ヤンデレだって俺の嫁
朝。
結の家で目が覚める。最近は、ここが俺の家みたいになっている。
「りっくん、起きてー! 」
結が俺を揺さぶる。
「学校行く準備しないと! 遅刻しちゃうよ! 」
「あー……わかった」
俺は布団から起き上がった。結はもう制服を着て、髪も綺麗に結んでいた。
「りっくん、今日は自分で髪、結べた」
「おお、上手いじゃん」
「えへへ、頑張ったよ」
結が誇らしそうに笑う。前よりも空気が軽い。
結が作った朝ご飯を食べて、二人で学校に向かう。
いつも通りだ。
「りっくん、今日のお弁当は? 」
「今日は昨日の残りの余り」
「あー……ピーマンの肉詰めだったよね……」
「でも、ご飯に海苔で顔を付けた」
「それなら満点だよ! 」
話しながら歩いていると、前を三崎が友達と歩いているのに気付いた。
結は俺の手を離して、三崎に駆け寄る。
「一夏、おはよー! 」
「結、おはよ! 旦那と一緒じゃなくていいの? 」
「朝起こしてあげたもん! ねー」
結が振り返って俺と目くばせをした。
俺が頷くと、結は前を向いて三崎と笑い合う。
女子の会話が聞こえないように、少し離れて結の背中を見ながら歩く。
結はもう俺と四六時中手を繋いでいなくても安心できるようになっていた。
手錠は無いし、GPS監視もない。俺がクラスの女子と話しても怒ることもない。
あの頃に比べたら、今はずいぶん自由だ。
でも、それは家に帰れば俺がいて、明日も明後日もわざわざ約束しなくても一緒にいると結が気付いたからだ。
結は相変わらず俺にべったりで、そして、俺も相変わらず結のそばにいる。
これが監禁なのか、溺愛なのか、もうよくわからない。
でも、一つだけわかることがある。
俺は、結のそばにいたいんだ。
俺と結の監禁生活は、これからも続いていく。
でも、それでいい。
結が笑っていればまぁそれでいいかな、と思う。




