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世界を越えて冒険します!  作者: 同じ釜の召使い
第一章 『始まりと覚悟』
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第5話『スキルって異世界っぽいよね』

「出発前に行っておきたいところがあるのですが」

 ルルシュが俺達について来てくれることになり、早速出発しようとしていたのだが。

「もちろん良いけど、どこに行くんだ?」

 すると、ルルシュが大したことはなさそうに、

「刻印台ですね」

 刻印台?

「それは何をするための場所なのだ?聞いたことも見たこともないのだが」

 リーナの話を聞き、ルルシュは目を丸くして言った。

「2人が住んでいた世界にはスキルが無いのですか?」

 何だよスキルって。

 何だよ、何だよ。

「「カッケェ!!」」

 俺達は思わず興奮していた。

「戦力向上にも繋がりますし、行っときますか?」

「「行きます!」」


 しばらく歩いて着いたのは、教会みたいな場所。

 その中に入ると神父らしき人が座っていた。

「こんにちは、お祈りですか、それとも刻印ですか?」

「刻印でお願いします」

 ルルシュがどんどんと進めてくれる。

「この2人は刻印について知らないようなので、簡単に説明をお願いします」

「わかりました、ではまず……」

 神父の話はありえないほどに長かった。

 要約すると、人間は生まれつきに最低1つのスキルを持って生まれてくる。

 ごく稀にだが、何か特殊な条件を満たすと新たにスキルを獲得できる。

 そしてそれらのスキルは、刻印台で肉体に刻み込むことで初めて使えるようになるんだとか。

 

 つまりこれは俺の秘められた才能が世に広まるイベント!

 同じようなことを考えていたのだろう、リーナも鼻息を荒くして興奮していた。


「ではまずそちらの少年、前に出てきてください」

 神父に呼ばれ、前に進み出た俺は神父の指示に従い、刻印台とやらに触れる。


 ……と、刻印台が発光を始めた。

 これは俺のスキルが超強いか超多いかのどっちかになるパターンだな。

 しばらくすると刻印台の光は消えていった。

「はい、終了しました。えーっと、あなたのスキルは……『操鞭(そうべん)』、ですかね」

 えっ。

「他にはなんかありませんか?」

「これだけですね。あっ、でも先天スキルは1個が普通ですからね、2個以上なんてのはほとんどありませんから、落ち込まなくていいですよ」

 い、いやでも『操鞭』がめっちゃ強いのかも……

「すみません、『操鞭』ってどんな効果があるんですかね」

 淡い希望を持って尋ねたのだが、

「えっと、効果は『鞭を上手に扱える』ですね」

「……それだけですか?」

「それだけですね」

 ……。

 すると、ルルシュがすかさずフォローしてきた。

「まあ、ハズレではないですよ、『木登り』なんてスキルしかなくて泣いてる人もいますから」

 何だよそれ、せっかく異世界来たのに一般人(パンピー)と変わらないのかよ。

「ふっ、情けないなカズキ。まぁ見てろ」

 この野郎。

 舐めたことを言ってきたリーナに苛立ちながら、リーナの刻印が終わるのを待った。

「えっと、『狙撃(そげき)』の1つですかね」

「そのスキルは強いですか!?アタリですか!?」

「戦闘向きのスキルの中でもなかなか強い方ですよ。効果は『遠距離攻撃の命中率と威力が大幅に上昇する』です」

 その言葉を聞いて、リーナがドヤ顔してくる。

 く、悔しい……!


「カズキさん、教会では先天スキルに合わせたアイテムを配布しております。こちらをお使いください」

 神父が俺に手渡してきたのは一本の鞭。

 なるほど、冒険者支援的なサービスがあるのか。

「リーナさんはどうします?」

「私は要らないぞ。もっといい得物があるからな」

 フッと不敵に笑うリーナ。

 何だろう、コイツに負けてると思うとめちゃくちゃ悔しい。


「では、2人とも、そろそろ出発しましょうか」

 そして、俺達は教会を背に歩き出した。

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