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幼馴染がヤンデレ化して自宅に軟禁されてる俺に果たして自由はあるのだろうか?  作者: 甘酢ニノ
監禁、邪魔が入る

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14/17

結の家。

いつものように夕食を作っていた。

今日は結と一緒に作ったハンバーグ。結が張り切って泣いているけれど、不安そうに何度もひっくり返している。


「りっくん、これ、焼けてるのかな……? 」

「フタして放っておけば大丈夫だ」

「うーん……焦げちゃわない? 」

「それなら、煮込みにしよう」


買っておいたトマト缶を開けて、中身をフライパンに入れて適当に塩胡椒をする。

結は生焼けも焦がすのも健康に悪いと不安がるから、しばらく煮込んだ方が安心するだろう。


「りっくん、さすがだね! 」


結が嬉しそうに笑う。しかし、結がふと笑顔を消した。


「りっくん」

「ん?」

「りっくんは、ずっと一緒だよね?」


結が不安そうに聞いてくる。


「ああ、ずっと一緒だよ」

「本当?」

「本当」


結が少し安心したように笑った。でも、その笑顔はどこか不安定だ。最近、結はこういう確認をよくする。俺が答えるたびに安心して、でもまたすぐ不安になる。そのループが続いている。

結が片付けをしている時、チャイムが鳴った。


「誰だろう」


結が不思議そうに言う。来客が来るには遅い時間だ。

俺がドアを開けると、卯月と羽山が立っていた。


「卯月? どうしたんだよ」

「りっくん、ちょっと話がある」


卯月が真剣な顔で言う。そして、俺が返事をする前にズカズカと部屋に入って行った。

羽山が大人しく卯月の後ろにいるから、羽山が卯月に何か言いつけたんだろうなーと嫌な予感がする。


「卯月、どうしたの?」


結は驚いた顔で卯月を迎えた。


「結、ちょっと話があるの」


卯月が結を真っ直ぐ見る。結が不安そうな顔をしたが、小さく頷いて卯月とリビングに座った。


「話って、何? 」

「結、最近、りっくんに依存しすぎ」


卯月がど直球のストレートに言う。

俺は思わず羽山を見たけど、目を逸らされた。


「い、依存なんかしてないよ! りっくんが好きなだけだもん! 」

「好きなのと、依存は違うでしょ! 」


結がすぐに反論するが、卯月が打ち返す。

卯月と口喧嘩をすると誰にも勝てない。しかし、結は諦めずに更に反論する。


「違わないもん! りっくんと一緒にいたいのは本当のことだもん」

「結、最近りっくん以外の人と全然話してないじゃん。三崎とも」


卯月が指摘すると、結が黙った。


「なんでそんなにりっくんにしがみつくの? 大した男でもないのにさぁ。結、自分がどういう状況だか、わかってる?」

「わかんないもん……」


結は膨れた顔で俯いた。


「私はわかるよ。結は、お母さんが亡くなったから、不安になってる」

「卯月、やめろ」


俺が言っても、卯月は俺を一睨みで黙らせた。


「やめない。結のためだもん。結は、お母さんが急に死んじゃったから、りっくんもいなくなるんじゃないかって不安になってる」

「そう、だよ……」


結がぽつりと話し始める。


「だって、普通に話してたのに。帰ったら、もういなくなってた……何で、どうしてって……」


結が顔を上げると、目に涙が浮かんでいた。


「結、りっくんが本当に死んだら、どうするの?」


卯月が真剣な顔で聞く。


「え……」


結が驚いた顔をする。でも、きっと結は何度も考えていたはずだ。

俺がいなくなることを怯えて、手錠を繋いだり監視したりしていたんだから。


「今のままの状態でりっくんがいなくなったら、結、今度はもうショックで生きていけないでしょ? そんな状態でいいの?」


卯月が問いかける。結は何も言えない。


「後悔しないように、正直に甘えるのはいい。でも、依存するのは違う」


結は涙が溜まったまま、そっぽを向いた。

まだ卯月の言葉を素直に受け止められないようだ。

卯月はふぅとため息をついて、結の手を握る。


「結、お母さんが亡くなって、ちゃんと泣いた?」

「え……」


結が驚いた顔をする。


「泣いてないでしょ。私、知ってるよ。お葬式の時も、結、泣いてなかった」

「それは……」


結が言葉に詰まる。


「泣いたら、お母さんが本当にいなくなっちゃうって思ったから?」


卯月が優しく聞く。

今度こそ、結の目から涙が溢れた。


「うん……泣いたら、認めちゃうことになるから……お母さんが、もういないって」

「でも、泣かなくても、お母さんはもういないんだよ」


卯月がはっきりと言って、結の涙がぱたぱたと床に落ちた。


「うん……わかってるよ……」

「じゃあ、泣こう。ちゃんと悲しもう。りっくんじゃなくても、私もいるから」


卯月が結を抱きしめた。


「うん……」


卯月の肩に顔を埋めて、結が声を上げて泣き出した。

母親が死んでから、結がちゃんと泣いたのを見るのは初めてだ。


羽山が俺の肩を軽く叩いて、玄関の方を示した。

外に出ろ、ということだ。

俺は少し迷ったが、立ち上がって羽山と一緒に玄関を出た。ドアを閉める前に、卯月が結の手を握るのが見えた。 

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