉には脂身が赤身と交錯するように入っている。やはり使いやすそうなのは脚の肉で、赤身の色が濃く、肉質は歯ごたえがありそうだった。
「脚だな」
ランタンはまな板の上に後肢を一つ乗せ、力任せに膝を逆に折り、力任せにねじ切った。
「ふむ」
こっちはいらない、と脛の方をよけるとリリオンがそれをひょいと持っていった。
靴下を脱がすみたいに骨から外し、湯を沸かした鍋の中に放り込む。肉の方が獣臭はかなり濃い。灰汁も大量に湧いたので、一度茹でこぼし、肉を洗って、それからあらためて香味野菜と一緒に煮込んでゆく。
ランタンが何か一つのことをしている間に、リリオンはてきぱきと料理を進めてゆく。
ランタンは包丁の代わりに狩猟刀を構えて、もも肉を程良い大きさに切り分けてゆく。
「初めてなら、味見をした方がいいと思うわ」
「……なるほど、それもそうだな」
脚一本分のもも肉を全て一口大に切り分けたランタンにリリオンが声を掛けた。
ランタンは額に汗しており、もしかしたら迷宮で戦った時よりも疲れたかもしれない。
ランタンは肉の一つの塩胡椒をして小麦粉をまぶした。
「これってこのまま入れていいの?」
「揚げ物? なら必要な分だけ別のお鍋に用意した方がいいわ」
「手が粉まみれなんだけど」
「はいはい、ちょっと待っていてね」
「――まだ?」
「せかさないの」
リリオンは自分の作業の手を止めてランタンのために鍋を用意すると、大量に作った香味油の三分の一ほどを移し替えた。
香辛料はすでに取り出されていて、にんにくは真っ黒になっていたが、外皮を剥くと白い実が出てくる。
ぱらりと塩を振って、リリオンがその一粒をランタンの口に放り込んだ。
甘みが強く、ほくほくとしていて美味しいが、これで今日はもうリリオンにキスできないなと思う。
「おいしい。もうこれでいいじゃん」
「そんなこと言わないの。何を作るの?」
「からあげ」
「へえ、おいしそうね」
「まだ、わかんないよ」
充分に熱された油に肉を落とすと、ぱっと粉が散ってばちばちと油が跳ねた。肉は一度鍋底に沈んで、ゆっくりと浮かび上がってくる。
「あんまりさわったらだめよ」
「うん」
返事をしたもののランタンは菜箸でしきりに肉を突いている。その度に衣が剥がれ、肉を持ち上げるとまだら禿といった感じだった。
「……人の話は聞くもんだな」
まあ味見だし、とランタンは一人言い訳をして、火の通りを見るために半分に切った。
弾力が増しており、中心はうっすら桃色をしているが、染み出す肉汁が透明なので熱は通っているだろう。
「うん、うー……ん、うん」
「わたしにもちょうだい」
「どうしようかな」
「ちょうだいよ」
「期待はしないように」
衣はざくざくして食べ応えがある。肉の味は濃く、歯ごたえはじゃきじゃきとして繊維質だ。
「なんか角が生えそうじゃない?」
「どういうこと?」
「けもの! って感じ」
「言うほど悪くはないわよ。でも気になるならお肉をちょっとつけ込んだ方がいいんじゃないかしら」
「なるほどね」
リリオンの言う通り酒ににんにく、生姜、胡椒を混ぜた者に肉を漬け込み、漬けている間の時間にランタンは性懲りもなく別の料理を作り始める。
「今度はなに?」
「カレー」
「かれえ?」
「あ、ご飯炊かなきゃ。リリオン」
「いつからそんなに面倒くさがりになったの?」
「ついさっき」
リリオンが米の用意をしている横で、ランタンは余った肉を炒める。充分に火が通ったら刻んだ玉葱を筆頭にそれらしい野菜を加え更に炒め、唐辛子と黄色っぽい香辛料と塩を加える。思い出したように余ったにんにくと生姜も加える。
「小麦粉って入れるんだっけ?」
「しらなーい。そもそもかれえってどんな料理なの?」
「茶色くてどろどろした刺激的な香辛料スープ。スープなのか?」
「ごはんと一緒に食べるの?」
「そう。まあいいか、スープカレーもあるし。あれ、ってことはもとはスープじゃないのか」
ランタンは盛大に水を加えて、沸騰させると弱火にした。見た目はかなりそれらしい。
混ぜていたへらをぺろりと舐めると味もかなりそれらしいが、塩味とこくが足りない。
塩は足せばよいがこくはどうしたらいいだろう。
「あ、そうだ。リリオン、ちょっとこれ見てて」
「どこ行くの?」
「部屋。すぐ戻ってくるよ」
リリオンにへらを押しつけてランタンは調理場を飛びだし、寄り道をせずに本当にすぐに戻ってきた。
その手には小袋があった。
「それって」
「この前、拾ったやつ」
それは迷宮内で座礁していた船の中で見つけたものだった。普通の探索者ならば見向きもしないだろう、真っ黒く黴びた大豆をランタンは持ち帰ってきたのだった。
「それ、入れるの?」
「入れる」
「平気なの?」
「大丈夫。火が通るし。それにこれは黴びてるんじゃなくて発酵してるんだよ。味噌の先祖か親戚って感じ」
「みそって?」
「発酵した大豆、だと思う。取り敢えず豆。それで味付けしたり、お湯に溶いて飲んだりするの」
「へえ、それはおいしいの?」
「おいしいよ、きっと」
「それはふやせるの?」
「どうだろう」
ランタンは小袋の中に十粒ほどを残して、残りを細かく刻んで鍋の中に入れた。ぐるぐる、ぐるぐるとひたすらに鍋をかき混ぜ、程良く煮詰まったら再び味見をした。
「んまい」
「いい匂いね。わたしも味見、ちょうだい」
「ほれ」
「おいしい! わあ、初めての味よ! へえ、これがランタンの味かあ」
「よし、もういいや。」
カレーが上手にできたので、漬け込んである肉はもう味見しなくてもいいだろう。あとは粉をまぶして揚げるだけだし、それでも臭いが気になったらからあげカレーにしてしまえばよい。
「なんか手伝うことある?」
「あら、もういいの?」
「なんかもう面倒臭い。もうちょっと上手にできるかと思ったけど、そんなこともなかったし。リリオンが作った方が美味しいだろうし」
スープはもう出来上がっているし、炒め物が三種類作られているし、蒸し料理を作っているのだろう蒸気はもうもうとして、馬鹿みたいな量の肉が丁寧に串打ちされている。その上、小麦を練ったパン生地も作られていた。
リリオンは大人びた笑みを浮かべて、それじゃあねえ、と作業台を見渡した。
「じゃあ、パン生地の中に具を入れてくれる?」
「地味だ」
「お手伝いしてくれるんでしょ? わがまま言わないの」
「はいよ」
ランタンは円形にのばしたパン生地の上に挽肉を炒めた物を乗せ、包んでゆく。なかなか難しい。ちょっとでも具が多いと生地が破れてしまうし、少ないとどうにも貧乏くさい。
リリオンは、もともとそれなりに料理はできた方だが、ランタンの知らない内にさらに上手くなっていた。
外に出られなかった分、色々なことを家の中で学んでいたようだった。
さすがに一頭分だけで、きっとテーブルを埋め尽くすだろう大量の料理が出来上がり、残りの二頭分はランタンの言った通り竜種の餌となりそうだった。
あとは火を通すだけ、揚げるだけ、あるいは温め直すだけとなって料理の仕込みが終わる頃には、もう燃え上がるような夕陽の時間になっていた。
「ああ、さすがに疲れたわ」
調理場のひんやりとした雰囲気は疾うの昔に失われ、二人はすっかり汗と油にまみれていた。
迷宮探索の方がよほど楽だとランタンは思う。
二人揃って調理場から出て、高く腕を突き上げて身体を伸ばす。
夕焼けに影が長く伸びて、調理場から漂うカレーの香りにランタンはなんだかとても懐かしい気持ちになる。これが迷宮によって構築された記憶だとしても、今この懐かしさは本物だろう。
「よろこんでくれるかなあ」
「喜んでくれるよ。きっと」
遠くから飛竜の羽ばたきが聞こえる。




